TOMODACHI世代:麓えり
慶應義塾大学4年 (2015年2月時点)
好きな色:オレンジ色
好きな食べ物:シェパーズパイ
留学経験:ダートマス大学、米国ニューハンプシャー州ハノーバー
趣味:ホットヨガ、写真撮影
好きな映画:「プライドと偏見」、「アバウト・タイム」
好きな小説:「日の名残り」カズオ・イシグロ作
麓えり氏は2014年7月にインターンとしてTOMODACHIイニシアチブの一員に加わりました。インターンとして8ヶ月働き、新しく加わったインターンのサポートもし、TOMODACHIチームにとって重要な存在でした。彼女は、スタッフの期待を超えたプロ意識を持って業務に取り組みました。2015年3月20日、インターンとして去ってしまいましたが、彼女のような新しい世代が情熱をもって社会で働き、改善が必要とされている部分に周りの人々と協力しながら変革をもたらすことを期待しています。
TOMODACHIイニシアチブを知ったきっかけは何ですか。
TOMODACHIイニシアチブでインターンをしたダートマス大学の友人から話を聞いたことがきっかけです。
あなたは、日本とアメリカ、それぞれの国について好きなことは何ですか。
日本の「思いやり」と「以心伝心」の文化が好きです。自分の思い描くアイディアや考え方を伝えるために全て言葉で説明しなくても伝わる、という考え方が素敵だと思います。海外の方から見た日本人は、静かでシャイな人たちだという評価を受けがちですが、日本人の「思いやり」や「以心伝心」の文化は日本文化の特徴的で美しい部分だと思います。
一方、アメリカでは自分の意見や考えを他人に伝える際いかに論理的に明確な言葉で伝えられるかが重視されるところが好きです。意見を論理的に伝える練習をしたことは、、「以心伝心」に頼ってばかりいられない異なる文化背景を持つ人たちと協働して一つのことに取り組むるときに役に立ちました。
TOMODACHIインターンシップのどのようなところが好きですか。
自分の働いた成果を実感できるところが好きです。怖々アメリカへ旅立ったTOMODACHIサマーコカ・コーラホームステイ研修プログラムの参加者が、自信いっぱいの表情で日本に帰国したのを見たとき、このインターンシップはとてもやりがいのある仕事だと感じました。日々の業務に追われると、大きな目的を見失ってしまうときもありますが、プログラムに参加した生徒が自信をつけ、次の世代のグローバルリーダーに成長していく姿を見ると喜びを感じます。
あなたがTOMODACHIインターンを始めて変化したことや衝撃を受けたことは何ですか。
TOMODACHIでは多様な文化背景で育ったインターン、スタッフ、プログラム参加者の方に囲まれています。こういった環境は意志疎通がうまくいかず誤解を生んでしまうリスクも存在する環境です。「人の本質は互いにそう違わない。ただ物事を成し遂げるスタイルが違うだけだ。」という、あるキャリアパネルの講師を務めた方の言葉は、そのリスクを軽減する手立てを考えるのに役立ちました。この言葉によって、他人のアドバイスにもっと耳を傾け、より柔軟に自分のスタイルをその場その場のニーズに対応させることを心がけるようになりました。
あなたがTOMODACHIインターンを通し学び、印象に残ったことは何ですか。
「コーチングは教えることとは違う。良いコーチになるには、相手に良い質問を投げかけ、人を自分の尺度で評価を下すという非常に本能的な行動に対抗する努力をしなければならない。自分の目に映ったものが真実だとは限らないからだ。」というTOMODACHI NGO リーダーシッププログラムで講師を務めたマーシー・コープスのグローバル・リーダーシップ・デベロップメント、シニア・ディレクターのDr. クリスティーン・ヒブラー氏の言葉が印象に残っています。自分が何かを学ぶ立場にいる時だけでなく、ほかの人を指導する立場の時こそ知的好奇心を持って相手に向き合うことが重要だということに気づくことができました。
あなたがインターンとして一番責任感を感じた仕事は何でしたか?
医療・科学分野で活躍する5名の専門家が自身のキャリアや経験について語るパネルディスカッションで進行役を務めた時が一番責任感を感じました。進行役として話の自然な流れを保ちながら、議題から話がそれないようにディスカッションを進めるのは予想以上に難しかったです。TOMODACHIイニシアチブでのインターンシップでは、新しいことに挑戦する機会が豊富にあり、そして的確な助言をし、時には厳しく指導してくださるスタッフ方がいます。新しいことに挑戦するには非常に恵まれた環境だと思います。
TOMODACHIイニシアチブでのインターン中、一番印象に残った経験は何ですか。
TOMODACHI MUFG国際交流プログラム参加者の岩手県出身の高校生、田村和真君にインタビューしたことが印象に残っています。今まで東北出身の高校生と接する機会があまりありませんでしたが、震災を通して自身がどのように変わったか、自分が力を入れて取り組んでいる防災活動についての話、プログラムへの抱負などを聞き、学ぶことが多くありました。
TOMODACHIプログラムの参加者に伝えたいメッセージをどうぞ。
未知の国や文化について固定概念(ステレオタイプ)を持つことは良くないことだと思われがちですが、私は逆に自然なことだと思います。ただ、海外に行った際に見聞きしたことで固定概念に合わないことがあったとしても、それから目をそらしたり否定したりせず、受け入れる努力をすれば新しい発見につながると思います。そして自分に訪れるチャンスを見逃さないよう、積極的にそれをつかんでください。”If it scares you, it might be a good thing to try” (Seth Godin)―私はこの言葉を大切にしています。失敗を恐れチャレンジすることを躊躇してしまうものにこそ、ステップアップするきっかけが隠れていると思います。
好きな名言
「人生は、できることに集中することであり、できないことを悔やむことではない。」-スティーヴン・ホーキング博士
アメリカに旅立つ前、英語が喋れない不安を口にする日本の学生と多く出会いました。新しい国に行く時、不安になるのは自然なことですがそのような時こそ、自分にしか出来ないことに目を向けて自信をもってほしい!と思いました。
これまでの海外経験は今の自分にどのように役立っていますか。
海外で育ち、英語が喋れるようになったことはとても役に立っています。語学スキルは好きなものや一生懸命になれるものを探す際に人生の選択肢を大きく広げてくれます。また、ドイツ、英国と日本に住んだことで、自分の当たり前はほかの人の当たり前と必ずしも一致しないことを肌で感じ、自分の尺度だけで物事を判断する前に一呼吸置き、相手の立場から考えを巡らせることの重要性を知りました。このような考え方は自分とは異なる信念を持つ人と出会った際、互いの間にある文化の隔たりを埋めるのに役に立っていると感じます。
今までの経験とあなたが描く5年後の将来像はどのように関連していますか?
2020年には海外で働き、新たな挑戦をしていたいと思います。もしかしたら結婚しているかもしれません。数多くの人に良い影響を及ぼす販売キャンペーンや新製品の発売企画を手掛けていたいです。ダートマス大学でのボランティア活動、日本でのアルバイト、TOMODACHIでのインターンシップ、と今までの活動は全てある点で共通しています。自分の異文化経験を人と共有し、新しい事にチャレンジすることの楽しさ、慣れ親しんだ環境から出る勇気を持つことの大切さを伝えることにやりがいを感じた仕事であるという点です。将来もこのような内容の仕事に携わっていたいと考えています。