TOMODACHIイニシアチブ インターン生:廣瀬彩乃氏が経験から得たこと
2023年5月からTOMODACHIイニシアチブ(以下「TOMODACHI」)のインターンとして活動している廣瀬彩乃(ひろせ あやの)氏は、TOMODACHIや米日カウンシルのプログラムを通じて、多様な人々と出会い、自身の関心やキャリアの方向性を深めてきました。日系アメリカ人の歴史や日米関係への関心を軸に、TOMODACHIでの経験を大学院での研究や将来のキャリアに結びつけていると話します。現在、東京大学大学院総合文化研究科に在籍する彼女に、これまでの経験や今後の展望について伺いました。
TOMODACHIを知ったきっかけと、なぜTOMODACHIでインターンシップをしようと思ったのか教えていただけますか?
私がTOMODACHIについて知ったのは、大学2年から3年にかけてアメリカに留学していた際、米日カウンシルから米日カウンシル渡邉利三寄付奨学金をいただいたことがきっかけです。米日カウンシルの事業の一環としてTOMODACHIの存在を知り、「日米の若い世代が相互理解を深め、次世代の関係を築いていく取り組み」という印象を持っていました。もともと高校生のころから日米関係やアメリカの歴史に関心がありましたが、留学中に参加したリーダーシップ研修で日系アメリカ人の歴史について学び、さらに関心が深まりました。研修中に、米日カウンシルの米国側スタッフの方とお話する機会があり、「将来は日米関係に関わる仕事がしたい」とお伝えしたところ、日本にもTOMODACHIのインターンシップがあることを教えていただきました。すぐに応募し、帰国後の2023年5月から東京オフィスでのインターンを始めました。
どのようなお仕事をされているのですか?
主に翻訳や事務作業、夏に始まるプログラムの広報ポスター作成や事前調査などを担当しています。特に印象に残っているのは、2024年夏に行われたTOMODACHI Toshizo Watanabe Leadership Programに関わった経験です。全米日系人博物館を訪れる高校生の参加者に対して、渡航前研修の一環として日系アメリカ人の歴史に関するレクチャーを行い、私自身がアメリカ留学中に実施した日系アメリカ人へのインタビュー映像を紹介したり、クイズ形式で学べる場を提供したりしました。自分がアメリカ留学のための奨学金を通じて支援を受けた渡邉利三氏がご支援しているプログラムに、今度はインターンという立場で貢献できたことは、非常に感慨深かったです。
また、インターンを始めた初年度には、年次報告書(Annual Report)の作成にも携わりました。多くの関係者と調整しながら、締切を守って緻密な作業を進める必要があり、大変な面もありましたが、その分やり遂げたときの達成感は大きく、自分の成長を実感できる経験となりました。
インターンを通して得た学びや気づきはありますか?
インターンを始めるにあたって、最初から明確な目標を設定していたわけではありませんでしたが、「多様な人と出会えるこの機会を通して、自分が将来どのように日米関係に関われるのかを考えてみたい」という思いがありました。
実際に業務を進める中で、ビジネス・アドバイザリー・ボードやアニュアル・カンファレンスなどにも参加することができ、ビジネスや政治の現場、アカデミアの世界で活躍されている方々と直接お話する機会を得られたことは、自分の視野を大きく広げてくれました。日々の業務の中でも、スタッフの方々から多くの刺激を受け、インターンとしての経験が将来のキャリアを考えるうえでの土台になったと感じています。この経験を通じて、これまで漠然としていた「日米関係に関わる仕事をしたい」という思いが、より具体的なキャリアビジョンへと結びついたことが、一番の学びだったと思います。
今後のキャリアについてはいかがですか?
今は大学院の修士課程に在籍していて、修了後には博士課程に進む予定です。その先、日系アメリカ人に関する研究を続けて研究者の道に進むか、人権問題に関わる国際機関で働くか、どちらの方向にも関心があります。米日カウンシルのプログラムに参加したことや、TOMODACHIでインターンとして関わった経験は、そうしたキャリアを考えるうえでの大きなきっかけになりました。これからも、自分らしい形で日米のつながりに貢献していけたらと思っています。