TOMODACHI アラムナイ・ ハイライト:成澤みく氏(TOMODACHI次世代サミット2024より)
今月、注目のアルムナイは、TOMODACHI Next Generation Summit 2024のピッチコンテストでスピーチを行った成澤みく氏です。成澤氏は、2013年に行われた「TOMODACHI レインボー・フォー・ジャパンキッズ(Rainbow For Japan Kids)」のアラムナイです。
また、現在、東北大学大学院環境科学研究科の博士課程に在籍し、海洋環境人類学と沿岸資源管理における環境倫理の研究を実施しています。また、海藻専門家と共に環境保護と資本創出を両立させる新たな海藻養殖事業を海外で展開しており、国連気候変動会議(COP28)ではパラオ共和国の海洋顧問を務めています。
皆さん、こんにちは。成澤 みくと申します。私はOdyssey Nature Japanの創設者兼共同代表であり、日米カウンシルのメンバーです。13年前の東日本大震災直後の2013年、中学生だった私はTOMODACHIイニシアチブの最初のプログラムである「ハワイ・レインボーキッズ・プロジェクト」に参加しました。現在は、Odyssey Nature Japanという団体を運営しており、インタラクティブな環境学習を通じて、子どもたち(小学生から大学院生)、そして社会人に向けて、持続可能性をテーマにした自然体験型教育プログラムを提供しています。
今年、Odyssey Nature JapanはTOMODACHIイニシアチブとハワイ日系文化センターと提携し、TOMODACHIの最新プログラム「TOMODACHI Kibou for Maui Program」を実施しています。昨年、山火事の被害を受けたマウイ島ラハイナの高校生21名を東北に招待しました。このプログラムのカリキュラムは、日米カウンシルのメンバーである川浪陽氏、行徳・ネイト氏、そして私の共同作業の成果です。この1週間のプログラムでは、彼らがラハイナに持ち帰り、希望をもたらすための重要な要素を、特に私の地元である東松島市の東北地方の復興プロセスから学ぶことに重点を置いています。「ハワイ・レインボーキッズ・プロジェクト」への参加は、私の視野と視点を大きく広げました。津波で全てを失いましたが、故郷とハワイの自然は、強く生きるための人生の教訓を教えてくれました。マウイ島で火災が発生したとき、私たちが受けた恩返しをする番だと感じました。このような若者への新たな機会は、悲劇的な出来事を経験した人々にとって非常に重要であると確信しました。
最後に、話題を変えて、私の現在の活動と、今私が情熱を注いでいることについてお話します。Odyssey Nature Japanの創設者であると同時に、私の本業は海洋環境人類学の研究です。過去2年間、受賞歴のある海藻養殖家/専門家の相澤太氏と協力して、海外政府と共に海藻養殖による新しいブルーエコノミーモデルの実装に取り組んでいます。海藻は、光合成を通じて二酸化炭素を吸収し酸素を放出することで、気候変動への適応と緩和に重要な役割を果たし、より豊かな海洋生態系を創出します。さらに、海藻は食料供給、動物飼料、バイオ燃料、バイオ肥料の優れた代替品となり、気候変動へのレジリエンスに貢献します。
私たちは今、気候変動のような頻繁な自然災害や急速な環境変化を経験する社会に生きています。健全な自然と持続可能な環境がなければ、イノベーションは起こりえず、国の安全や食料を守ることもできないと私は信じています。行動すべきは今であり、次の世代を待つべきではありません。
Odyssey Nature Japanは、自然体験型学習を通じて環境倫理にアプローチし、海藻養殖で新たな資本を創造するための批判的思考スキルの育成に重点を置いています。教育は、リーダーシップであれ、自然災害や気候変動への適応であれ、信頼できる社会を構築するための礎です。若いリーダー、若者、そして多様なコミュニティをエンパワーメントすることは、より包括的で持続可能な未来を確実なものにします。
ありがとうございました。
今回のアラムナイ・ハイライトは、TOMODACHIプログラムのインターン生であるカサス石井愛育子が翻訳しました。