プログラム参加者・TOMODACHIアラムナイに聞いてみました!:熊澤 帆夏氏
熊澤帆夏氏はTOMODACHI女子高生キャリアメンタリングプログラム2018のアラムナイです。2022年3月から春・夏期のTOMODACHIアラムナイ・インターンとして活動しています。福島県出身。アラムナイとして、TOMODACHI世代グローバル・リーダーシップ・アカデミー2021に参加しました。それらのプログラムでの出会いを通して、固定概念に囚われない多様な考え方、生き方に触れ、インスピレーションを受けました。将来は国際的な機関で人と環境と農業に関連する問題の解決に取り組みたいと考えており、現在、福島大学食農学類に所属しています。
このインタビューは、2022年3月24日にTOMODAHIアラムナイ・インターン(2021)の鈴木真宝(東京)によってオンラインで行われました。
Q1. TOMODACHI キャリアメンタリングプログラム/GLA にはどのように参加を決めましたか?
高校の時に学校で配られた2018年女子高生キャリアメンタリングプログラム(通称:キャリプロ)の資料にあったキャッチフレーズ、「新しい自分との出会い、挑戦」にとても惹かれました。私はこの資料を見る前、高校1年生の時に、ベラルーシ友好派遣団に参加しました。これは、同じ原発事故で被災したベラルーシの政府が、日本の子供達の心身を癒やし、両国の交流を深めるために催したプログラムです。この経験を通して、様々な学びを得ました。帰国後に、もっと沢山の新しいことに挑戦し、自己実現のために活動したいと考えていたため、キャリプロに参加することに決めました。
また、2021年にはアラムナイ・プログラムであるTOMODACHI世代グローバル・リーダーシップ・アカデミーに参加しました。コロナがピーク時に比べ収束し、対面での大学生活にも慣れて、落ち着いてきた頃でしたが、外部の学生や大人の方と交流する機会があまりありませんでした。自分の大学で出会う人だけではなく、より多くの色々な分野で活躍されている人や、様々な視点から物事を考察する人々に出会い、自分の視野を広げたいと思ったので、参加しました。
Q2. キャリプロ/GLA に参加して一番得た学びは何ですか?また、プログラムに参加して、ご自身の考え方に変化はありましたか?
キャリプロでは友人と自分の意見や考えを共有することの大切さと、周りの目を気にせず自分の理想に近づくためのアクションを起こすことの大切さを学びました。私は、もともと「自分の意見や考えを共有しても否定されるのが怖い」「自分に正解を導き出す力はないから、自分は意見や考えを出さない方が良い」と思い込んでいました。しかし、キャリプロでは皆、互いを否定することなく、個々の意見や考えを尊重し、肯定してくれました。このようにキャリプロは自分の意見やアイデアに自信を持ち、それを仲間と共有することで、成長できる環境でした。また、それぞれの意見が正解か不正解かではなく、それぞれにメリット・デメリットがあるのを考慮しながら、発表に向けた話し合いができました。正解を求め、失敗や否定を恐れてしまう自分にとって、ここでの経験はそのような概念を打破し、自分の殻を破る素晴らしい経験になりました。
これらのTOMODACHIでの経験は、現在の大学における国際交流サークルのサークル長としてサークルのメンバーをまとめる際や、イベントの企画・運営の際にとても役に立っています。私はコロナ渦に入学したことから、当初は対面の授業が始まっても、国際交流サークルにおける活動はほとんどゼロに近い状態でした。しかし、私は今までTOMODACHIの活動で学んだことを後輩にも伝えたいと思っていましたし、コロナのせいで成長するはずだった芽を摘ませるような事はしたくないと考え、行動に移しました。そして現在サークル長として、一つ一つの行動に既存の型ではなく、意味合いを持たせて動き、参加者の声や意見をしっかり受け止めそれらをサークルの活動に反映させることができています。
Q3. 現在、大学で農業と環境を専攻していますが、専攻している理由や学んでいる内容を教えて下さい。
私は高校生の時から自分の好きな国際交流や英語のスキルを用いて困っている方を助けたい、という気持ちがあり、国際協力の道に進むことを望んでいました。色々調べるうちに、途上国の子ども達の多くは生きることの根源である食を求めて、子ども達はお金を稼ぐために労働し、盗みを働かなければならない、だから学校へ行けない。という事実を知りました。しかし、農業を行うためには、農業のための環境を整備することがまず大切なのではないか、という考えがあったため、これらを専攻することとしました。
現在はNPO法人ルワンダの教育を考える会でボランティアをする傍ら、福島大学食農学類の学生有志を募り、当会に農作物の売上を寄付するため農家さんの元へお手伝いに伺っています。農作物の販売は私が兼部する農林サークルが週1回行う市場の一角を借りて行っています。
間接的ではありますが、このように農業を通してルワンダの教育に貢献できていると言うことはとても光栄です。今後も継続していきたいと思っています。
Q4. あなたにとって「TOMODACHI」とは?
