TOMODACHI J&J 災害看護研修プログラム2023: 事後研修(9月)とイベント(10月)を開催
2023年9月23日と24日に「TOMODACHI J&J 災害看護研修プログラム」の事後研修が兵庫で行われました。 1日目の午前中は、人と防災未来センターを訪問し、阪神淡路大震災について様々な展示物や映像を通して、当時の様子や震災を経て街が取り組んでいる防災の知恵や活動について学びました。プロジェクト発表会で発表するテーマのヒントとなる資料が多くあり、参加生は熱心にメモを取ったり、資料を持ち帰ったりしていました。
午後は、淡路島にある野島断層保存北淡記念公園を訪問しました。ご自身も震災経験者である野島断層保存館の館長様から、北淡地域の震災についてご講話頂きました。
館長様の当時の様子が目に浮かぶように鮮明な描写と、力強く感情のこもったお話に、参加生は心を打たれていました。
2日目は、兵庫県立大学地域ケア開発研究所を訪問し、避難所に関する講義を受けた後、机上での避難所設営、シミュレーションをふまえた避難所運営体験を行いました。
限られた資源と設備の中、全員を非難させることが出来ない状況で、誰をどこに避難させるのかという決断をするために、参加生はチームに分かれて様々なディスカッションを行いました。また、避難所運営体験では、参加生がそれぞれ役割を担い、次々と運ばれてくる被災者の対応をシミュレーションしました。参加生の米山真優氏は、「倒れた方がいた時に誘導がいたので、すぐに対応したが、救護を呼んでからも搬送に時間がかかってしまい、役割分担が難しかった。専門性の高い分野とそうでない分野との境目が難しかった」と苦労した点を述べました。
事後研修を終えた約1カ月後の10月21日に、東京にあるジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社本社で、プロジェクト発表会を開催しました。本プログラムは座学や体験学習だけでなくて、学んだことをアウトプットとして、コミュニティに還元することを目標にしています。そのアウトプットの方法として、参加者には「プロジェクト」を考案、実施してもらっています。プロジェクト発表会では、学生のチームごとによる発表に加え、2021年プログラム参加生の根岸氏が立ち上げた日本災害看護学会学生会による防災ゲーム、米国研修で訪問した米国ニュージャージー州にあるラトガーズ看護大学のマーガレット・クイン氏によるビデオ講演、3.11メモリアルネットワークとピースウィンズ・ジャパンによる対談を行いました。
参加生の集客の努力により、当日は、オンラインと対面参加者を合わせて70名以上の参加登録がありました。
参加生の石津舞桜氏は発表会を振り返り「学生が主体となって企画から当日の運営まで取り組んだこの2ヶ月半は、私たちにとって大変貴重な経験となりました。事前研修、米国研修、事後研修を通して学んだことや伝えたいことを50分間に詰め込み、さらに参加者のニーズに沿った内容に仕上げることは簡単ではありませんでしたが、ディスカッションと修正を繰り 返しながら、少しでもより良いものに近づけられるようチームでプロジェクトを進めていく時間はとても楽しいものでした。当日、無事にプロジェクトを終えることができた達成感は忘れません。」と述べました。
プログラムも残すところ1カ月となり、参加生は集大成の発表となる12月10日の最終報告会へ向けて着々と準備を進めています。