TOMODACHI Boeing Entrepreneurship Seminar ハッカソン2025 開催

TOMODACHI Boeing Entrepreneurship Seminarは、次世代を担う若者たちがイノベーションとリーダーシップのスキルを身につけることを目的としたプログラムで、実践的な学びと起業家精神を養う機会を提供します。第15回目となる2025年は、特にSTEM(Science, Technology, Engineering & Math)教育との組み合わせを新たなキーワードに掲げ、科学、技術、工学、数学などを勉強する高校生から大学院博士課程の学生20名が全国から参加しました。
2025年9月26日から28日にかけて、本プログラムの一環として、ハッカソンが東京で開催されました。参加者は、それぞれの専門知識と独自の視点を持ち寄り、社会課題の解決策を探求し、活発な議論と創造的なアイデアが展開され、実りある3日間となりました。
1日目は、アイスブレイクや対話を通してチームビルディングが行われ、アイデア出しからチーム編成までが進められました。LINEヤフー株式会社 デザイナー / 一般社団法人デザインシップ 理事である細見沙央梨氏から、ハッカソン参加やデザインカンファレンス企画での経験やデザインへの考え方について講演があり、参加者にとって刺激的な時間となりました。
2日目は、参加者はチームで取り組む課題のリサーチを行い、モックアップ作成や中間発表を通じてプロジェクトの方向性を確立し、アイデアの具体化に向けた一日となりました。昼食時には、ボーイング社の社員の方々との交流である「Lunch & Learn(昼食勉強会)」が開催されました。社員の方々からは、航空業界での具体的な業務、多様なキャリアパス、そして挑戦し続けることの重要性など、多岐にわたる知見が共有されました。午後のセッションでは、メンターとの個別セッションや、チームワークに関するインプットトーク、参加者同士のワールドカフェ形式の対話を通じて、プロジェクトのブラッシュアップが進められました。

3日目は、ピッチ(プレゼンテーション)の準備が中心となりました。「伝わるピッチ講座」で効果的な発表方法を学んだ後、議論やメンターからのフィードバックをもとに、アイデアのブラッシュアップと発表資料の作成が進められました。ハッカソン内での最終発表を通して、他の参加者からも具体的なフィードバックや質問が寄せられました。
今回のハッカソンで生まれた5つのアイデアは以下の通りです。
- 隙間時間活用アプリ: 隙間時間をユーザーの好みや関心に合わせて活用できるよう提案するアプリ。調べる手間を軽減し、効率的な時間の利用を支援する。
- 自然体験促進アプリ: デジタルを通じて、自然体験への動機づけと環境保全への関心を促す。子どもたちが自然に親しみ、生き物に興味を持つきっかけをつくるゲーム&生き物図鑑アプリ。
- 医療情報透明化アプリ: 医師と患者間の情報の非対称性を解消し、コストの透明化や公平な保険料を目指す医療系アプリ。
- 感覚に訴えかける広告: 従来のコピーでは伝えきれない企業のメッセージを、音や映像、触覚を通して表現する新しい広告の提案。
- 学会ネットワーキングアプリ: 学会や技術展の参加者が、興味やスキルでつながり、ネットワーキングを円滑にするアプリ。特に、新規参加者の交流機会を創出する。

参加者である伊藤夕妃氏は、ハッカソンについて振り返り、次のように述べました「今回の機会は、私にとって『アンラーニング』でした。学んできたことをただひたすらにチームに活かすのではなく、チームとの対話を楽しみながら、これまでの知識と経験を活かせた気がします。新しいことを覚えたり、専門知識がついたりすると、それを活かさなきゃと思いがちですが、今回は全て過去の学びを捨てて挑みました。結論としては、過去の学びはそれはそれで大事にしつつ、それにとらわれない。常に、今何が必要なのか新しいことを学び続ける楽しさを体得できた気がします。
ハッカソン後、参加者たちは12月7日にボーイング社で開催される最終発表会に向けて、10月から11月に行われるメンタリング期間を通して、アイデアのさらなるブラッシュアップに励みます。

