災害看護研修プログラム最終報告会
2022年12月11日にTOMODACHI J&J 災害看護研修プログラムの最終報告会がオンラインで行われました。
米日カウンシル事務局長の津田順子氏による挨拶で開始し、プログラムに参加した学生の代表を務めた、稲吉光里氏、佐藤陽羽氏、久松遥氏が、学年やバックグラウンド、将来の目標も違う学生たちが集まり、6か月間のプログラムで学んだ事を発表しました。
本年度の6ヶ月間の災害医療分野におけるリーダーの育成プログラムでは特に、災害などに巻き込まれた患者を物理的に看護するだけでなく、対応者である自分自身をケアし、災害に関わるすべての人たちの感情的・心理的ダメージをケアすることを目的としています。
9日間のアメリカ研修は、残念ながら新型コロナウイルス流行の影響でオンラインでの実施となってしまいました。災害の場面では先ず命を守るということが一番重要で、止血帯がない場合や、各医療チームにどのような情報を伝えればいいのかを学ぶことで実践的な知識を身につけました。セルフケアについて学ぶ際、医療従事者が自身に目を向けることで緊張感のある現場での高いパフォーマンスを維持することができ、それが適切な被災者へのケアにつながるということを学びました。
6か月間の盛りだくさんのプログラムでは、毎日新しいことを学ぶインプットが続きましたが、内閣府主催の防災イベント「 ぼうさいこくたい」での展示とプレゼンテーションを通して、学んだことを来場者に伝えるというアウトプットも実践しました。また「ぼうさいこくたい」プロジェクトは先生方のアドバイスを受けながら学生が計画から準備、実行までを行い、プロジェクトマネジメントも学びました。
香川美咲氏、吉田理紗氏はそれぞれ、プログラムに参加したことによって、同じ志をもつ新たな仲間との繋がりを作れたこと、一人ひとり違うリーダーシップの取り方があり、自分なりのやり方でリーダーとして先導できると実践を通して学んだことを発表しました。
メンターとして6か月間、学生の成長を見届けた看護大学の先生は、「看護師、助産師、保健師としてそれぞれのキャリアの中で、どう具体的に取り組んで行くか考えが深まったのではないか。それぞれの取り組みの実現に向けて頑張っていただきたいと思います」、と学生にエールを送りました。
チルドレンズ・ナショナル・ホスピタルのKelly Williams 氏は、プログラムを振り返り、このグループはとてもフレンドリーで、それぞれの活動に参加してくれたので、毎朝ログインして、その日の質問やコメントを見るのが楽しみだったことを話しました。 また、このプログラムの目的は、災害軽減、準備、対応、復旧について学生を教育することですが、学生はファシリテーターやプレゼンターにも貴重な教訓を与えていたと、双方にとって有意義なプログラムであったと振り返りました。
2期生でアラムナイの石川理那氏は数年前のプログラムの学びが活かされ、現在のキャリアに発展した経験を分かち合い、参加者を激励しました。
プログラムの実施をサポートいただいたジョンソン・エンド・ジョンソン アジアパシフィックにてコミュニケーション&パブリックアフェアーズのバイスプレジデントを務めるAndrew Wheatley氏も学生たちにメッセージを寄せ、今後、何を成し遂げ、どのようなキャリアを歩んでいくのか、これからも見守りたいと話し、このプログラムを成功させるために貢献してくれたメンターや協力団体など多くの人々への感謝の言葉を述べました。