プログラム参加者・TOMODACHIアラムナイに聞いてみました!:フェリックス・ガルシア氏
マサチューセッツ大学ボストン校で情報技術の学士号と日本語の副専攻を取得したフェリックス・ガルシアさんにインタビュー調査を実施しました。フェリックスさんは、ボストンで開催されたTOMODACHI 大和ハウス学生リーダーシップ会議のアラムナイです。フェリックスさんは、国際協力に深い興味を持っており、学問と自身の経験から技術、倫理、社会正義の共通点を追求しています。技術業界や社会における多様性、公平性、包括性(DEI)を推進する強い関心を持ち、特に技術がどのように文化的・体系的な不平等を対処できるのかについて興味を持っております。
現在、フィリックスさんはボストンで、AIを活用し、学生の高等教育機関への深い関わり合いを高め、学習成果を向上させる教育におけるテクノロジーのスタートアップ企業に勤めています。TOMODACHIへの関わりや大学生でのリーダーシップの経験からフェリックスさんは、現在、ニューイングランドのTOMODACHIアラムナイ地域代表として活動をしています。仕事とTOMODACHIへの支持を通して、彼は肯定的な変化を促し、より包括的で公平な世界を構築することに貢献しています。
質問: TOMODACHIアラムナイ地域フレームワークに携わるようになったきっかけについて教えてください。
大学時代、ITを学ぶ上で、日本語と文化に興味を持つようになりました。日本語講座を受講したり、日本の文化イベントに参加したりしました。また、日本語クラブにも参加し、後に、UMass Bostonの日本語クラブの会長となりました。教授からTOMODACHIプログラムについて教わり、Daiwa House Leadership Programに応募した結果、採用されました。プログラムへの参加は素晴らしい経験となりました。
コロナ禍では、TOMODACHIのアラムナイと再会し、TOMODACHIアラムナイ地域フレームワーク(TRF)に参加しました。Breonna TaylorとGeorge Floydの殺害によって生まれた2020年の人種差別と公民権運動は、米日カウンシルのCritical Conversationsシリーズに参加するきっかけとなりました。また、この経験を通して、TOMODACHIコミュニティへの参画を促し、TOMODACHIにより深く関わるきっかけとなりました。
質問:フィリックスさんに対し、TOMODACHIはどのような意味が込められていますか?
TOMODACHIは、いろんな意味が込められますが、私にとって、TOMODACHIは「コミュニティ」を表しているのではないかと思います。それは、多様な文化背景を持つ人が、異文化交流への情熱を共有し合える場所だと思うからです。TOMODACHIと深く関わることが次世代への投資であり、日米関係を強化し続けるものだと感じています。
質問: あなたのコミュニティ内の課題は何ですか?また、TOMODACHI/USJCはこれらの課題に対処するためにどのような機会を提供できると思いますか?
米国のBI-POCやその他のマイノリティは、社会的移動、住宅、教育、投票権、雇用などの課題に直面しています。このことから、米日カウンシル(USJC)が果たせる役割について考えさせられました。USJCは、主に日米関係に焦点を当てていますが、マイノリティが抱える問題も包括的に解決できると思います。歴史的に、日本人や他のアジア系アメリカ人は、公民権と擁護活動において、黒人やブラウンコミュニティと連携してきました。USJCは、コミュニティの組織化と包括的な政策を通して、恵まれないグループに支援を与えています。一例として、先住民の学生との取り組みからUSJCがどのように貢献できるかを示しています。また、組織が無意識のバイアスに対処し、採用などの分野で包括的な実践を実施することも重要です。
質問: 地域代表としての経験は、あなたの職業的・個人的な成長にどのような影響を与えましたか?
現在、地域代表を務めているため、今でも私に大きな影響をもたらしています。特に、ネットワーキングや人間関係構築スキルを伸ばすことができたと思います。この役割に就くことで、他のアラムナイだけでなく、予想以上に多くの専門家や組織とつながりを築くことができました。そして、異なるプログラムからのアラムナイとも関わることができました。他者とのつながりをサポートすることに、非常にやりがいを感じています。
質問:ニューイングランド地区のTOMODACHIアラムナイ地域代表としての経験で、印象に残っていることを教えてください。
今年の印象的なイベントは、ラーメン店で開催した新年会でした。参加者の多さに感銘を受けました。イベントでは、活発な会話を交わし、共通の話題を見つけることができました。新年会でのエネルギーは非常に活気に満ちていて、プログラムを継続するモチベーションになりました。とても素晴らしい経験でした。
質問:TOMODACHI Daiwa House Student Leadership Conferenceの参加者として、TOMODACHI地域フレームワークにどのように貢献しましたか?
