2017年度 TOMODACHI 障がい当事者リーダー育成プログラム参加者がボストンでの研修を終了
マサチューセッツ州ボストンで2017年7月から実施された「TOMODACHI 障がい当事者リーダー育成プログラム」が終了し、12月20日に2017年度研修生の出口澪氏と酒井春奈氏が帰国しました。
5ヶ月間にわたるプログラムでは、集中オリエンテーション、研修生個人のニーズに合わせた政府機関や地域団体でのインターンシップに加え、毎週実施されるリーダーシップ育成セミナー、英語研修などが提供されました。12月14日にはプログラムの集大成となる式典が行われ、2名の研修生がインターンシップ先での研究・調査結果を発表をしました。
長崎国際大学に通う出口氏は、米国に住む視覚障がい者がどのような支援にアクセスできるのか、また日米の支援の違いなどについて発表しました。また、熊本学園大学の障がい支援室にてコーディネーターとして勤務していた酒井氏は、障がいを伴う米国の大学生がどのように自己啓発スキルを身につけていくのかを、学習面の自立と成功を促す支援室の取り組み方法から考察し、共有しました。
2名の研修生はプログラムで得た学びや経験を下記のように語りました。
「より良いリーダーになるためにTOMODACHIプログラムに参加しました。研修プログラムを通して、人それぞれのリーダーシップの方法があることに気づきました。以前は、リーダーとは自分とはかけ離れた存在と思っていましたが、自己認識などという小さな事もリーダーシップの一つであると学びました。これから、リーダーとして自分に何ができるのか楽しみです。(出口氏)」
「障がいを持つ日本の学生に対し、自己啓発スキルを促す方法を学ぶためにボストンに来ました。しかし、このTOMODACHIプログラムの中で、自分自身を振り返った時、権利を十分に主張してきたか疑問に感じるようになりました。私自身も障がいを肯定的に捉え、積極的に職場環境を変えることが障がい学生のためのロールモデルになると思います。(酒井氏)」
式典には、ノースロップ・グラマンのカービー・ホッジ氏、米日カウンシル・メンバー ジニー・フォードハム氏をはじめとする多くのゲストが参加しました。
ボストン現地でのプログラムは終了しましたが、2名の若手リーダーたちの本当の挑戦は始まったばかりです。日本帰国後、ボストンで得た知識や経験を活用して、障がい当事者が住みやすい地域社会の実現へ向けて取り組んでいきます。
本プログラムはノースロップ・グラマンの多大なる支援を受け、マサチューセッツ大学ボストン校地域インクルージョン研究所 (ICI) が運営しています。
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