TOMODACHIアラムナイ地域フレームワーク中部・北陸地域「テーマ・イベント」:ホームレス支援活動を通して 「社会的孤立」について学ぶ
2020年9月19日、中部・北陸地域の「TOMODACHIアラムナイ地域フレームワーク テーマ・イベント」が開催されました。プルデンシャル及び在名古屋米国領事館の支援のもと、中部・北陸地域のTOMODACHIアラムナイが主催となり、15名が参加してイベントが開催されました。このイベントは、地域リーダーの伊藤大樹氏と地域メンターの福永慎一氏が運営を担当しました。
冒頭では、本イベントのテーマ「日本が抱える社会的孤立とは」について地域リーダーの伊藤氏が説明をし、ホームレス支援活動を続けて来られた方からの話を通じて、人の居場所に関わる課題を考える機会を作りたいと話しました。
イベントの前半では、特定非営利活動法人 抱樸(ほうぼく)の理事長を務める奥田知志氏よりご講演をいただきました。講演ではまず、コロナ下において浮き彫りとなった日本が抱える社会的孤立の課題をお話しいただき、この状況だからこそわかってきた「人と関わる・触れ合う機会の重要性」について言及がありました。
NPO法人 抱樸の事業説明の際には、社会的孤立について理解を深めるために、ハウスレス(=houseless)とホームレス(=homeless)の違いについてお話しいただき、物質的な支援だけではなく、人が生きていくための糧となる居場所や自己有用感を生む繋がりや支援の必要性について説明をいただきました。ホームレス支援活動の中で見えてきた、「無縁社会」と呼ばれる日本が抱える課題は、問題を抱える人の自己責任、自業自得として助けようとしない、受容性が低い社会となっていることであり、「家族機能の社会化」が課題解決の鍵となる旨をお話しくださいました。
イベント後半では、参加者は3つのグループに分かれて「身近にある社会的孤立やその対策、個人でできるアクション」について話し合いました。ディスカッションでは、「まずは地域内での挨拶からでも、人との関わり合いは変えられる気がした」「特に高齢者は孤立しやすい存在として意識していたが、もしかしたら家庭内での父親なども繋がりがなく相談できる相手がいないのではと思った」など、様々な意見が寄せられました。イベントの最後には、各グループが考えたアイデアと気付きや感想を共有しました。
参加者たちは、ゲスト講師からの講演に加え、同世代が持つ背景を聞くことで、これまでにはなかった視点や考えを吸収し発見する機会として有意義な時間を過ごすことができました。参加者からは「社会的孤立に関してのアンテナを生活の中で広げてみて、しっかり向き合ってみようと思った」、「人とのつながり、社会的孤立が、自分のどんないいこと、悪いことにどのようにつながっているのか整理し、その上で自分の行動を変えたり、人を巻き込んでみたい。まずは家族から話してみようと思う」 などの声がありました。イベントの運営を担当した地域リーダーの伊藤氏は、「社会的孤立というイメージがしづらいテーマについて、皆がそれぞれの立場から意見や考えを寄せ合うことで、お互いに理解が深まりいい機会となった」と述べ、新しい出会いの形となることへの期待を示しました。
本イベントは、プルデンシャルの支援によるTOMODACHI世代アラムナイ・リーダーシップ・プログラムのTOMODACHIアラムナイ地域フレームワークの一環として実施されました。