第15回キャンパスベンチャーグランプリ「TOMODACHI賞」受賞チームが研修訪問のためシリコンバレーへ
2019年3月17日から20日にかけて、第15回キャンパスベンチャーグランプリでTOMODACHIソーシャルアントレプレナーシップ賞を受賞した3チーム「データック」「L-Hub」「Ecommons」のメンバーがカリフォルニア州シリコンバレーで実施された研修に参加しました。
医療データサイエンスの分野においてPhD候補者でもあり、脳神経外科医でもある「データック」は、医療自然言語処理技術を用いて、医療文書を扱う医者の負担を大幅に軽減させる事業を提案しました。ロボット工学を専攻する大学院生によってはじめられた「L-Hub」は、IoTセンサーと臨床データを統合し、個人の治療プランを策定する、高齢患者の介護医療のシステムを提案、また「Ecommons」は、月40時間の教師たちの残業時間を削減するための最大限にカスタマイズ可能な教材データベースの提供を考案しました。
本研修の目的は、シリコンバレーで実施される創業者や投資家とのピッチミーティング(投資家への事業計画のプレゼンテーション)を通して、日本の学生起業家のレベルアップを図ることです。アメリカを初めて訪れる学生も多く、英語での5分間ピッチやミーティングでの質疑応答の準備が必要となりました。最初は苦戦するチームもいましたが、研修が終わる頃には、各チームはそれぞれの事業について自信をもって英語で即席のピッチができるようになりました。
3日間の多忙な旅程の中、学生は公式なピッチミーティングに加え、ディナーや交流会に参加し、ネットワーキングを広げたり、それぞれのスタートアップについて情報交換をしました。交流会の一つは、ベイエリアのTOMODACHI新生リーダープログラム(ELP)アラムナイが主催。ディナーの席で学生たちは、組織の完成度の高さを感じる一方、シリコンバレーでの起業を手厚くサポートするコミュニティであることを実感しました。
今回の研修の一番のハイライトは、元駐日米国大使であるジョン・ルース氏の特別講演でした。
学生たちは、ルース大使が情熱を持ち続けているTOMODACHIイニシアチブへの活動について熱心に聞き入っていました。またルース大使は、起業するときは日本だけにとどまらない大きなビジョンを持ち、しかしフォーカスを絞ってから実行し始めることの大切さや、個々のチームへ、現在フォーカスしていることをどのように戦略的に広げて、さらに大きな将来の可能性へとつなげていくことができるのかを指導してくれました。
会の終わりにひとりの学生は、ルース氏が創業者である「Geodesic Capital」が投資をしたくなるくらい強力でグローバルなスタートアップ起業になって、シリコンバレーへ戻ってきたいと意気込みを語ってくれました。
この研修旅行から戻った学生たちは、社会へインパクトを与えるスタートアップ企業を担うためには、どのようなことを実践していかなければならないのか、以前よりも明確で大きなビジョンをもって歩んでいくことでしょう。