TOMODACHI世代:ダグラス 陽 氏
ダグラス陽氏は、お茶の水女子大学卒業。VOGUEや流行通信などの雑誌編集者を経て、最近までは米系eコマース企業GILTのエディトリアルマネジャーとしてエディトリアル、フォトグラフィーチームを統括していました。GILTでは、セールサイトやソーシャルメディア、マーケティングキャンペーンにおける、より効果的かつ魅力的なビジュアルやコピーライティング作成に尽力しました。また、レポーターとして通信社のシンガポール支社に勤務した経験もあります。2014年秋より、TOMODACHI-UNIQLOフェローとして、ファッション工科大学のプロフェッショナル・スタディース修士課程グローバル・ファッション・マネジメントの18ヶ月にわたるプログラムに参加します。プログラムを通じ特に、戦略的思考、財務分析、コミュニケーションスキルを向上させたいと考えています。
FITでのダグラス 陽 氏の体験について
ダグラス 陽 氏について
なぜTOMODACHI UNIQLO フェローシップに応募したのですか?
ファッションや優れたビジュアルアーツへの情熱を持ち、エディターやeコマース企業でのマネジャーとして業界で経験を積んできました。仕事を通じて、国内外の才能あるファッションデザイナーやフォトグラファー、スタイリストなどのクリエイターと共に仕事をする恵まれた機会がありましたが、クリエイティブ面でのすばらしい才能を持っているにも関わらず、その才能にふさわしい見返りー消費者からの注目やビジネス面での成功などーを得ていないクリエイターが沢山いるのに気づきました。こうした経験から、キャリアの早い段階で自身のプロフェッショナルミッションとして以下のことを常に意識してきました。
(1)才能あるクリエイターを見出し、業界での認知度を引き上げること。
まだ一般的には認知度の低い、若いデザイナーやクリエイターをいち早く雑誌で紹介し、彼らとともにクリエイティブなコンテンツを作ることは仕事の醍醐味でもあります。
(2)インターネットを活用して、ファッション業界を発展させること。
この2つ目のプロフェッショナルミッションは、夫の転勤にともないシンガポールへ移住した際、ある出来事がきっかけで意識し始めました。以前に働いていた思い入れのある雑誌が、廃刊になってしまったのです。クリエイティブ面で優れていたにも関わらず、ネットメディアが盛況する中、時代に変化に合わせて進化することができなかったのが主な原因でしょう。この経験から、インターネットテクノロジーを活用する、という新しい分野に興味を持ち、自身のキャリアをオンラインでニュースを配信する通信社にシフトしました。
シンガポールから東京に戻ってからは、ハイエンドアパレルを主力とする米系eコマース企業に入り、さまざまな貴重な経験をすることができました。これまで働いていた雑誌と異なり、インターネットではデータが豊富にとれるので、顧客の趣向に基づいたコンテンツ作りや、クリエイティブなアイデアがセールスに貢献するか否かなどを即時に判断することが可能です。また、マネジャーとして、会社の売り上げへの貢献のため財務面での判断を下すことは、キャリアにおける大きな成長の機会となりました。
充実したビジネス経験を積む一方で、先に述べた2つのミッションをより高いレベルで達成するには、自身の包括的なビジネススキルを引き上げることが必要だと感じていました。ファッション工科大学のプログラムは、業界に特化したビジネススキルを強化するのに最適な場所だと考えています。
また、UNIQLO-TOMODACHIフェローとしてファーストリテイリンググループでインターンを経験できるのも魅力的です。多くの企業が不況にあえぐ中、同社は、国内だけでなく世界を舞台に躍進する、日本が誇るファッションカンパニーです。また、柳井CEOの著書を読み、徹底した顧客中心主義や企業としての弛まないチャレンジ精神に感銘を受けました。そんな環境でインターンを経験することは、大きな糧となるでしょう。こうしたすばらしい学びの機会を与えてくれたUNIQLO-TOMODACHIに深く感謝しています。
このプログラムを通じて達成したいことは何ですか?
テクノロジー、マーケティング、マネジメントなどの包括的なビジネススキルを向上させたいと考えています。プログラムでは特に、パリ、香港、NYの3都市で行われる集中セミナーに参加するのが楽しみです。ファッションは市場やトレンドを直感的に捉える面があるので、現地に赴き最新の情報を学ぶは不可欠だと考えています。また、ファッション業界ではボーダレス化が進んでおり、多様な異文化を知ることがより重要になってきていますが、プログラム参加者は世界中から集められており、多様なグループを形成しているのも魅力的です。日本やハイエンドファッションのトレンド、そしてカッティングエッジなeコマース企業における自身の経験を共有すると同時に、「ファッション業界を発展させる」という共通の目的意識を持った、異なるバックグラウンドを持つクラスメイトから多くを学ぶことになるでしょう。
アメリカとはどのようなつながりがありますか?
ファッション工科大学キャンパスのあるニューヨークは、ファッションの主要都市というだけでなく、夫の故郷でもあります。これまでも毎夏、家族でニューヨークを訪れており、同地に住む古い友人や同僚とも交流を持ってきました。家族でアメリカに移住するのがとても楽しみです。NYは世界中のクリエイターが集まる刺激的な場所であり、ファッションやビジネスへの理解を深めるのに理想的な場所です。また個人的な理由ではありますが、夫の故郷へ戻るのは、2人の息子たちの人生にとっても有意義な経験となるでしょう。
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