プログラム中、全国各地から集まった熱心な日本人・アメリカ人学生と出会い、アメリカ・日本の業界専門家との交流もできました。日本の文化や日米関係に対する新しい視点を得ることができたため、刺激的でした。この経験から自身のネットワーキング、プレゼンテーション、リーダーシップスキルの基盤を築くことができ、現在、職業的にも地域代表としての役割においても、非常に役立っています。
質問: 地域代表として、どのように地域のTOMODACHIアラムナイとネットワークを促進しましたか?効果的なアプローチはありましたか?
このことについてよく考え、様々なアプローチを試みました。イベントを主催する際には、複数のプラットフォーム(LinkedIn、メール、Facebook)で告知しました。また、個人でのアウトリーチを行い、個々のアラムナイと1対1でコーヒーチャットを行い、ネットワークを築いています。これらのアプローチは、成功を収めていると言えます。また、ボストン日本協会やJET Alumni Associationなど、ミッションが一致する組織と提携し、アラムナイ向けの機会を作成し始めています。カジュアルな空間を作り出すことで、最も魅力的な体験を育むことができると思います。
質問: TOMODACHI アラムナイ地域フレームワークは、スキル構築イベントを強調していると思います。アラムナイが身に付けるべきスキルと、プログラムがどのようにこれらの取り組みをサポートしているかを教えてください。
地域によって異なります。それは、異なる地域にはいろんなニーズがあるからです。例えば、一部の地域では、大学に在学している学生がネットワーキングや就職活動に役立つスキルを必要としているかもしれません。一方、ニューイングランドなどの地域では、キャリア開発に焦点を当てた専門家がすでにいます。アプローチは、地域のニーズに合わせて調整する必要があります。
質問:情報技術とビジネスインテリジェンスのバックグラウンドを持つことは、TOMODACHI地域代表としてどのように役立ちましたか?
技術の中で、私は特にデータやアジャイル手法に興味を持っています。アジャイル手法はコラボレーション、フィードバック、柔軟性に基づき、迅速に適応することを強調しています。データを使用し、意思決定を導き、メールの開封率、イベントの参加率、SNSの反応率などのエンゲージメント指標を追跡しています。イベント後のアンケートを通じて、フィードバックを収集することも、改善に役立ちます。地域のアラムナイがどこに居住しているのか、どの業界に勤めているのかなどを理解することで、アクセスしやすいイベントを計画するのに役立ちます。データに基づく意思決定は不可欠であり、私はこのアプローチでTOMODACHIをさらにサポートすることを期待しています。
Q: USJCのオードリー会長や日本領事館、日米協会とのさまざまなイベントの経験について、特にニューヨークでのアラムナイイベントで日本領事館と協力した際の感想を教えてください。
当初、日本領事館と協力することになるとは思いませんでしたが、TOMODACHIがそのような機会を与えてくれました。アラムナイとつながることで、領事館を紹介していただき、メールのやり取りを重ねた結果、コラボレーションを開始することができました。初めは、緊張しましたが、領事館のスタッフはアメリカ文化に精通しており、非常に協力的でした。領事館やボストン日米協会などのミッションが一致する組織との関係構築は、とても印象的でした。日米関係を強化するためのコラボレーションができて嬉しく思います。USJC会長のオードリー・ヤマモトさんやボストン総領事とのつながりに非常に感謝しています。
質問: 現在のグローバルな課題を踏まえて、TOMODACHI アラムナイ地域フレームワークがアラムナイのニーズをよりよくサポートするためにどのように改善すべきですか。
アジャイル手法を技術以外の分野にも適用し、柔軟かつ変化に対応できるようにするためのフレームワークは不可欠です。指標を追跡し分析することで、データに基づいた意思決定を行い、SNSを通じて効果的なエンゲージメント戦略を開発しています。地域フレームワークと米日カウンシルを統合することで、アラムナイのつながりを強化し、より積極的な参加を促進できると考えています。米国と日本の広範なネットワークを活用し、日米関係を大いに向上させるための協力の機会があると考えています。
質問:TOMODACHIとの関わりを振り返り、プログラム内でのリーダーシップの役割を引き受けようとしている現在のアラムナイや将来のアラムナイにどのようなアドバイスを与えますか?
私のプログラムからリーダーシップの役割を引き受けたメイソンやユカリのような人たちを見て、刺激を受けています。プログラムの仲間とのつながりを維持することは大切です。どこにそのつながりが導くかわからないからです。また、TOMODACHIのニュースや告知に常に目を通しておいてください。イベントに参加することで素晴らしい人々との出会い、新しい可能性が広がります。そして、ニュースレターに登録し、SNSをフォローし、アラムナイに連絡を取ってみてください。イベントやカンファレンスに参加することで、新たな機会が開けるでしょう。
このインタビューは、2024年8月26日にエリアナ・ピソンズによって行われました。現在、エリアナはTOMODACHIプログラムのインターンです。