理工系女子大学生10名が米国でのインターンシップ研修を経て研究者における多様性を学び帰国
2024年2月10日から3月13日にかけて、「TOMODACHI-STEM Women’s Leadership & Research Program」参加者10名が、ペンシルバニア州のリーハイ大学とテキサス州のライス大学にて研究インターンシップに参加しました。
渡米研修に先立ち2024年2月4日に、10名の参加者は本プログラムを支援するダウ・ケミカル日本株式会社を訪問しました。参加者はそれぞれに現在学んでいることや本プログラム参加を希望した理由などを同社社員に向けて発表したほか、進路や、STEM分野における女性という立場について参加者から相談する場面もありました。ダウ・ケミカル社員からは、同社の企業文化やそれぞれのキャリアについてお話があり、社長のPatrick McLeod氏からは、プログラム期間を経ての参加者の変化が見られることを楽しみにしているとの激励の言葉がかけられました。
10名の学生は、2月~3月にわたり、ペンシルベニア州のリーハイ大学またはテキサス州のライス大学のいずれかに5週間滞在し、研究やキャリアとリーダーシップ開発のために、様々なワークショップや活動に参加しました。現地では、毎週Zoomを利用し、学生の研究実習の報告・成果を両大学の教員に共有し合い、さらには、「STEM分野における女性研究者の現状と未来」をテーマに、パネルディスカッションや講義に参加し、女性研究者との交流を深めました。リーハイ大学では、リーハイ・デザイン・ラボのプライベートツアーに参加し、最先端の技術や機械を実体験することができました。ライス大学では、マツダ学部長との昼食会において、米国での高等教育の追求について意見交換をしたり、また、本プログラムアラムナイとの同窓会が行われ参加者との絆と繋がりを強める貴重な機会となりました。
8年以上に亘り、本プログラムを支えてくださっている河野淳一郎教授は、「今年の参加者は、研究や課題への倫理観、創造性、他の研究メンバーとのチームワーク、そして非常に限られた時間枠内でプロジェクトを完了するための粘り強さに非常に感銘を受けました」と語りました。帰国を前に、10名の学生は、テキサス州ヒューストンのダウ・ケミカルに訪問することができ、産業研究者というキャリアについ幅広い知識を得ることができました。学生は、現地で出会った人との繋がり、コミュニティー、そして学術的・文化的活動により、本プログラムの目的を達成し、多様な視点からの学びと成長が促進されました。
帰国後の4月5日、参加者たちは再びダウ・ケミカル日本株式会社を訪れ、代表者2名がプログラムでの経験についてプレゼンテーションを行いました。プログラムライス大学代表の荻野栞氏は、テキサス州でのダウ訪問を次のようにふり返りました。「産業研究者(Industrial Researcher)になることは実際どんなものなのか全く想像がついていませんでしたが、数多くの研究者と話をすることができ、彼らは多様な企業との様々なプロジェクトに関わっているということを知りました。自分がどんな研究に興味があるのか絞り切れていませんでしたが、異なる多様なプロジェクトがあるのであれば、挑戦してみることができると思いました。」リーハイ大学代表の武藤もなみ氏はプログラム前後の変化について、次のように述べました。「フリーディスカッションが行われるなど、オープンな米国の研修室の雰囲気が好きでした。プログラムを経て、キャリアのどこかで米国に戻るという選択肢をもっと考えるようになりました」。発表に続き、プログラムでの経験やキャリア観の変化など、活発な議論が交わされました。帰国した今、参加者の皆さんには自分に何ができるか、どうしたら共に影響を与えられるかを考える責任があるということを忘れないでほしい、というMcLeod氏からのアドバイスを受け、報告会は終了しました。
参加者たちは本プログラムでの経験を活かし、アラムナイとしてSTEM分野をけん引していくことが期待されます。