TOMODACHI J&J災害看護研修プログラムから看護学生8名が帰国、実務訓練など刺激を受ける
石巻赤十字看護専門学校の宮川奈津美氏は、「このプログラムで渡米したことは、素晴らしい経験となりました。私は多くのことを学びましたが、この経験は単に私のためのものだけではありません。多くの学生がこのプログラムに応募し、そのうち私を含めた8名が選出されました。私たちは責任をもって自分たちの経験を共有し、地域や国に還元しなければなりません。」
この宮川氏の言葉は、今年8月のTOMODACHIJ&J災害看護研修(DNT)プログラムで、米国研修に参加した宮城県の看護学生たちの熱意に満ち溢れた言葉の一端でしかありません。このプログラムは、ジョンソン・エンド・ジョンソングループとのパートナーシップの一環で、東北の災害医療や看護を専攻する看護師の能力育成を図ることを目的としています。
今年が1年目となる、TOMODACHIJ&J災害看護研修プログラムでは、8月10日-24日の日程で、宮城県の看護学生らが、ニューヨークとワシントンDCを訪問しました。参加学生の全員が東日本大震災を経験しており、ニューヨークでは9.11のテロの被害者家族や救助活動に携わった方々と自身の経験を共有するともに、彼らの体験を伺いました。また、メンタルヘルスケア関連の課題を学ぶため、日本の医療専門家や現地の有名大学で学ぶ看護学生との交流の機会も得ました。
ワシントンDCでは、自然災害からテロや感染症に至るまで、米国における様々な災害対処方法について学びました。単に防災についての知識を得るだけでなく、あらゆる事態を想定し、エボラ出血熱発生時に着用した防護スーツを用いて実務訓練も体験しました。さらに、ジョンズ・ホプキンス大学看護学部、軍人保健科学大学ダニエル・イノウエ看護大学院および防災・人道支援医療センターを訪問し、現地の看護学生と交流しました。 2週間の米国研修は、児童国民健康システムで開催された夜のレセプションでフィナーレを迎え、学生たちは自らの経験や本プログラムから得た学びや、それらを将来の自身の研究やキャリア目標としてどのように活かしていくか発表しました。