TOMODACHI世代: 亀元愛未
亀元愛未さんはワシントンD.C.のジョージ・ワシントン大学に在籍する日系アメリカ人の大学生です。現在はTOMODACHIイニシアチブのインターンをしています。彼女は東京で2つのTOMODACHIユース対話に参加しました。最初の対話では日本とアメリカの大学生を招待し、次世代のリーダーが直面する問題や、TOMODACHIが日本とアメリカの若者がより深く関わるにはどうすればよいか、その方法を探りました。2回目の対話では岩手県の学生と現在日本に滞在しているアメリカ人のインターンが「若者の3.11後」について意見を交わしました。愛未さんは2つの対話からの印象を語ってくれました。
質問: TOMODACHIユース対話でなにを学びましたか?
回答: 私は変化をもたらすパワーを、私たち若者が持っていると実感しました。日本の大学生は、情熱的で好奇心が強く、もはや就職の見通しが良くなることや景気が好転するのをただ待っているわけではありません。それどころか、失敗を恐れず挑戦したり、自ら会社を作ったり、留学をしたり、幅広い技能を身に付けようとしています。6月7日のTOMODACHI若者対話集会に参加した4人の日本の学生もそうでした。集会の準備のために読んだ記事には、日本の若者は内向きでやる気がないと指摘していましたが、私が会った4人の学生の姿は明らかにその記事を否定するものでした。
岩手県の生徒と話して、東北地方の若者の多くは3.11の経験を他の人と共有したり、3.11について話をしたいのだということを実感しました。話し合いでは、スカイプや他のソーシャルメディアを使って、3.11とその後の出来事についてアメリカの学生と日本の学生が対話をしてはという案も出ました。私たちはこの対話で日本の復興に対してアメリカの関心がまた高まることを願っています。
質問: 日本の若者は、人生の目標を見つけるため、また意欲的で積極的な国民になるために何が必要だと思っていますか?
回答: 学生たちによると、若者が人生で何をすべきかを理解するには、「先輩」を持った方がいいそうです。「就活」以外の道があることを教えてくれたのは先輩だったという話でした。日本の学生もアメリカの学生も、夢中になれる職業につかないことが多いようです。これこそがやる気のない、効率性と新鮮な発想に欠ける労働者を生んでしまうのではないでしょうか。 自分の仕事に愛着を持っていれば、効率性は高く、新しい発想が豊富に生まれます。
岩手県の学生と対話をしているとき、一人の学生が、自分は留学をして、そこで学んだスキルを故郷に持って帰りたいと述べました。以前岩手県の若者の多くは、日本の大都市で仕事に就くという夢を持っていましたが、今は故郷を重視しています。東北地方の災害はたくさんの日本の学生を復興支援へと動かしました。若者が無関心で内向きだと思われている社会にあって、今、自分たちの助けが必要とされ求められていると感じているからです。
質問: この対話集会で、どうすればTOMODACHIがTOMODACHI世代にもっと意欲を持たせ、関わっていくことができるか、良い提案が出ましたか?
回答: 集会の終わりに、TOMODACHIと大学生の間の交流を深めていくための斬新なアイデアを生み出す演習に参加しました。その中で、ソーシャルメディアの利用の仕方を話し合いました。また米国大使館の東京アメリカンセンターを若者が活用しやすい場所にしてはどうか、例えば、学生が斬新なアイデアを生み出す作業場として、またセミナー、研修会、語学交流、もしくは大学入学の情報収集、またアメリカと日本の若者の交流を深める空間にしては、というアイデアも出ました。
また日米の大学生を繋げるため「TOMODACHI コネクト」というFacebookグループページを立ち上げるという提案に対し、多くの学生から支持を受けました。このようなオンライン・コミュニティーを作ることで、日米の学生や学生団体が交流し合い、語学学習のコツを交換したり、互いの国への留学を促進したり、また日米の関係を強化するのが容易になることを願います。