「意思決定が創る未来 ~いま東北を実況するなら~」12名のTOMODACHIアラムナイが東北復興の10年と向き合った2週間
TOMODACHI世代グローバル・リーダーシップ・アカデミー(GLA)2021が2021年8月21日、22日、9月5日の3日間に渡ってオンラインで開催され、「意思決定が創る未来 ~いま東北を実況するなら~」 をテーマにした2週間のプログラムを通じて東北復興の10年を振り返りました。東北出身のTOMODACHIアラムナイを対象に開催されてきた本プログラムは、アラムナイ・プログラムの中でも最も歴史があり、9年目を迎える今年が最後の開催となりました。
初日はチーム憲章の策定から始まりました。参加者らは、震災から10年が経った東北の状況をTV番組形式で広く世界に届けることを想定し、成功事例や未来への兆しに光を当てるか、閉塞感や重苦しさにフォーカスするか、それぞれのグループごとに考えを深めました。
午後は、東明館学園理事長・札幌慈恵学園副理事長の荒井優氏より、今回のテーマである「意思決定」について基調講演をいただきました。「何をするかよりも、何のためにするのかが大切。何のためにやるのか、WHY?の答えを持とう」という本質的なメッセージは、参加生徒がTV番組のコンセプトを練り込むうえで、とても大きな判断軸となりました。
また、アメリカン・スクール・イン・ジャパンの生徒たちとの交流では、直接には震災を知らない海外の同世代の若者から、当時の暮らしや復興の過程についての質問が飛び交いました。他国の若者が東北の何を知っていて、何を知らないのか、そして何を知りたがっているのかを肌で感じることができ、自分たちが発信すべきことを絞り込むための好材料になりました。
2日目には東北のリーダーから、復興の過程で下した意思決定にまつわるエピソードを伺いました。青森大学 准教授の石井重成氏からは「目の前の現実は変えられる。それが東北から学ばせていただいたこと」という力強い実感を共有いただきました。NPO法人ウィメンズアイ 代表理事の石本めぐみ氏からは「失敗は絶対にしたほうがいい。失敗してみることで分かることがすごくたくさんある」というご自身の経験に根差したメッセージをいただきました。
企業リーダーとしてご登壇いただいたPGF生命の根本亮氏、田川ともみ氏からは「もしあなたがあと一年しか生きられないとしたら、お金を得ることと、夢がかなうこと、どちらを選びますか?」という問いが投げられました。日常では考えることのない究極的な状況を疑似体験した参加者たちは、短い時間で意思決定をする際に様々な観点から多角的に物事を見つめることの重要性を体感しました。
2日目から3日目までの2週間は、ZoomとSlackを中心としたオンラインツールを活用して、チームでのプレゼンテーション作成に取り組みました。
最終日には、ファイナル・プレゼンテーションが開催され、米国大使館 文化交流担当官のシャノン・ドーシー氏、プルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパン シニアオフィサーの平山善章氏より開会のご挨拶をいただきました。続いて各チームが、「いま世界に届けたい東北(TV番組名と内容)」を含んだ、7分間のプレゼンテーションを行いました。「東北の悲劇を繰り返さない」「東北と言えば暗いイメージだが、明るい側面を伝えたい」と、自身らの想いに根ざした発表が続きました。
続いて、TOMODACHIサマー・ソフトバンク・リーダーシップ・プログラムのアラムナイ、林葵衣氏がスピーチを行いました。福島県富岡市で震災を経験した同氏にとって、TOMODACHIプログラムはどのようなインパクトがあったのか、また大学生として2回目の参加となった本プログラムでの学びをどのように活かしていきたいかを述べました。同氏の経験は、TOMODACHIアラムナイ・ハイライトとして、こちらから詳細をお読みいただけます。
さらに、2013年に開催された最初の同プログラムに参加した今野涼太氏が、アラムナイ代表としてスピーチを行いました。同氏は、これまで数々のアラムナイ・プログラムに参加した中で学んだ大切な点は「つながりを持つこと」と述べました。多くのつながりが、ふるさとである福島県浪江町に帰郷し、役場職員として勤務する自身にとっての大きな力になっていること、TOMODACHIコミュニティの一員であることが信頼を生み、新たな出会いや機会につながっていることを述べました。
最後の振り返りにて、TOMODACHI女子高校生キャリアメンタリング・オンライン・プログラム in 東北 supported by TOMODACHIコンビニ基金のアラムナイである櫛田薫奈氏は、「このプログラムに参加して人生が変わった」と、大きなパラダイムシフトが起こった感動と、別のプログラムにも参加したい意欲を伝えました。
ファイナル・プレゼンテーションの様子は、こちらからご覧いただけます。
本プログラムは、プルデンシャル財団の多大なるご支援を受け開催されました。