プログラム参加者・TOMODACHIアラムナイに聞いてみました!:赤尾輝紀氏
赤尾輝紀氏は2016年に実施されたBuilding the TOMODACHI Generation: Morgan Stanley Ambassadors Program のアラムナイです。2016年9月に同志社大学経済学部を卒業後、2017年10月に英国サセックス大学開発学研究所(IDS)よりジェンダーと開発修士号を取得しました。2017年12月より、国際開発コンサルタントとして主に日本の政府開発援助(ODA)に携わり、これまでマレーシアやバングラデシュ、カンボジア等を対象としたジェンダーや保健、教育分野の業務に携わっています。
このインタビューは、2021年10月16日にTOMODACHIアラムナイ・インターン(2021)の鈴木真宝(東京)によってオンラインで行われました。
1. TOMODACHI プログラムに参加したきっかけは何ですか?
一つ目は、東日本大震災後の東北について理解を深めたいと思ったからです。震災が発生したのは、私がプログラムに参加する約5年前でした。震災直後は人々の関心を集めていたものの、時間が経つにつれてニュース等で取り上げられることも減っているように感じていました。そのため、震災後の東北の復興について考える本プログラムに参加し、東北の現状や課題について学びたいと考えました。二つ目は、社会課題に対するマルチセクターでの協働に関心があったからです。私は特に市民社会の役割について関心を持っていましたが、複数のセクターを巻き込みながら東北の復興について考えるという本プログラムのテーマにも関心を持ち、応募を決めました。
2. プログラムの中で印象に残っていることは何ですか?
最も印象に残っているのは、グループワークです。2週間のプログラムのうち、半分が東北の課題に対するプロジェクトのためチーム作業に充てられました。私たちのチームは、被災者のメンタルヘルスに関する課題(震災後の孤独や鬱など)をテーマとしました。非常に限られた時間内での課題設定や、巻き込むべきアクター、予算、タイムラインなど、毎日夜遅くまでチームで話し合いをしたことを覚えています。「Networking Reception」も経験したことがなく少し苦手意識さえあったのですが、民間企業や国際機関、NGOなど様々な業界の方とお話しさせていただき、貴重な情報交換・交流の場として捉えられるようになりました。
チームメンバーとの作業の様子
3. プログラムに参加してから自身の変化はありましたか?
プログラムでのグループ作業を通して、チームでの作業の進め方について学ぶことができました。グループ作業は、初めは必ずしも円滑に進んでいるとは言えない状況でした。しかし、チームで一緒に過ごすうちに英語が得意な人やアイデアを出すのが得意な人等、それぞれの特徴が明らかになってきました。そのような特徴を活かしつつ役割分担をしたことで、チームとして効率的に作業を進められるようになりました。本プログラムの後に参加した日本でのインターンシップにてチームリーダーを任されたことがありましたが、上記の経験はその時にも活かすことができました。 また、プログラム中には、自分の強みを見つけるための「Strength Finder assessment」という特性診断がありました。私の強みは「Anaytical」で、課題の原因や理由をエビデンスに基づき分析することでした。これは現在の仕事でも必要とされるスキルであり、自分の強みや考え方の傾向について知れたことは自信につながりました。
4. 現在、どのようなお仕事をされていますか?
国際開発コンサルタントとして、主に日本のODAプロジェクトに携わっています。開発途上国の現場に赴いて調査や技術協力などを実施すること、またそれらを報告書として整理することが主な仕事です。コロナ禍や現地情勢の影響を受けて渡航が困難な状況もあります。業務では課題分析力や論理的思考力のほか、プロジェクトチーム内で自分に求められる役割を理解し、実行するチームワークのスキルも大切だと感じています。この点において、TOMODACHIプログラムでの経験が活かされているように思います。
チームメンバーとの集合写真
5. 赤尾さんにとってTOMODACHIとは?
アラムナイ同士の繋がりを拡げ、お互いに高めあうことができるコミュニティだと感じています。コロナ禍となる前には日本各地でBTG programのアラムナイが集まる機会もあり、様々な年代・分野のアラムナイと知り合うことができました。また、毎月のニュースレターなど、各分野でアラムナイの活躍を知ることができ、いつも刺激を受けています。プログラムが終わってから既に6年以上が経ちますが、今でもTOMODACHIとの繋がりが続いています。