TOMODACHI J&J 災害看護研修プログラムの事前研修を仙台・東京で開催
今年2年目を迎える、TOMODACHI J&J災害看護研修プログラムの事前研修が仙台(6月25-26日)、東京(7月9-10日)で開催され、岩手・宮城・福島の3県12名の看護学生が参加しました。
8月の2週間米国研修参加へ向けて、現地でより深い学びを得ることを目的に、災害医療・看護の概要理解や東北地域の現状・ニーズを把握するための事前学習の機会となりました。
仙台勉強会は、プログラム参加者・メンター共に初めての顔合せの場となりました。初日は、災害医療の第一人者である東北大学災害医療国際協力学教授、江川新一氏より災害発生時の医療体制や東日本大震災発生時からの改善点など、災害時の影響範囲を軽減する方法をご講義頂きました。また、応援に駆け付けた昨年度参加者の3名は、プログラムを通しての成長機会や積極性の大切さ、質問を投げかける大切さ等を伝えました。さらに、参加生徒が岩手・宮城・福島それぞれが抱える問題を共有することを目的として、ディスカッションとグループ発表を行いました。問題の発見から自分に何ができるか、もう一度踏み込んだ議論は今後さらに続きます。
その後訪れた南三陸町では、佐藤仁町長から東日本大震災発生当時の状況を伺う他、災害跡地を見学したり、被災者のお話を聞く等学びを深めました。震災で特に甚大な被害を受けた石巻市では、医療施設や訪問看護の現場を訪問し、仮設住宅の住民の方々と交流を行う等、震災から5年を迎える今でも地域が抱える課題について、生の声を伺う機会となりました。
7月9-10日の東京勉強会では、渡米に向けてさらに具体的な準備を行いました。東京医科歯科大学大学院医師学総合研究科救急災害医学教授 大友康裕教授から、日本の災害医療体制について講義を受けた他、参加者が被災体験を一人ずつスピーチする等、渡米後を想定した内容となりました。プレゼンテーション後にはメンターやスタッフからのアドバイスを受け、各自が内容を改良し翌日再度発表しました。参加者の一人は、フィードバックを受け、「震災を自分にとってネガティブな感情だけで終わらせたくない。想いを伝えたいし、聞いてほしい。」とより伝えたい内容が明確になったと語ってくれました。その他、米国で訪問予定の医療関連施設について事前に調査した内容を参加者がもちより、全員で共有しました。皆で議論を重ねることで、目的や質問事項などを整理することが出来ました。今回が初めての海外となる学生も多く、渡航にまつまる準備やオリエンテーションに期待を胸に膨らませている様子でした。
同日の昼食時には、本プログラムを立ち上げ当初から見守る、ジョンソン・エンド・ジョンソン代表取締役日色社長や社会人貢献員会有志メンバー安村氏も激励に駆けつけ、米国で沢山のことを学び今後の成長の糧にして欲しい、さらにはプログラムでの学びを東北へ還元して欲しいとの願いを伝えました。