TOMODACHI世代: 青木 夏海
青木夏海氏:1996年生まれ、神奈川県出身。2019年3月東京藝術大学美術学部工芸科染織専攻を卒業した後、2020年7月にロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズGraduate Diploma in Fashionを修了。日本の学部在籍中にエスモードジャポンでパターン・メイキングを学びながら、BANZAIを始めとしたいくつかのブランドや会社で働き、クリエイターとしての姿勢を身につけました。2020年8月よりパーソンズ・ザ・ニュー・スクール・フォー・デザイン(以下「パーソンズ」)に在籍しています。大学院では自身が培ってきた素材と文化、双方の領域のバックグラウンドを生かした表現を探究したいと考えています。
青木 夏海について
Q1.「TOMODACHI-UNIQLOフェローシップ」への応募のきっかけを教えて下さい。
私は10代の頃から、ファッションを学ぶために海外に行きたいという漠然した夢を持っていましたが、高校卒業後に何を学ぶか考えた際に海外に出る前にまずは自国の、特にファッションに関わる素材について学び、自分のアイデンティティを確立させた方が良いのではないかという考えに至り、東京藝術大学工芸科染織専攻に進学しました。その後、ロンドンのセントラル・セント・マーチンズにてGraduate Diploma in Fashionという学士取得者の為の一年間のコースに通い、大学院でファッションを専攻する為の準備をしていました。このコースに在籍している間に、パーソンズのファッション・デザイン・ソサエティーという2年間の美術学修士(MFA)課程のコースリーダーが学校に訪れ、パーソンズについてとこのフェローシップについて紹介してくださり、また、当時のGraduate Diploma in Fashionのコースリーダーの後推しもあり、志願することに決めました。
Q.2 パーソンズで学べることで期待されていることは何ですか?
パーソンズでの学びへの期待値は未知数です。ニューヨークという場所にも未だ訪れたことがなく、ファッションというサブジェクトに二年間向き合うという経験もないからです。このコースの興味深い点はコース名をFashion Design and Societyとし、Fashion Womenswearといったような限定をしていないところにあると思います。東京藝術大学在学中に日本の染織について学ぶ傍ら様々な美術の分野の人々から刺激を受け、ロンドンではその都市の持つ日本とは異なる文化的な魅力に影響されました。今回、ニューヨークという新しい土地で、様々な表現を学べるプログラムに参加し、素材と文化という二つのバックグラウンドを生かした表現方法を追求できるのは大変に好機だと捉えています。
Q.3 プログラム卒業後の目標を教えて下さい。
世界中がコロナ禍の影響を受けている今、卒業後にどのような道を歩むかを断定することは難しく、ファッションという領域では尚更その時々の状況に合わせて柔軟に立ち位置を決めたいと思っています。しかし、現在の自分の興味の矛先は日本ではなく海外にあるので、ますます不確実性の強まる時代に肩書きに捉われることなく、日本人として国際的にどのように活躍ができるか模索していきたいです。
Q.4 日本人として米国に渡って勉強するにあたり、日米関係の架け橋としてどのように貢献されたいとお考えですか?
私が米国という土地に渡るにあたり大きく期待をしていることの一つに、人種やジェンダー、セクシャリティ、そしてフェミニズムといった分野への教養を深めることが挙げられます。日本よりも米国のさらにニューヨークという場所はこれらの分野に対しての考えがより発展していると考えられます。私がパーソンズに在籍するTOMODACHI-UNIQLOフェローとして初めての女性であることも考慮し、米国で学んだことを私の視点なりに少しでも意義のある形で日本の方と共有出来ればと思います。