TOMODACHI Tanaka Sangyo Agricultural Exchange Initiative: Climate and Food System Awareness Program, テキサスでの米国研修実施
2025年3月8日から15日にかけて、「TOMODACHI Tanaka Sangyo Agricultural Exchange Initiative: Climate and Food System Awareness Program」の米国研修がテキサス州で実施されました。新潟県およびテキサス州の大学から選ばれた18名の学生は、2024年10月からプログラムのオンラインセッションに参加し、学びを深めてきました。今回のテキサス州での米国 研修では、テキサスA&M大学のあるカレッジステーション、新潟市の姉妹都市であるガルベストン、そしてヒューストンを訪れ、農業、気候変動、サステナビリティ、リーダーシップをテーマに、講義の聴講や専門施設の見学、体験学習を行いました。
訪問先であるテキサスA&M大学では、再生可能資源研究の専門家であるマーク・ホルツァップル博士と、水文学の専門家ジューン・ウルフ博士による講義を通じて、学生たちは専門的な知見を深めました。また、大学内では最新技術を導入した自動精密フェノタイピング温室を見学し、MRI技術を活用して植物の特性を精密に分析し、気候変動に強い作物の効率的な育種が可能となるプロセスについて学びました。スタークリーク・ロングホーン牧場では、広大なテキサスの土地で放牧されるロングホーン牛を間近に見学し、その繁殖プロセスについて理解を深めました。参加者の籠島颯希氏は、「牛にストレスを与えずに放牧できるだけでなく、排泄物から発生する温室効果ガスの問題も踏まえ、広大な土地で少数の牛を飼育する意義を感じた。一方で、日本では土地が限られており、同様の放牧は難しい。」と語りました。
プログラム後半では、「ダイキン・テキサス・テクノロジー・パーク」を訪問し、環境技術による地球温暖化対策について理解を深めました。ヒューストン市内の旧郵便局を再利用した複合施設「POSTヒューストン」では、屋上庭園などを訪問し、 都市部における農業の可能性や、長期的な視点で進められるサステナビリティの実践例について学びました。さらに、ガルベストンベイ財団では、湿地帯の再生を目指すボランティア活動に参加しました。土と肥料を混ぜ、湿地帯に生息する植物の苗を植える作業に携わりました。参加者のヘイリー・クック氏は「ガルベストンベイ財団が情熱をもって環境保全活動に取り組んでいる姿は、とても心に響いた」と感想を述べました。
本プログラムではリーダーシップに関するセッションも実施され、各自が自分らしいリーダーシップを発揮し、お互いを尊重し合うことの重要性が強調されました。参加者の多くは「リーダーとは先頭に立つ人」という従来のイメージを超え、多様なリーダーシップの在り方を学びました。また、在ヒューストン日本国総領事 長沼善太郎氏主催の夕食会や米日カウンシル USJCメンバーとの交流は、実際に社会で活躍する多様なリーダーたちの姿に触れることのできる貴重な機会となりました。
3月26日、新潟の学生たちは新潟県庁を表敬訪問し、花角英世知事に米国研修での学びについて報告しました。この様子は読売新聞英語版のジャパン・ニューズの記事として取り上げられました。本プログラムは今後も継続し、8月にはテキサスの学生たちが新潟を訪問し、様々な訪問先で学びを深めます。米国での経験を共有した仲間たちは、新潟での再会を心待ちにしながら、それぞれの学びを次のステップへとつなげていきます。