東北の高校生100名がカリフォルニア州バークレーで地域に変革をもたらすアクションプランを策定
2017年7月21日から8月10日の日程で、カリフォリニア州バークレー市および近郊で「TOMODACHIサマー2017ソフトバンク・リーダーシップ・プログラム」が実施されました。岩手・宮城・福島の3県から集結した高校生100名が参加し、リーダーシップと地域貢献を学んだ、実りある3週間となりました。
100名の高校生らは、協賛企業であるソフトバンク・グループ社の孫正義社長が学んだカリフォルニア大学バークレー校で、米国の学校現場で実際に導入されている地域貢献の実践型カリキュラム、Y-PLAN! (Youth, Plan, Action, Now!) を学び、帰国後それぞれの地域で実施するアクションプランを策定します。また、プログラムの後半では、東北地方で活躍する、NPO団体の若手職員で構成され、高校生の学びや、帰国後のアクションプラン実施を伴走するアダルト・アライの6名も渡米し、実際にY-PLAN!を学びました。
最初の一週間は、4つのチームに分かれ、新しく出会ったメンバーと結束力を高めた他、インストラクターや、学びをサポートするTA(ティーチング・アシスタント)と自己のストーリーを掘り下げ、共有し、議論を重ねながら、Y-PLAN!の基礎を学びました。
また、実際にバークレー市近郊のリッチモンド市に赴き、市の職員の方々から、モラテ岬を活性化するという課題を頂きました。リッチモンド市は、近年環境問題や貧困層の流入など、様々な課題を抱えています。実際に街を歩き、モラテ岬の現状を学んだ他、同市で地域貢献に取り組む同世代の若者との交流を経て、Y-PLAN!のメソッドに従って、チームに分かれてアクションプランを策定しました。
チーム内で一人ひとりの意見を尊重し、アクションプランを策定するという同じ目標に向かって作業を進めていくということは、高校生らにとって、大きな挑戦でした。それぞれの強みやリーダーシップを認識し、議論を重ね、サポートする大人から沢山のフィードバックを受け策定したアクションプランを、リッチモンド市の方々の前でチームで一丸となって発表しました。発表を終えた高校生は、同市の方々から沢山の質問や称賛を受けました。高校生は、発表を無事に終えたことに安堵しながらも、改善点にも気付き、その学びを次のステップへ生かせるよう、インストラクターやアダルト・アライズ等の大人のサポートを得て、東北の各地の課題に向き合い、それぞれがアクションプランの策定に取り掛かりました。
地域の課題を見つけ、高校生ならではの視点で、策定するアクション・プラン。自身の内なる想いと地域の課題が重なった部分を発見し、どのようにしたらその課題に向き合えるプランを策定できるか、悩みながら、一歩ずつ前進していきました。そして100人がグループに分かれて、それぞれのプランを、パネリストの前で発表しました。地域を盛り上げる音楽イベントを開催したいと、得意の歌を披露してプレゼンテーションをしたり、挑戦に対して後ろ向きになっている福島の高校生が、夢を叶えるための交流の場を提供するプラン、また津波により壊滅し、過疎化が急速に進んだ、祖父母との思い出がつまった地域への来訪者を呼び込み、活性化するプランなど、沢山の想いが込められたアクションプランが発表されました。パネリストから、それぞれのプランに対し、フィードバックを受けた高校生は、それぞれの地域への想いを新たにし、プログラムは終盤を迎えました。
米国プログラムの締めくくりとなる、卒業式では、関係者の挨拶に続いて、一人ずつ壇上に上がり、修了証が授与されました。自ら志願して、壇上に上がりスピーチをした高校生らは、米国で過ごした3週間を振り返りました。生徒はそれぞれに、関係者や与えたれた素晴らしい機会に感謝を述べると共に、プログラムを通して出会った仲間への想いを共有し、共に過ごした3週間へ想いを馳せ、涙と笑顔が入り混じった、素晴らしい卒業式となりました。
米国でのプログラムは終わりましたが、高校生100名の挑戦は始まったばかり。彼らのアクションプランが、東北を更に活気づけ、変化をもたらして行くことを期待します。