TOMODACHI Story Jam for Youth with Disabilities
TOMODACHI Story Jam for Youth with Disabilitiesは、約9週間にわたりストーリーテリングとリーダーシップを学ぶ、オンラインプログラムです。障がいのある日本とアメリカの大学生と若手社会人が、それぞれの経験を、他のプログラム参加者と共に掘り下げます。参加者は、日米から参加する仲間と交流し、お互いの文化を学ぶ機会があります。
本プログラムはノースロップ・グラマン社とJapanese American Citizens League, Sacramento Chapterの支援を受け、マサチューセッツ州立大学ボストン校地域インクルージョン研究所 (ICI) が運営しています。
TOMODACHI Story Jam for Youth with Disabilities 2022
2022のストーリーテラー紹介
伊藤 弾、フリーランス英語教師 東京都東大和市自立生活センター(CIL)スタッフ
弾は現在東京に住んでいる若い起業家であり言語学者です。フリーランスの英語教師としてビジネスを展開する傍ら、東大和の自立生活センター(CIL)でも働いています。起業する以前は、アメリカのユタ州に9年間在住し、勉強していました。ブリガムヤング大学を卒業し、英語学の学士号とTESOL(Teaching English to Speakers of Other Languages)を副専攻しました。同大学在学中、弾は他にも市民参加型リーダーシップの副専攻科目を履修し、このテーマとコンセプトに強く惹かれました。2019年に日本に帰国して以来、弾は自分の異文化理解と身体障害者であるという個人的な経験を生かすために、インクルーシブな活動に関わる機会を探しています。
金子 凌我、大卒・障がい者支援者
金子 凌我は、大学の外国語学部を卒業しています。大学卒業以来、障害者として生きる意味を求め、自分の人生について考えたいという情熱で心が満たされています。身体障害者(デュシェンヌ型筋ジストロフィー)である凌我は、障害者の擁護者・活動家として積極的に発言してきました。例えば、障害を持つ大学生の学生活を改善するための非営利団体「全国障害学生支援センター(NSCSD)」に、障害を持つ大学生としてバリアフリーに取り組んだ経験について寄稿しています。また、障害を持つ学生のピアメンターとして、学校や公園などバリアフリーの施設や空間の設計・建設に関して、居住する地区と協力しました。職業上の目標は、障害者のためのキャリアカウンセラーになることと、自分のビジネスを立ち上げることです。
笠柳 大輔、国際障害者協議会(DPI-Japan)スタッフ
東京出身の大輔は、過去11年間、国際障害者協議会(DPI-Japan)に勤務しています。DPI-Japanでは、広報、ウェブサイト、およびDPI-Japanにとって新しい分野である資金調達に注力し、障害者のインクルージョンを促進する活動のための資金調達に強い関心を寄せています。また、ダスキンアイノワ財団から、日本の若手障害者権利のリーダーや活動家を対象とした名誉あるフェローシップを獲得しました。ダスキンフェローシップでは、障害、資金調達、能力開発について学ぶために米国を訪問し、学んだことをDPI-Japanでの仕事に生かすことを目標としています。大輔は、シャルコー・マリー・トゥース症候群という進行性の筋萎縮症を持って生まれ、10年前から車いすを使用しています。TOMODACHI Story Jamプログラムでは、米国における障害者の権利や障害者支援について学びたいと考えています。また、デジタルストーリーテリングを通じてコミュニケーションとプレゼンテーションのスキルを磨き、DPI-Japanでの資金調達をより効率的かつ効果的に行えるようになりたいと考えています。
脇山 輝衣菜、 早稲田大学大在学中 ソーシャルワーク専攻
輝衣菜は、早稲田学でソーシャルワークを専攻。卒業論文では、障害を持つ学生が自己を主張したり、アクセシビリティを要求する際に直面する可能性のある心理的な障壁について研究しています。研究を通して、他の学生が大学や生活全般において、より良いコミュニケーションをとり、便宜を図ってもらえるような効果的な戦略や実践方法を見出そうと考えています。大学卒業後は、大学院に入学する予定です。高校生の時にギラン・バレー症候群と診断され、東京大学先端科学技術研究センター(RCAST)が実施する青少年向け障害者権利擁護スキルトレーニングプログラム「DO-IT Japanプログラム」を通じて、自分の意見を主張する方法を学びました。このプログラムを経験したことで、輝衣菜は自分の人生と将来の目標に再び焦点を当てることができました。
東川 結、アバターロボットカフェDAWN ver.β by OryLab Inc. ウェイトレス兼アーティスト
福岡県出身の結は、東京のアバターロボットカフェでリモートウェイトレスとして働いています。オリィラボ株式会社による実験事業で、国内外の障害者が「OriHime」と呼ばれるロボットを遠隔操作して、有償で働くことができます。またパステルアートインストラクターの資格を持つアーティストでもあります。
筑紫女学園高等学校卒業後、福岡にある筑紫女学園大学の英語学科を卒業しました。2015年、大学在学中にダスキン愛の輪財団から名誉あるフェローシップを獲得し、米国マサチューセッツ大学ボストン校のICI(Institute for Community Inclusion)で5ヶ月間の集中障害者支援とリーダーシッププログラムに参加することになりました。結は、障害者の権利擁護と、障害のある人とない人が一緒になってより包括的なコミュニティを作るための空間として芸術を取り入れることに情熱を傾けています。
