日本のフォスターユースがアメリカを訪問、日本の児童養護制度での中で育ってきた経験について語る
2020年2月22日から3月4日まで「TOMODACHIフォスターユース・リーダーシップ・プログラム」が実施され、社会的養護の当事者の日本人ユース8名がオレゴン州とカリフォルニア州を訪問しました。日米両国の児童養護施設や里親家庭で育った当事者ユースのための非営利組織団体、「インターナショナル・フォスターケア・アライアンス (IFCA)」に所属する18歳から28歳までの若手メンバーです。今年度選ばれた8名は、東京、関西地域、静岡県と福岡県の4つの地域から様々な活動に参加しました。
参加者は、州全体が所管する、虐待やネグレクトから子供たちを守プログラムの視察のため、オレゴン州議会議事堂や保健福祉省を訪問しました。2名の日本人ユースが、日本の児童養護制度の中で育ってきた自身の経験について、サラ・ゲルツァー上院議員の社会福祉委員会を前に演説しました。
また滞在中には、オレゴン州ポートランド市の自立生活プログラムを訪問しました。ポートランド市街地にあるフォスターユースや若年層のホームレスのために必要不可欠である住宅の提供プログラム「NEW AVENUES for Youth」の視察、フォスターユースと直接接し、自立生活支援に日々努めている「PDX-CONNECT」グループの方々との討論への参加、そしてフォスターユースの巣立ちをサポートするための自立生活支援プログラム「New Meadows」の視察と夕食会を体験することができました。
日本人ユースは、2組のグループに分かれてそれぞれに発表を行いました。ひと組目は、日本のフォスターユースの基本的な権利について、カリフォルニア州の児童養護オンブズマンを前にしての発表、もうひと組は、日本において児童福祉制度が適応外となった後のフォスターユースのホームレス化防止について国会議員を前に発表しました。
参加者のひとり、畑山 麗衣氏プログラムを振り返り、「長期間に及ぶプログラムの中で、 同じ当事者として米国で活躍されているユースと出会ったこと、そして議員の方々とユースが一緒になり、制度や仕組みを作っていく姿を見せていただいた機会など、 本当に多くの学びを得ることが出来ました」と述べました。