TOMODACHI アラムナイ・ ハイライト:小嶋恒氏(TOMODACHI次世代サミット2025より)
今月のアラムナイ・ハイライトでは、Next Generation Summit 2025のTOMO Voice スピーチコンテストでスピーカーの一人を務めた小嶋恒氏を紹介します。小嶋氏は、TOMODACHI Microsoft iLEAP Social Innovation and Leadership Program 2017のアラムナイです。佐賀大学大学院博士後期課程で情報科学を専攻し、検索エンジンに関する研究を行っています。また、ピアノを趣味で始めたことがきっかけでピアノを見た目でも楽しめる製品「ピアノーラ」の開発に取り組んでいます。
私の成績は良く、また自己成長のためにイベントに積極的に参加していました。しかし、TOMODACHIでの経験を通して私の考えは変わり、良い成績を取ることだけが全てではないと気づきました。私は佐賀大学博士後期課程の大学院生です。学部生のときに2017年のTOMODACHI Microsoft iLEAP Social Innovation and Leadership Programに参加しました。
プログラムの参加者は、異なるバックグラウンドを持ち、分野も異なり、考え方も様々でした。私は、多様なバックグラウンドを持つ人々が自由に話し合える環境は、生産的で意味のある会話を生むことを実感しました。他の参加者の意見から新たな学びがあり、私自身も成長できました。この経験がきっかけで、私は中山研究室に入りました。中山研究室の方針は、学生が自分の興味を追求することを奨励し、先生がそのサポートをするというものです。中山研究室は私にとっての“出る杭ネットワーク“です。
研究室には、国際会議で発表したり、特許を出願したり、さらには起業する先輩方がいました。私は修士課程のときから、数学に特化した検索エンジンを開発しています。ご存知の通り、数学は非常に難しいです。しかし、Googleやその他の検索エンジンは、修士課程レベルの数学の概念を理解するために作られていませんでした。当時はChatGPTのようなツールも存在していませんでした。だからこそ、私は数学のための検索エンジンを作ることにしました。しかし、検索エンジンは一人で開発するには規模が大きすぎたため、事業化を決意しました。
私はビジネスプランコンテストに参加し、数式検索の事業化の可能性を模索しました。これらの活動は大変だったため、気分転換をしたいと思い、昨年の4月から趣味でピアノを始めました。ピアノを弾いているときに「曲に合うイラストが鍵盤に印刷されていたら楽しそう」と思い、このアイデア「ピアノーラ」を、ピアノを弾く中山研究室の別のメンバーに話し、私たちは意気投合しました。
研究室のメンバーは、国際会議での発表や特許出願、起業など、様々な挑戦をするように私を後押ししてくれました。私はもう新しいことに挑戦することが怖くありません。だからこそ、ITが専門の私が、自分の専門とは無関係なピアノ業界でビジネスに挑戦できたのです。私の「出る杭ネットワーク」である中山研究室は、私がアイデアを実現することを支えてくれました。
2025年9月1日に高波爾奈がスピーチ原稿を記事にしたものです。彼女は現在TOMODACHIアラムナイ・プログラムのインターンです。