NGO日本人のリーダーが海外での人道支援任務上のリスクを軽減するため、総合安全保障について様々な角度から学ぶ
自らの安全が保障されていない状況でどう自分の身を守りますか?
その様な環境であたら得た任務を遂行する際に、あなたを派遣した機関や団体はどのような準備をしていますか。
2015年2月26日、安全が保障されていない危険な環境で働く30人以上のNGOリーダーがJ.P.モルガンが支援するTOMODACHI NGOリーダーシッププログラムの「セキュリティー・ワークショップ」に参加しました。ワークショップでは普段彼等が働いている危険な場所で考えられる様々なリスクを避けるためにどのような準備が出来るかに集点が当てられました。
イベントの進行はマーシーコーのランディー・マーティンさんによって進められ、彼が気をつけている習慣や記憶に残った経験について述べた後、参加者それぞれの経験を他の参加者と共有するようにと促しました。今回のイベントの目的は、参加者が危険な地域で人道支援の活動を行う危険性を知り、より良い安全の方針と手順を確保することの必要性を理解し、そうしたNGOが活動する上での重要な安全に対するコンセプト、計画、手段を彼らが所属する機関や団体の戦略や方針に適用する方法を学びました。 ジャパン・プラットフォーム、海外プログラム部門コーディネーターの月岡 悠氏は、5月に予定しているヨルダンでシリアとイラクの人道支援に向かう前に、安全基準の新しい方針基準の作成方法を学ぶために出席したと述べていました。
ワークショップの記述からの引用:“NGOの安全の危険性が高まっている環境での活動。NGOは人道支援の組織として警察や軍隊が利用している方法とは異なる安全性を高める特殊な方法を用いています。”ワークショップの間、参加者はコミュニティーに受け入れられることは、自分を守るために利用する道具や措置を作ることによる弱点を軽減し、また逆に脅威を促すような作戦を認識するに至り、安全な環境を確保するうえで大切な要素であると学びました。
ランディー・マーティン氏のお話の後、参加者は自分の活動したことのある地域にグループ分けされました。:フィリピン(ハイヤン台風の震災後の対応)、南スーダン(戦争中の人道支援活動の協力)、そしてヨルダン(シリアとイラクの戦争の影響による人道支援の必要性)。それぞれのグループは脅威を減らす方法を見つけ出すため、自らが配属になった地域の危険分析や最大の脅威を認識することと同時に、安全を確保するための作戦や計画について話し合いました。
4時間に及んだワークショップは書物やサンプルマニュアルなどの紹介も行われました。 今回紹介されたものは、安全のための方針や手順をNGO団体が作成するために活用できるもので、Good Practice Review: Operational Security Management in Violent Environments by the Humanitarian Practice Network (出版:2010年、12月), 欧州共同体人道援助事務局による人道支援機関のためのECHO 安全ガイド (出版:2004年)、マーシーコーフィールドセキュリティーマニュアルを含みました。
イベントが終了した後も、参加者達は今回のワークショップの大切さについて向き合いました。JEN(Japan Emergency NGO)でプログラム・オフィサーを務めている、渡邊 千沙氏はその組織で働き始めた新人に研修を行い、スタッフのための再教育のコースを設けることが、大切であるという新しい考え方を持っています。特にスタッフが人道支援の必要性に応えて、海外でのプロジェクトに移る前にそういったコースを行うことが大切と言及しました。BHNテレコム支援協議会でプロジェクトコーディネーターを務めている玉木 杏奈さんは、災害により被害を受けた地域で、ラジオによる通信手段を提供する対応の術に焦点を当てています。彼女は東北や、最近ではバングラディシュで働いた経験があります。杏奈さんは、そのようなリスクや脅威のある状況の中で、どう安全のためにより良い判断を行うことができるかを学ぶために今回のワークショップに参加し、今回のイベントを通して彼女の他のスタッフがリスクの高い地域に行くときのための方針や統一された手順の大切さを見ることができたと述べました。