TOMODACHI世代:保田 優衣 氏
保田 優衣 氏はブルックス・ブラザーズ・ジャパンにてバイヤーとして2年以上勤務し、メンズのリテール・ドレス・ファーニッシングやアクセサリーの商品化計画に携わってきました。安田氏は北海道大学で経済とマーケティングを学び、パーソンズ・ニュー・スクール・フォー・デザインにてファッション・マーケティングを学びました。国内と海外の大学で学び、4年以上ファッション業界で実務を経験したことを通じて、日本のファッション業界におけるサステイナビリティや倫理規定に関心を持つようになりました。
FITでの保田 優衣氏の体験について
保田 優衣氏について
なぜTOMODACHI UNIQLO フェローシップに応募したのですか?
学生としてニューヨークに住み、そしてバイヤーとして日本で働いた経験を通して、日本のファッション業界が抱える2つの課題を乗り越えるために必要な新しい市場、ビジネス戦略を考え続けてきました。
まず、途上国におけるインターネットやソーシャル・メディアの使用率を見ると、日本は国際的に求められているeコマースの基準をまだまだ満たしていません。ブルックス・ブラザーズ・ジャパンで働いていた間も、eコマースの必要性、そしてインターネットを介したビジネスは国際的に著しく成長している分野であることを痛感しました。
次に、日本は環境問題への取り組みでも諸外国より遅れをとっており、これは国内市場における古着販売に大きな遅れを及ぼしています。ニューヨークでは中古の衣類を販売するスリフト・ショップが文化として確立しているのを目にし、活発な市場であることを知りました。ファスト・ファッションが主流の日本ではまだこの文化は確立しておらず、リサイクルされた服の価値は、アメリカほど認知されていません。
しかし3.11の東日本大震災、温暖化などを受け、日本でも徐々に長期的に持ち続けられる高品質な物の価値が認められてきています。資源不足がもたらした経済のひずみに目を向けると、「リサイクル・リユーズ」市場は世界的に求められているものであり、価値のあるものだと思わずにはいられないのです。
上に挙げた2点について見識を深めると同時に、世界中から集まったファッション業界のプロと学ぶ機会があるということに魅力を感じたため、ファッション工科大学のプロフェッショナル・スタディース修士課程グローバル・ファッション・マネジメントに応募しました。
ニューヨークで出会ったファッション工科大学の卒業生と、ユニクロのホームページでこのフェローシップについて知りました。ユニクロは、日本を代表する大手ファッション企業であり、「リサイクル・リユーズ」に焦点をあてたプロジェクトを行っているCSR部門があります。このフェローシップはトモダチ・イニチアチブについて知るきっかけにもなりました。ユニクロのビジネスモデルとCSR部門に関心があり、トモダチ・イニチアチブの活動に強い感銘を受けたので、このフェローシップに応募することを決心しました。
このプログラムを通じて達成したいことは何ですか?
起業家精神を体現することを志し、多様な背景や経験を積んだ人たちが集まる場所であるファッション工科大学に魅力を感じています。新しいビジネスプランを自らの手で作り出したり、既存のビジネスプランを改革したりすることを目標にもち、様々な文化背景、ファッション業界での職務経験を経た仲間と机を並べて学ぶことは、お互いのアイディアやイノベーションを交換し、創造力や情熱に刺激を与えることにつながると思います。多様な背景を持つ世界中の仲間との交流やアイディアの共有は、私が日本におけるクリエイティブなビジネスプランを構想するのに非常に有意義なこととなるでしょう。
ファッション工科大学のプログラムでは多くのことを学ぶ機会があります。特に3か国で開催される特別なプログラムでは各国のファッション文化を肌で感じることができるのではないでしょうか。パリ、香港、ニューヨークで各国ファッション業界の芸術的側面、構造、ビジネスを勉強するということは教科書で学ぶだけで得ることのできない知識を身に着けるチャンスですし、ファッション工科大学以外のプログラムでは学ぶ機会がなかったかもしれない貴重な経験が得られると思います。
来年の夏、ユニクロのCSR部門でインターンシップを行うチャンスもあります。「リサイクル・リユーズ」の構造を実際の現場で学び、よりよい環境・資源、豊かな生活に貢献する可能性を見出せるのではないでしょうか。「リサイクル・リユーズ」はビジネスとして日本で大きな可能性があると信じている私にとって、CSR部門の構造を学ぶことは、将来自分のビジネスを立ち上げるときの貴重な財産になると思います。
バイヤーやアメリカの高級ブランド販売員としての職務経験と日本国内とアメリカの大学両方を経験しているユニークな背景をもって、仲間との学びに貢献していきたいです。アメリカ、アジアにわたる広い市場に携わる業務経験は、よりよいコミュニケーションや、教室を議論が活発にできる明るい雰囲気に持っていくことにきっと役に立つことでしょう。
アメリカとはどのようなつながりがありますか?
パーソンズ・ニュー・スクール・フォー・デザインに通うため、ニューヨークに数年住んでいたのでニューヨークには友人も多くおり、思い入れがある土地です。自信を得て、ファッション業界での新たな目標を見つけるきっかけとなったアメリカという国、特にニューヨーク市はこの先も自分の人生の中で特別な地であり続けると思います。
本プログラムについて、更に詳しく。