TOMODACHIユース・アンバサダーズプログラム-ニューヨーク市の高校生が福島県で交流を経験
「TOMODACHIユース・アンバサダーズプログラム」は、ニューヨーク市と福島県の高校生が10日間のサービス・ラーニング研修に参加する次世代育成交流プログラムです。9名の米国人高校生は、3週間の渡航前事前研修で日本の歴史や文化、デジタルメディア、日米関係、環境とレジリエンスについて学んだ後、2018年7月25日から8月4日まで東京と福島県を訪問しました。訪日研修を通して、米国人高校生らはホームステイや調理体験をしたほか、福島県立ふたば未来学園高等学校の生徒との交流や、若者の教育支援を行うNPO法人カタリバによる東北地方の視察に参加しました。
生徒らは東京でホームスティを経験し、ホストファミリーの温かい歓迎を受け、尊敬と思いやりに満ちた日本文化や家庭料理を堪能しました。
ナトヤ・ジャーマン氏は次のように述べました。「ホストマザーは米国に帰国後も私に連絡をくれ、ペットの犬や料理などの写真を送ってくれます。彼女はニューヨークを早く訪問したいと話し、私は日本にまた戻る日を待ちきれないとお互いに話しています。」
また生徒らは、約1週間の研修中、福島県で地元の住民や高校生、企業経営者、行政関係者、教育関係者から東日本大震災や津波、原発事故による人的および環境への影響についてのお話を伺い、学びを深めました。
生徒が取り組む地域の災害対応に関する研究の一環として、2名の元住民の方々にご案内いただき、福島県いわき市、広野町、楢葉町、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、川内村を視察する機会を得ました。また汚染された土の中間貯蔵施設を訪問し、土壌処理について学びました。生徒らはこの経験はとてもインパクトが強かったと感想を述べました。街は一見すると被害が最小限であるかのように見え、老人ホーム、住宅、ガソリンスタンド、企業が7年前の当時のまま残っていました。震災以降、避難によってバラバラになった住民たちは、現在も繋がり、福島の復興のために力強く取り組んでいました。
ジオネラ・キャンポス氏は、東北での経験を振り返り「日本での研修は、私にレジリエンスの本当の意味を教えてくれました。レジリエンスは困難を乗り越える能力だけではない。福島の人々は、レジリエンスを身に付けるためには、物事に対する自身の姿勢が重要である、ということを私に教えてくれました。」と語りました。
生徒の多くは、研修のハイライトとして、福島県ふたば未来学園の生徒との交流を挙げました。言葉の壁を越え、生徒らはワークショップやピア・エデュケーション、地域活性化をテーマにした活動を通し、お互いの理解を深めました。
本プログラムは、トヨタ自動車、三菱商事、日立製作所の多大な支援により設立されたTOMODACHI交流基金から資金の提供を受けています。