柳井 正 (株式会社ファーストリテイリング 代表取締役会長兼社長)
TOMODACHI-UNIQLO フェローシップ記者会見にて
2012年10月22日
「最近、日本からのアメリカへの留学生が、インドや、中国、韓国などの国と比べて少ないと聞いています。しかし、日本とアメリカとの過去の歴史的関係から考えれば、もっと沢山の日本人にアメリカに留学して欲しいと思います。過去、日本は外国から新しいことをどんどん取り入れて、成長してきました。ですから、もっと多くの今の若い日本人の学生にも世界中で勉強してもらいたいと思っています。
日本人の若い人がもっと外にも目を向けて、アメリカで勉強する。そしてそこで世界中の人に出会い、お互いに色々なことを学び、共有していくということが必要だと思います。
ファーストリテイリングの事業と、ファッション、デザイン、ビジネスの学問は結び付きが深いです。若い人たちにこの分野でアメリカと日本との掛け橋になってもらい、世界最先端の勉強をしてもらい、国境に関わらず活躍できる人たちになってもらいたいと思っています。特にファッションビジネスは国境のないビジネスです。もっと海外で勉強するということに関して、日本人の若い人に興味を持ってもらいたいです。」
「UNIQLOはどうして日本人生徒を国内で勉強させるのではなく、外国に留学させたいのか」という質問への回答:
「我々のビジネスとして、日本の繊維学部などを援助することも必要かもしれませんが、しかしそれ以上に今、日本は内側にこもる様な感じがあるので、それを打破する事が急務ではないかと思っています。例えば、我々が今海外に出てビジネスを行っていますが、それと同じように海外からいろいろな企業が来ています。その中で活躍しようと思ったら、多分、繊維の知識以外に世界に通用するようなファッションビジネスの知識が必要だと思います。そして、FITやパーソンズなどのファッションの学問は、このような事に関してメリットがあると思います。ニューヨークなどでは、世界の最先端の事柄、情報が集まっていて、世界のタレントがそこにいる。そのような場所で勉強することは大変意味のあることだと思います。
私は、我々の業界のビジネス拡大がまだまだ必要だと思っています。ですので、将来、我々の代表となるような優秀な人材、または側面から支えてくれる若い人たちの育成が必要だと思っています。若い人たちの全体の風潮が、もっと外に目を向けるようになるといいと思います。
このような思いから、今回のフェローシップをはじめることに決めました。」