TOMODACHI世代:佐野弘純
略歴
社会医療法人北楡会 札幌北楡病院小児思春期科医長である佐野先生は「人のためになる職業がしたい」という熱意から医者になりました。2001 年 3 月に滋賀医科大学医学部を卒業後、大阪大学医学部附属病院、ベルランド総合病院、埼玉県済生会川口総合病院の小 児科に勤務したのち、平成 17 年より群馬県立小児医療センター血液腫瘍科にて小児血液・ がん疾患の診療および研究に従事しました。2010 年 9 月より社会医療法人北楡会 札幌北楡病院 小児思春期科医員となり、2012 年 4 月からは現職として造血幹細胞移植を含む小児血液・ 腫瘍性疾患の診療に従事し、これからを背負っていく次世代のリーダーである「未来志向」の子供たちに元気を与えることを志しています。
TOMODACHI アフラックプログラムに参加して
本当に、あっという間の半年間でした。私の留学したAflac Cancer and Blood Disorders Center(米国アトランタ)のスタッフは本当に良くしてくださり、私をチームの一員として扱ってくれました。英語力の問題もあり、特に最初のころはコミュニケーションに苦労もしましたが、スタッフの方々が私の拙い英語にも嫌な顔をせずに耳を傾けてくれたおかげで、次第にコミュニケーションもとれるようになり、充実した研修生活をおくることができた。日米の医療の違いについてAttending Physicianたちとともにディスカッションをした経験は私の今後の人生にとってとても大きな財産です。
米国と日本では、保険制度の違いなどから実際の医療には大きな違いがありました。日本の医療制度は国民皆保険を背景に誰もが安心して標準的な医療を受けられるという素晴らしい面がありますが、米国では患者さんが加入している民間医療保険により受けられる医療が変わってきてしまいます。しかし、私が留学していたような大病院では圧倒的なマンパワーや資金力を背景に、医療スタッフの充実が勧められていて非常に包括的な小児がん診療が行われていました。医師以外のスタッフもそれぞれが自分の仕事に責任と誇りを持って働いていたのが印象的でした。
また、Family-centered careという考え方を徹底していて、日々の治療方針の決定に患児やその家族の意向が反映されるように、医療者側からの配慮が行き届いていたことも印象的でした。
このように大変貴重な機会をいただきありがとうございました。今回の留学で直に見て聞いて感じたこと、そして考えたことを、今後の日本での小児がん患児の診療に必ず役に立てたいと決意を新たにしています。
抱負
「米国での小児血液・腫瘍性疾患の診療を学ぶことのできる貴重な機会をいただきとても感 謝しております。また同時に、その責任の大きさを痛感しています。小児がんの治療成績 の向上は目覚ましいものがありますが、いまだに多くの子供たちが小児がんに苦しんでいます。TOMODACHI アフラックプログラムへの参加を通して、少しでも多くの小児がんに苦しむ子供たちの役に立つよう、また日米両国の小児がん診療の交流に役立つよう努力 していきたいと考えております。」
TOMODACHI アフラック プログラム
このプログラムは、小児がん治療などの研究に携わる医師に対し、Aflac 米国本社が支援する「アフラックがん・血液病センター」(米国ジョージア州アトランタ)への留学を支援 するものです。米国における最先端の小児がん研究を経験することにより、若手の医師に 日本での今後の治療・研究に役立ててもらうことを目的としています。