プログラム参加者・TOMODACHIアラムナイに聞いてみました!:マシュー・ウィンダーズ氏
今回は、2022年にBuilding the TOMODACHI Generation: Morgan Stanley Ambassadors Programに参加したマシュー・ウィンダーズ氏へのインタビューです。現在、ニューハンプシャー大学(UNH)マンチェスター校の学生で、公共サービスと非営利組織のマネジメントを専攻しています。
ウィンダーズ氏は、公共サービスへのコミットメントに強い情熱を持っています。多様な文化や目的を持つ数多くの組織でボランティア活動を行い、数々の経験を積んできました。現在、彼は市の信託基金の管理人の一人であり、市の資金の適切な充当、投資、奨学金、基金要請を扱っています。2023年4月、ふるさとであるロチェスター市との関わりを通じた地域社会への貢献が認められ、ニューハンプシャー大学長よりリーダーシップ賞を受賞しました。彼は長年にわたり、少なくとも6つの選挙でロチェスター市書記局を支援してきました。キャリアにおける最終的な目標のひとつは、進歩的で協力的な組織でユニークな人材となることです。
Q1. インタビューでは、「公共サービスへのパッション 」について、語られました。何がきっかけでこのような情熱を持つようになったのか、教えてください。
2016年9月10日は私にとって忘れられない日です。この日は、マンチェスターで初めてゲイプライドのイベントが開催された日でした。その頃、私は本当に落ち込んでいて、何が起きているのか、何をしたいのか、自分を表現するのに苦労していました。とても悲しく、落ち込んでいました。友人と一緒にこのイベントに参加したのですが、このような問題を本当に危惧している組織や、私と同じような人たちがいることを知り、コミュニティーの感覚に驚かされました!そのときから、このイベントを開催している団体に参加する必要があると感じました。そこで、ロチェスター・メインストリート理事会と知り合い、理事に連絡を取り、「どうすればこの組織に参加できますか」と尋ねました。ディレクターは、学生代表を探していると言いました。当時、私は高校1年生でした。私は役員になることを決めました。16歳ということで緊張しましたが、最高でした。
非営利団体のリーダーシップについて多くのことを学び、多くの人脈、生涯の恩師、友人を得ることができました。そこから、さまざまな機会を得て、理事会では本当にたくさんのことをすることができました。清掃活動や地域イベントの運営を手伝ったり、ボランティア活動をしたり、インタビューを受けたりしました。そして、私を歓迎してくれたコミュニティに、たくさんの恩返しをすることができたのです。
Q2 公共サービスが、若い世代が参加すべき重要なテーマだと思うのはなぜですか?
参加することでコミュニティをより良い場所にすることができるからです。グレートベイコミュニティカレッジや私が通っていたミリタリースクールでは、どちらも学生自治会がありましたが、UNHにはありませんでした。そこで、多くの学生や教員と協力して、学生自治会を作りました。10ヵ月後、私は初代会長になりました。学生の安全のためのフォームを作成し、入学事務局と協力してより利用しやすい座席を確保し、学生の声が聞こえるようにしました。私の大学の学生自治会は、私たちが参加したことで始まりました!以前はなかったのですが、学生たちが声を上げてくれたおかげで、これを変えることができたのです。もし私たちが参加しなければ、物事を変えることはできなかったのです。
若い世代は、コミュニティにとって、また自分自身にとってどんな利点があるのか、教育されるべきだということを強調したいです。公務員になる人は、百パーセントそれに専念し、他のことは目も触れない、というスティグマがあるように感じますが、私はそれに反対です。なぜなら、他人を助けるためには、自分自身に専念する必要があるからです。他者に与えるばかりで、自分を大切にしない人は、いずれ燃え尽きてしまうと思います。コミュニティによりよく貢献するために、余裕を持ち、自分自身を大切にしなければならないのです。
Q3 公共サービスに興味がある人へのアドバイスはありますか。
まず、あきらめないでください!いつも多くの関係者と一緒に仕事をしなければならないし、承認を得るのに時間がかかることもあるので、時には本当にストレスがたまるし、悲しいこともあるかもしれません。でも、あきらめなければ、物事を実現することができるので、あきらめないでください。2つ目は、ネットワークを広げることです。アメリカでは、多くの理事会や委員会が常に若い人を求めています。もし地方行政に興味があるのなら、街の広報担当者に連絡を取れば、教えてくれると思いますし、地元のNPOに連絡を取ることもできると思うので色々な人たちと繋がることが大切です。また、非営利組織を調べて、自分の価値観に合った団体を見つけることもできます。自分のやっていることに情熱を持って取り組むことは、とても大切なことです。
Q3 今後の目標について教えてください。
大学院に進学し、MPA(行政学修士)を取得したいと思っています。
私が情熱を持って取り組んだプロジェクトのひとつに、EFC(Estimated Family Contribution)に関するものがあります。EFCとは、連邦政府による学生資金援助の受給資格を判断するための指標となる数値です。アメリカでは、連邦政府から番号をもらい、それを多くの奨学金に提出することで、経済的な必要性を判断することができるのです。以前はEFCだけを見て経済的必要性を判断していましたが、EFCの計算方法は必ずしも正確ではないため、実際にはそうでないにもかかわらず、学費の支払い能力を誇張してしまう可能性があります。
そこで、特別な事情を説明できるように、それを記入するフォームを作りました。その過程で、私は関係者から何度も「ノー」と言われ、承認が必要だと言われました。一歩進んで二歩下がるような感覚に陥ったこともありましたが、最終的には実現することができました!自分の力で実現できたことが本当に嬉しかったので、今後もこのようなことに携わっていきたいと思っています。
Q4 TOMODACHIのプログラムでは、チームでプレゼンを作成されたそうですが、その内容について詳しく教えてください。
私は、「チーム・ミライ・イノベーターズ」の一員でした。このプロジェクトでは、日本の女性にメンタルヘルスについて情報提供し、さまざまなリソースを提供することに取り組みました。私たちは、20歳から30歳の日本の女性の60%が、メンタルヘルスに関する議論や他人との交流がオープンにされていないために、日常的に孤独を感じているという問題を指摘し、彼女たちがメンタルヘルスについて学び、議論するための安全で受け入れやすい場を作るためにこのプロジェクトを考え出しました。今、アメリカでも日本でも、メンタルヘルスはとても大きな問題になっています。どちらの国でも、この問題には多くのスティグマが存在します。私たちの目標は、同じような問題や状況を抱える人たちを集め、コミュニケーションを図り、一緒に乗り越えていくことでした。
Q5 あなたにとって「TOMODACHI」とは?
TOMODACHIのアイデアは、2つの文化を結びつけ、異なる国の人たちと一緒にプロジェクトに取り組むというもので、とても気に入っています。日本の学生が自分たちの状況や国を説明したとき、私たちの国はとても違うけれど、共通項もたくさんあるので、とても興味深かったです。これからもTOMODACHIの活動に参加したいです。