私にとってTOMODACHIとは、沢山の人とチャンスの出会いを通して、新しい自分に出会える場所です。TOMODACHIはいつも私をポジティブな方向に動かし続けてくれます。私はTOMODACHIに参加する前、周囲の人達に身の丈に合った夢を持つように教えられてきました。海外と関わりを持って働き、活躍できる人はほんの一握りであると。確かに、その言葉が私を思っての言葉であることは重々承知でしたが、その言葉の影響で、自分の考えや夢に対して自信が持てませんでした。しかし、TOMODACHIでの活動の中で様々なジャンルにおいて自分の夢と信念を強く持ち行動する人に出会い、憧れを抱きました。あなたには、あなたの夢を叶えることができると、あなたはやりたいことをする力があるのだと、教えてもらえた時の感動は忘れられません。人を変えられるのは、人との出会いです。だから、私は誰かをプラスの方向に背中を押してあげられるような人になりたいと心から思っていますし、人との出会いを通して自らも成長していきたいです。
Q5. 将来の目標を教えて下さい。
まだ正確に決まっていませんが、自分の専攻や得意なことを活かして人の役に立てる仕事がしたいです。例えば、私は英語と農業や農業環境の整備について学んでいます。そのため、海外協力隊で途上国の人々にその知識を伝える、水や木のために自然環境を保護して活動する食品会社に勤める、子供達に自然保護に関する教育のイベント等ができたら嬉しく思います。憧れの人物像としては、優しさと謙虚さを忘れず、グローバルな視野とローカルに周りを巻き込んで行動できる人です。
Q6. 最後に、今回インターンとして参加した理由とインターンの経験を通してやりたいことを教えてください。加えて、大学生として、今の高校生やもっと若い方達に伝えたいことを教えてください。
私はインターンを通して、伝える力と聞く力を養いたいと思っています。社会のAI化やデジタル化が進む中ですが、私達は互いの意見や考えを伝え、耳を傾け、新たな角度から物事を観察し、今までにない問題解決の糸口を模索し、AIにも負けない素晴らしいアイデアを生み出すことができます。そのアイデアを人と人の意思疎通から生まれる協力やチームプレーによって実現することができると信じています。そして、TOMODACHIアラムナイと英語でのディスカッションを通して、グローバルな視野を手に入れるため、今まで以上に英語力の向上に努めていきたいです。
最後に私は高校生の皆さんに自分の可能性を見いだし、肯定してくれる場所を見つけ、そこで成長してほしいと願っています。今いる自分の場所で上手くいかないと思う人がいれば、自分のビジョンを応援してくれる人達に積極的に出会い、自己実現に向かって、勇気と希望をもち行動し続けてほしいです!沢山の人とチャンスに出会うために行動し続けることを恐れないでほしいです。そして、自分が一歩踏み込んで手に入れたチャンスを活かし、自分の可能性を広げてほしいです。