東北の高校生が地域を活性化:復興や社会貢献を目指すアクションプランを策定
今年で4年目を迎えた「TOMODACHIサマー2015 ソフトバンク・リーダーシップ・プログラム」の参加者100人が、7月21日から8月12日のプログラムを終了し、日本に帰国しました。
ソフトバンクグループの協賛により実施されるこのプログラムは、カリフォルニア大学バークレー校 (UC Berkeley) で行われる3週間の集中コースに、東日本大震災の被災地である岩手、宮城、福島3県の高校生を無償で招待し、グローバルリーダーシップと地域の課題解決方法を学ぶ機会を提供するものです。
100名の高校生が学んだ「Y-PLAN(Youth – Plan, Learn, Act, Now!)」は、若い世代が地域の課題を自身の視点で発見し、解決や活性化の為のプログラムを立案、実行する取り組みで、この経験を通して、地域貢献やリーダーシップスキルを学びます。
高校生はY-PLANの学びを基に東北の抱える課題について考え、議論し、復興や地域社会への貢献を目指して、実際に行動計画(アクションプラン)を立案しました。
1-2週目とY-Planメソッドを学び、後半ではバークレー近郊の西オークランドに実際に赴き、行政の担当者、地域で活動している非営利団体の訪問を通して、地域の特性とその課題について学び、活性化のための実現可能なアクションプランを作成、発表しました。
3週目は、それまでの学びを活かし、自身の地域におけるアクションプランの作成に挑戦しました。まずは地域の課題について考え、何故その問題は起きているのか、どのようにすれば解決、活性化できるのかを掘り下げ、プランを選定します。彼らのサポートに東北3県(岩手、宮城、福島)より非営利団体職員ら6名が加わり、地域ごとに集った100名の高校生と議論を重ね、それぞれのアクションプラン発表の日を迎えました。
個人とグループの発表を含めて、66のアクションプランが発表されました。プランはそれぞれ震災の経験から生まれたもの、自身の得意分野を生かしたコミュニティ対象のプログラム、高齢化や過疎化する故郷の課題を捉えたもの、とユニークな洞察力や、視点が顕著となった力作揃いでした。ソフトバンクグループ執行役員 人事部長 青野史寛氏、米日カウンシル会長 アイリーン・ヒラノ・イノウエ氏を含む審査員が、6つのテーマに沿った賞を選定し、その中から特別賞が発表されました(下記参照)。
2015年のTOMODACHIソフトバンク・リーダーシッププログラム4期生の活躍を、大いに期待させるテーマに沿った代表6プラン:
●「伝えたい、宮城の魅力」(宮城県仙台市)
震災後、地域の交流が希薄になったことに注目し、世代を越えて集い、地元の子どもたちに特有の文化を紹介するワークショップを開催するプラン。
●「じーちゃんばーちゃん大作戦 with 孫」(岩手県奥州市)
母校の中学校が廃校になることをきっかけに、学校という設備を活かし、高齢者と共に、地域の住民が集う場を提供し、郷土料理や、伝統芸能など、文化と知恵を継承するプラン。
●「ハロー・マイストーリー」(岩手県葛巻町)
「心」に注目したプラン。自身が家族が問題に直面した時、十分に支えることが出来なかった後悔の気持ちに着目したプログラムで、同じ経験をした人による「ピア・カウンセリング」を提案。葛巻町をカウンセラーの研修拠点として活用。
●「メモリーズ・オブ・東北」(福島県福島市)
震災からの避難生活の経験を通して、「誰にも、同じ思いをしてほしくない」との信念で、自身の避難先の近畿圏が、懸念される南海トラフ地震の被害想定地域であることに注目。東北の経験を共有し、次に起こりえる震災についての備えを喚起する「語り場」活動プラン。
●「LIFE」(岩手県大槌町)
津波の被害で壊滅した大槌町では、今も多くの住民が仮設住宅で生活し、近年高齢者の仮設住宅での孤独死が増加している課題に着目。震災で家族を失い、孤独を経験したことから、孤独死を「自分の問題」として捉え、買い物代行サービスを提供し、同時に高齢者世代との交流を図るというプラン。自治体に協力を呼びかけ、「孤独死ゼロ」を目指す。
●「Mapping HEROES」(福島県いわき市)
震災以降、街の安全が脅かされ、刑事事件が多くなった課題に注目。スマートフォン対応のアプリケーションを開発し、不審者などの情報を地図上で投稿・閲覧を実現、またコミュニティーの店舗情報なども同様に住民が情報を共有することで、楽しく、安心な地域つくりを目指す。
本プログラムの詳細はこちら