「変えられることから始めよう」:新型コロナウイルス感染症影響下の日本の教育産業およびその将来の展望について意見交換を行う
新型コロナウイルス感染症により、私たちの生活には様々な影響が生じていますが、教育産業において特にどのような変化が起こったのでしょうか、また私たちはこの新たなる現実において次世代をどのようにサポートすることができるのでしょうか。
2020年8月16日(日)、4名のスピーカーが日本の教育産業における新型コロナウイルス感染症の影響について意見を交わしました。世界的なコロナウイルス流行発生前となる2019年9月に開催された「TOMODACHI世代サミット」では、行政、企業、科学技術の観点から4名のスピーカーより、日本における未来の教育産業について話を伺いました。再びこの4名を迎えバーチャル対談として開催されたオンラインセミナーには109名の参加者が集い、新型コロナウイルス感染症における好機や現在抱えている新しい問題について意見が交わされました。
この議論では、教育分野の回復力(レジリエンス)について言及し、この業界が日本で長年続けてきた昔ながらの手法から、より高みを目指して変化する最適なタイミングであることを強調しました。ライフイズテック株式会社の讃井康智氏は、「まるでゲームのルールが変わったかのように行動する必要があります」と述べました。また、障がいのある人の学びを支援する非営利団体を運営している「DO-IT Japan」(東京大学)の門目紀子氏は、「私たちの境遇は、新しい知識や技術に脚光を当てます」と伝えました。
モデレーターを務めたTOMODACHIアラムナイRISEリーダーシップ・プログラム、沖縄地域のメンターであるアラオ・セーラ氏は、沖縄の小学校の教員でもあるため、教育者もこの状況に順応し知識を持つ必要があるがそのためにはどうしたら良いのか、また私たち教育者と同様に生徒(学生)たちの身体の健康だけではなく、心のケアも含めてどのように行っていったら良いのかという、的確なポイントを提起しました。
パネルディスカッションの中で門目紀子氏は、皆が同様の条件下で物事を進めていくために、バーチャルの状況において、どのようにしたら障がいを持つ人たちのハードルを低くすることができるのかを話題に挙げました。現状において良い部分を受け入れることはできているが、以前とは異なる物事の伝達手段が生じた場合、別の格差や身体障害がでてくることが重要な点だと、門目氏は述べました。
文部科学省「トビタテ!留学 JAPAN」PRリーダーの西川朋子氏は、「この新型コロナウイルス影響下の状況が、特に内閣が推進していることと共に、透明性をより高めることへの後押しとなりました」と述べました。西川氏のチームは、学生のための教育イニシアチブやシステムの改善につながる、より積極的で且つ創造的な方法に着手するよう学校や地域へ働きかけることで、変えられることから始めていました。
イベントの冒頭では、米日カウンシル会長兼最高経営責任者(CEO)のスザンヌ・バサラ氏より歓迎の挨拶を、そして在日米国大使館 教育・人物交流担当官のグレース・チョイ氏より開会の辞を頂きました。チョイ氏は、日米の教育産業における回復力(レジリエンス)について、さらに海外留学の大切さや留学生が留学中や帰国してからも、個々人が貢献でき、個々の繋がりを共有できるようなコミュニティーを作ることの大切さについて述べました。
研修会のアンケートでは、72.7%の参加者が「大変満足した」または「満足した」と回答し、68.2%の参加者が「ウェビナーへ参加したことで、現状の変化について理解ができた」と回答しています。
参加者からは、「現場の最前線で活躍しているプロフェッショナルたちの話を聞ける素晴らしい機会でしたし、多くの学びを得ました」という声や、「私の親も中学校の教師で、オンライン授業に試行錯誤しております。今回ウェビナーに参加したことで、この状況をもっとうまく進めていくためのヒントが得られました」という声が寄せられました。