プログラム参加者・TOMODACHIアラムナイに聞いてみました!:山本幸輝氏
山本幸輝氏
福島県浪江町出身。TOMODACHI Summer 2014 Softbank Leadership Programのアラムナイ。2016年には、TOMODACHIアラムナイとしてカリフォルニア州シリコンバレーで開催された2016年米日カウンシル アニュアル・カンファレンスにスピーカーとして登壇し、震災当時の心境や浪江町への想いを共有しました。東洋大学国際学部では、国際地域学を専攻。大学卒業後には浪江町に戻って地元の建設会社に就職しました。実際に浪江町に戻ると、同年代がいないことを知りつつもその現実に直面してその深刻さを実感しました。しかしその実感から若い人、主に同年代が集まるための場所を作るために飲食店「Bar 幸」をオープンさせました。
インタビュー日時:2020年7月20日
聞き手:TOMODACHIイニチアチブ アラムナイ・インターン 菅野采颯(TOMODACHI Summer 2017 Softbank Leadership Programアラムナイ)
Q1 幸輝さんは、TOMODACHIサマー2014ソフトバンク・リーダーシップ・プログラムに参加してから、TOMODACHIのアラムナイとして活動してきたと思いますが、最初に単刀直入に幸輝さんにとってTOMODACHIとはどのような存在ですか?
自分がやりたいと思ったことをやろうとした時に、助けてくれる大人がいるということももちろんのこと、そこでできた友達は本当の友人のつながりだと感じています。今やっているお店のロゴもTOMODACHIでできた友人が作ってくれたので、TOMODACHIのコミュニティーの中で助け合える友人の絆のようなものです。
Q2 なるほど、幸輝さんがとても温かいコミュニティーにいるのが伝わってきます。そのコミュニティーに入る前は、幸輝さんの地元は浪江町で震災当時から避難を経験したり、大変なことがたくさんあったと思います。そのような心境の中でもTOMODACHIのプログラムに参加しようと思ったきっかけはなんですか?
その当時、あまり心をオープンにできる子ではなく震災によって被害者であった自分はネガティブでした。その時に担任の先生が勧めてくれたのがTOMODACHIのプログラムで先生がプッシュしてくれました。最初は自主的に参加していたわけではなかったけど、今思うとTOMODACHIの存在に出会えたことは自分でも何かあったんだろうなと思っています。2020年に自身が開いた飲食店「Bar幸」の取材でNHKに出演させてもらった時も担任の先生に伝えたらわざわざ電話をくれて嬉しかったです。
Q3 卒業後も地元のコミュニティーが続いていることはすばらしいですね。人脈が繋がっているという点で、幸輝さんは2014年以降TOMODACHIのコミュニティーに入って様々なプログラムに参加されたと思いますが、活動する上でどのような人との出会いがありましたか?
TOMODACHIでできたつながりがまた違うところでつながりを生んでくれました。TOMODACHIの中でできた友達は、親友がたくさんできたと思っています。一つひとつのバラバラのつながりではなく、それぞれがつながって、その先にできたつながりも非常に多かったと思います。
TOMODACHIでできた親友が紹介してくれた人が、私にとってはメンターのような存在になってくれたこともありました。今、浪江町には私の他にもう1人アラムナイがいて、浪江町にAlumniが2人いることは確実に次につながっているのではないかと感じています。
Q4 なるほど、「親友が沢山できた」という表現はとてもわかりやすいですね。私も実際にそう感じます。ところで幸輝さんは大学卒業後に地元の建設会社に就職されたと思いますが、そのきっかけはなんですか?
実家が建設会社で実家に就職したようなものなのですが、自分が地元で何かやる時に何かしら自分で作りたかったと思っていました。浪江町の基礎をまず作ってその後に何かやっていこうと考えた際、基礎作りじゃ無いけど自分の手でもやりたいと思いました。加えて浪江に帰りたいという気持ちもあったからです。
Q5 地元に帰りたいという気持ちに加えて基礎を作りたいという気持ちなどやりたいことを考える上で、幸輝さんがこれから浪江町と共に歩む中で実際に起こしたいアクションはありますか?
「自分の同年代がどうやったら浪江町で楽しく生きていけるか」ということはすごく自分の中で考えています。自分の年代が過ごしやすい環境を本当に整えたいと思っています。
Q6 確かに「楽しく生きること」は生きる上で私も重要だと考えています。その中で、環境づくりなど考えていることが沢山あると思いますが、幸輝さん自身が思う浪江町の将来像はありますか?
浪江町で自分らしく生きるということは非常に大切にしていきたいと思っています。自分の食べたい時に食べに行けて飲みたい時に飲みに行けてということはなかなか今の浪江町でできる状態では無いので、まずは本当に自分らしく過ごせるような環境を作っていきたいし、自分らしく生きることをみんなに思って欲しいです。
Q7 なるほど、自分らしく生きることは生涯大事になってくることですよね。幸輝さんが自分の中で沢山のことを考える中で、幸輝さんがTOMODACHIで学んだリーダーシップはなんですか?
みんなが同じリーダーシップを持つことはなく、自分のやりたいことを実現するために望むことができるか考えるということ、どのような手段をとっていくかということを考えて実行することがリーダーシップだと思っています。今思うと、TOMODACHIで学んできたことって、1つの演習のようなもので、リーダーシップについて学ぶことはその中でも最初の大事な1歩目だと思います。
Q8 私も幸輝さんの考えに共感できます。それでは最後の質問になりますが、幸輝さんはこれからの浪江町にどのように携わりたいと思っていますか?
やはり若い子がどれだけ自由にできるかというのと、やりたいと思ったことが本当にできるかということは考えています。こういうのあったら面白いんじゃ無いですかって若者が言うのは他の同年代が思っていることだと思うし、それを大人からしたら面白く無いと思うかもしれないけど、そういうことができるかできないかが重要になってくると思う。80%が反対しても、20%の声を拾いながらどれだけ実現する力があるかということが大事だと思っています。