日本全国の中高生が集い、理想の未来を自らの手で実現する術を学ぶ
1ヶ月完結型のオンラインプログラム「カタリバオンラインMyproRoom supported by TOMODACHIイニシアチブ」が、2020年7月と8月に開催され、日本全国の中学生と高校生41名が参加しました。オンライン開催の利点を活かし、全国各地の生徒が一堂に会し、互いを刺激し合う場となりました。
本プログラムでは、まず1週目に、自らの手でつくり出したい未来を想像し、その実現に向け1ヶ月間かけて取り組む参加者独自のプロジェクトを立ち上げます。2週目からは、自らのプロジェクトを発信するプレゼンテーション技術やデザインを学ぶ「発信/creativeコース」、オンラインイベントの企画や実施を通じてメッセージを伝える技術を学ぶ「onlineイベントづくりコース」の二種類のコースから選択し、自身で設定したプロジェクトに実際に取り組み、その発表準備を行います。本プログラムの集大成としては、「Online Project Fes!」と呼ばれる報告会に参加し、それぞれのプロジェクトを発信します。
7月開催回に参加した生徒の一人は、自身の不登校の経験やSNSで共有された別の生徒の声を発表し、当事者・教員間の相互理解の必要性について訴え、今後は当事者・教員間の対話の場づくりに自ら取り組みたいと熱心に語りました。プレゼンテーション後には、「当事者以外のクラスメートの立場から出来ることは何か?」などの質問が参加者からあがり、活発な議論が交わされました。また、「議論することの面白さに気付ける場をつくりたい」との思いで参加した生徒は、「日本人が楽しく働くためには?」というトピックをテーマに据え、「個人が改善出来ること」「企業側が改善出来ること」という二つの観点から参加者の意見を引き出すための話し合いの場を企画しました。
8月開催回では、「障がい者と健常者の間の壁を壊したい」という思いから、SNSを通じた障がい者のアート作品の発信に取り組む生徒が、「アートを通じて、すべての人が輝いたり自分を表現したりすることができる」と語りました。他の参加者からは、「芸術には性別や人種、障がいの有無に関係なく人と人を繋ぐ力がある」と共感の声が集まりました。また、拒食症を経験した生徒は、その実情に触れ、「自分に自信がなく、『痩せている=自信を持てる』という発想でダイエットに走る若者が多いのでは。自信をつけるにはどうしたらいいか」と投げかけ、参加者間の議論を深めました。
参加した生徒からは、「このプログラムに参加することで、積極的に発言することへの抵抗がなくなった」「自分のプロジェクトの内容に関する新しい視点を、他の学生の方々の意見から発見することができた」「日本各地の学生がそれぞれの思いを発信できる場に参加できたことで、学生の力に驚くと同時に、自分ももっと行動を起こしていってもいいんだと勇気づけられた」などの声が寄せられました。
中には、本プログラム終了後も、仲間の応援やアドバイスを受け、SNSで自身のプロジェクトの発信を行うなどのアクションを継続している生徒がいます。本プログラムは、中高生がプロジェクトの立ち上げに一歩踏み出すきっかけであり、その後のプロジェクトの実行に活かされるコミュニティ形成の機会にもなっています。
本プログラムは、ノースロップ・グラマン社の支援を受け実施されています。