2019年TOMODACHI障がい当事者リーダー育成プログラムの研修生が、ボストンでの研修を修了
2019年度「TOMODACHI 障がい当事者リーダー育成プログラム」研修生である、豊田 開人氏、神塚 香朱美氏、中西 智哉氏の3名が、2019年8月2日から12月2日まで、マサチューセッツ州ボストン市で実施されるリーダーシップとアドボカシー能力の向上に取り組む研修に参加しました。4ヶ月間にわたるプログラムでは、集中オリエンテーション、研修生個人のニーズに合せた政府機関や地域団体でのインターンシップに加え、毎週実施されるリーダーシップ育成セミナー、英語研修などが提供されました。
11月22日には、プログラムの集大成となる式典が行われ、研修生たちは、それぞれボストンでの研修における学びや経験を発表しました。式典には、インターンシップ先のスーパーバイザーやメンター、ホストファミリー、地域団体の代表者ら、マサチューセッツ大学ボストン校のアジア系アメリカ人研究プログラムの教職員、学生、スタッフらが参加しました。
早稲田大学文化構想学部の豊田 開人氏は、自身の経験を元に、日本では、目に見えない障がいについての啓発活動に取り組んできました。プログラムの研修では、ソーシャルメディアも含めた、米国コミュニティでの効果的なアドボカシーの方法について学びたいと考え、ボストン市を拠点とし、社会における障がい者のインクルージョンの改善に向けて取り組む、Ruderman Family Foundationでインターンシップを行いました。 豊田氏は、本プログラムについて「ボストンでのこの4カ月間は、私にとって新しく価値のあるチャレンジでした。日本では経験できなかったようなこと、さまざまな障がいや人種、文化を背景に持つ人々との交流がありました。この経験によって、自分自身についてや、私が人生で大切にしたいと思うことについてよく考え、考察することができました」と述べました。
群馬大学で特別支援教育を専攻する神塚 香朱美氏は、大学で、ろう者教育やその代弁者として、障がいのある学生のサポートグループを組織し、情報や経験、リソースを共有してきました。本研修を通し、限られた英語やアメリカ手話のスキルで暮らす聴覚障がい移民を含めた、ろう者の支援やエンパワーメントを行う、米国のコミュニティプログラムについて学びたいと考え、参加しました。研修では、ボストンのろう者への支援を行う非営利団体DEAF, Inc.でインターンを行いました。 神塚氏は自身の研修経験を振り返り、「TOMODACHIプログラムを通して、より自分に自信を持てるようになりました。私は自分自身のことを、機会が制限された障がい者として見ていました。しかし、この4カ月を通し、私は聴覚障がいがある者として、それが強みだと気付くようになりました」と述べました。
立命館大学で社会学を専攻する中西智哉氏は、障がいがある学生の学業や生活自立をサポートするNPO活動に取り組んできました。TOMODACHI研修生として、米国の障がい者がどのように暮らし、どんな支援サービスを受けているのか、またこのサポートに対する意見などを聞き理解し、日本との違いについて学びたいと考え、The Boston Center for Independent Living(BCIL)でインターンシップを経験しました。 この4カ月間を振り返り、中西氏はこう述べました。「BCILでのインターンシップは、さまざまな視点からのリーダーシップを実際に試す機会となりました。障がいがある身として、同じ障がいのあるインターンシップ先のスーパーバイザーから、技術面だけではなく、新しい視点や展望を学ぶことができました」
最終発表を終え、3名の研修生は、さらなる第一歩を踏み出しました。障がいのある日本の次世代リーダーとして、それぞれのフィールドで活躍し続けていくこと期待します。
本プログラムはノースロップ・グラマン社の多大なる支援を受け、マサチューセッツ大学ボストン校地域インクルージョン研究所 (ICI) が運営しています。
TOMODACHI イ二シアチブでは、現在「TOMODACHI 障がい当事者リーダー育成米国研修2020」の参加者を募集しています。詳細はこちらをご覧下さい。