レイチェル・クラーク(聖心女子大学大学院生、グローバル・スタディーズ専攻
レイチェルはノーウォーク・コミュニティ・カレッジを卒業し、現在は聖心女子大学の3年生で、経営学を副専攻し、グローバルスタディを専攻しています。またレイチェルは8年前、リベリアから米国に移住しています。
彼女の職業上の目標は、外交官または外交業務に従事することです。いつかアメリカの大使になりたいと考えており、この目標に向けて、レイチェルは学業だけでなく、国際関係について学び、経験を積む機会を求めています。そのため、日本や日本文化について学ぶためにTOMODACHI Story Jam Programに応募しました。大学に加え、レイチェルはパートタイムの仕事にも従事しています。
クリスチャン(クリス)・J・パンチェコ、ミシガン大学大学院生、公衆衛生学専攻
22年間、クリスの目標は医学部に進学し、医者になることでした。高校を卒業し、ニューヨーク州立大学(SUNY)、フレドニアの大学に進学し、分子遺伝学の学士号を取得し、化学と音楽を副専攻しました。卒業後間もない2019年、クリスはニューヨークのロックフェラー大学に就職しましたが、ロックフェラーでの就職中、クリスは衰弱した脳卒中に見舞われ、運動失調と震えの兆候が長く続きました。しかし、クリスは後天的な障害をものともせず、勉強を続けています。この秋、ミシガン大学アナーバー校で公衆衛生の修士号を取得する予定です。
ロバート・カーリー 、サザンミシシッピ大学障害者研究所(IDS)セルフ・アドボカシー・コーディネーター
ロバートはミシシッピ州ハティスバーグ出身で、過去7年間、南ミシシッピ大学の障害者研究所(IDS)でセルフアドボカシー・コーディネーターとして働いています。ロバートは障害者であることを自覚し、常に新しい機会を求めて自らを奮い立たせてきました。彼は、「Chit Chat Thursday with Taylor」という自身のYouTubeシリーズを持ち、障害者のセルフアドボカシーを推進し、ゲストスピーカーを招いています。彼の主な視聴者は、友人、仲間、同僚、メンターなどです。ロバートは、常に他の国や文化の人々と出会い、他国やコミュニティで障害を持つ人々がどのように生活し、自分自身を擁護しているかについて学ぶことに関心を持っています。この関心と、障害者支援のためにデジタルメディアを活用するスキルや情熱が相まって、TOMODACHIストーリージャム・プログラムへの応募につながったのです。ロバートさんは、Story Jamを通じてデジタルメディアのスキルを磨き、障害者支援のメッセージをより効果的に作成できるようになりたいと考えています。
デイドラ・A・デンソン、(リージェント大学大学院生、政府/国際関係学専攻
デイドラは現在、リージェント大学の学生で、国際関係を中心とした修士号を取得するために勉強しています。また、英語とヒスパニック研究の学士号を取得しています。学生時代には、アメリカ人と日本人の学生と共に生活し、日米学生会議にも参加し、とても楽しい経験だったと語っています。デイドラの故郷であるバージニア州ニューポートニュースは、寝屋川市と姉妹都市となっています。デイドラは、米国と他国の市民外交官やボランティアを集める非営利団体、国際姉妹都市(SCI)の活動に携わってきました。現在は、SCI寝屋川委員会の委員を務めています。活動を通じて、日本や日本文化に興味を持ったデイドラは、日本語もを学ぶようになりました。日本に行くことを熱望しており、日米関係に力を入れている団体でインターンシップをする機会を積極的に探しています。
ルイス 障害者権利擁護者
ニューヨーク出身で、州および全国レベルで障害者の権利擁護に幅広い経験を持っており、最近アジア太平洋アメリカ議会研究所(APAICS)の議会フェローシップ・プログラムを修了しました。フェローシップの一環として、マリリン・ストリックランド下院議員(WA-10)の事務所で勤務しました。それ以前には、米国障害者協会(AAPD)を通じて、米国雇用機会均等委員会で一夏インターンを経験し、彼の擁護活動に役立ったと語っています。ルイスはYoung Democrats of Americaのメンバーであり、現在はYoung Democrats of America Disability Issues Caucusの書記とニューヨーク州の Young Democratsの副委員長を務めています。ルイスの職業上の目標は、障害者の権利を専門とする公民権弁護士として働くことです。
TOMODACHI Story Jam for Youth with Disabilities 2021
TOMODACHI Story Jam for Youth with Disabilities、 コロナ禍における体験から得た学びを発信
2021年11月19日(米国時間)、11月20日(日本時間)に、TOMODACHI Story Jam for Youth with Disabilitiesのファイナルイベントがオンラインで開催され、プログラム参加者及び関係者を含む52名が集いました。8週間にわたり開催された若者のリーダーシップ育成を目指す本プログラムには、日本とアメリカより障がいを持つ計10名の大学生や若手社会人が参加し、コロナ禍における経験を掘り下げました。11月のファイナルイベントでは、プログラムの集大成として、プログラム参加者がそれぞれの体験やアドボカシーメッセージをまとめた動画を上映しました。また、プログラムの経験を振り返り、プログラムで得たリーダーシップやストーリーテリング、アドボカシーのスキルを今後どう発揮していくかを発表しました。