2019年TOMODACHI 障がい当事者リーダー育成米国研修の研修生が決定、ボストン市で研修を開始
障がいのある日本の若者が強さと自信を兼ね備えた次世代リーダーとして活躍することを目指す「TOMODACHI 障がい当事者リーダー育成米国研修」は、ノースロップ・グラマン社の多大なる支援の下、実施されています。本年は厳正な選考を経た3名の研修生が、2019年8月2日から12月2日まで、マサチューセッツ州ボストン市で実施されるリーダーシップとアドボカシー能力の向上に取り組む4か月の研修に参加しています。
豊田 開人(とよだ かいと)
早稲田大学文化構想学部4年生である豊田開人氏は、将来、広告関連の分野でのキャリアを目指しています。2018年に、痙性斜頸というジストニアの一種の病気を発症しました。治療方法や支援サービスに関する情報の入手に苦労した経験を元に、目に見えない障がいについての啓発活動に取り組み始めました。自身の障がいの情報や、障がい啓発アンケートの結果をYouTubeに載せ、目に見えない障がいのサポートグループで活動をしています。2019年度研修生として、米国のコミュニティでの効果的なアドボカシーの方法について学びます。研修中は、Ruderman Family Foundationにてインターンシップを行います。
「私のような外見から分からない障がい者のニーズは認識され難く、TOMODACHI研修生として、米国の障がい者がどのようにアドボカシーを習得しているのか学びたいと思っています。コミュニケーション力を高め、同じ病気で苦しんでいる人達に自分の経験をより効果的に共有したいです」
神塚 香朱美(かみづか かすみ)
神塚香朱美氏は、8歳の時に原因不明の病気にかかり聴覚を失いました。小学校から高校まで、地域の公立学校に通い、高校ではろう学校へ進学しました。神塚氏は、口話と日本語対応手話の両方でコミュニケーションをとります。現在、群馬大学で特別支援教育を専攻しており、教育者を目指す者として、ろうの子供達のためのインクルーシブ教育に関心を持っています。神塚氏は、米国のろう者の生活やサポート支援、ろう文化やアメリカ手話について学びたいと考えています。研修中はDEAF, Inc.でインターンシップを行います。
「『障がい者』に関する固定概念を壊したいです。同時に、人に何かをしてもらう事が当たり前という考えを抱いている自分に気が付きました。自分自身が持っている概念を変えると共に、TOMODACHI研修を通して、様々な考えや経験を吸収し、障がいを取り巻く問題について正面から考えられるようになりたいです」
中西 智哉(なかにし ともや)
中西智哉氏は、大学1年生の時にレスリングの練習中の事故により、車椅子ユーザーとなりました。現在、京都にある立命館大学にて産業社会学を専攻しています。中西氏は、社会学視点から、日本のスポーツにおける包括と排除について考察したいと考えています。2019年度研修生として、米国の障がい者の生き方や、利用できる支援サービス、障がい当事者の声について学びます。またThe Boston Center for Independent Livingでインターンシップを行います。
「このプログラムを通して、自分に自信をつけたいです。米国の社会で活動しながら生活することで、日本に対する今までとは違う見識を持ちたいと思っています」