TOMODACHI-STEM Women’s Leadership and Research Program報告会
3月27日、日本の大学で理工系分野を専攻する女性の大学生10名を対象とした、5週間にわたる米国での研究インターンシッププログラムの成果を発表する報告会が行われました。2月から3月にかけて米国での研修を終えた10名のうち9名が、プログラムを支援するダウ・ケミカル日本株式会社を訪問し、プログラムの内容やプログラムを通じての気づきについて報告したプレゼンテーションには、社長のPatrick McLeod氏をはじめ、対面とオンラインで64名の社員が出席しました。
学生の自己紹介から始まり、米国滞在中の研究外活動の一環としてダウ・ケミカル社のテキサス州のエチレン生産プラントへ訪問し、ポリエチレン工場とパックスタジオを見学した際に感じた気づきを発表しました。「製品面以外にも、試験に使用した材料のリサイクルやエコフレンドリーからエコ サステナブルへの移行していることから、地球環境保全・社会貢献も配慮している」、「研究者と開発者の連携が商品開発や製造において鍵であると考え、その点に力をいれている」と話しました。
アメリカの研究室生活での具体的な研究テーマやさまざま議論を通して結論を導き出した経験を説明しました。研究室内外でコミュニケーションが豊富だったことに触れ、教授やメンターとのプレゼンテーションに向けたミーティング以外にもランチを食べながら研究の進捗を報告したり、金曜日の夜に同じ分野の人たちの研究をテーマにしたカジュアルな集まりがあり、お酒を飲みながらの会話からもヒントが生まれたり、コラボレーションのアイデアが生まれたことがあったとのことでした。大学の外でも、イベントが多く、例えばヒューストンではロデオのイベントに街の人たちが集まり一体感を感じたり、住民の所属するコミュニティーへの愛を感じることが多かったそうです。
今後のキャリアにつて、学生たちはアメリカ滞在中のディスカッションを通して、感じたことを共有しました。アメリカでは博士研究員(ポスドク)の女性たちで結婚し子育てをしている人が圧倒的に多くいました。子育てに対する周りの理解もあるようですが、支援が行き届いていない部分もあり、ミーティングでは支援の必要性についても取り上げられていたようでした。教育システムとしても、アメリカでは大学や研究室が資金援助をしていたり、ラボのローテーションを通して各自がどのような研究をしていきたいか多くのことを体験できる機会が充実していました。
約一ヶ月のアメリカ滞在で、多くの気づきが得られるプログラム成果に学生たちは感謝の気持ちを改めて述べていました。今後のこの学びをどのように活かしていくかについて、「理論物理学の最先端を行くアメリカの大学院へ進学したい」、「アメリカで得た新たな視点を活かして、さらに研究を深めたい」、「インターンなどの機会も活かして産業に携わりたい」などさまざまな今後のキャリアを思い描くきっかけとなったようでした。
日本とアメリカの比較から研究社会における女性支援について学び、さまざまなライフイベントがある女性にとって、研究人生を諦めないようなサポートを多く知り、利用し、改善したいと考えたとのことです。
最後は、社員からの学生への質疑応答を行いました。また、ダウ・ケミカルのERGグループ(Employee Resource Group)のメンバーより社内でのダイバーシティの促進について説明を受け、インクルーシブな社会を作る取り組みや、