プログラム参加者・TOMODACHIアラムナイに聞いてみました!:大城和輝氏
大城和輝氏はTOMODACHI 住友商事奨学金プログラムのアラムナイです。プログラムに参加し、アメリカ・ハワイ州ハワイ大学マノア校へ交換留学をしました。沖縄県出身。2022年3月に、琉球大学観光産業科学部観光科学科を卒業。観光学の中でも、観光経済・統計学を専攻し、現在はCWTSato Travelでトラベル・カウンセラーとして勤務しています。4月22日のアースデイにちなみ、観光と環境活動に焦点を当てている大城さんのインタビュー記事をお届けします。
このインタビューは、2021年12月2日にTOMODAHIアラムナイ・インターン(2021)の鈴木真宝(東京)によってオンラインで行われました。
Q1. TOMODACHIプログラムに参加した理由は何ですか?またプログラムで印象に残っていることは何ですか。
私はもともと海外へいくことや英語に興味がありました。小学5年生の時に友達の家に行った際、初めて吹き替えではなく字幕で洋画を見て、英語という言語に触れたことや、友達が英語を話す姿に憧れたことが大きなきっかけです。そこから海外へ興味を持ち、英語の勉強に意欲が湧きました。海外で学ぶことにも興味があった為、TOMODACHIのプログラムに参加する前に、高校生の1年生と2年生の時に短期と中期の海外留学プログラムに参加しました。
TOMODACHIのプログラムは、同じプログラムの五期に選出された同じ大学の先輩と、国際教育課の交換留学担当の方から紹介されました。経済的援助が他のプログラムと比較しても大きいことや、メンターや研修なども他の奨学金プログラムとは比べ物にならないほど手厚いものであったことが参加の決め手になりました。
ハワイで観光学を学ぶ中で「キャリングキャパシティー」という考え方が印象に残っています。この言葉は元々生物学に関する言葉で、「一つ一つの環境には一定の数値があって、その許容範囲を超えると害や問題が出てくる」という考え方です。ハワイでは、人間と環境と生態系のバランスを上手にとり、現地の人と話し合って、地元の方の思いも尊重して環境を観光へ生かしている実例を見て、沖縄でも応用したいと考えるようになりました。プログラムを通して、沖縄の観光の中に「キャリングキャパシティー」を用いることで、持続可能かつ自然に寄り添った開発を行いたいという、観光に対しての自分の考えに大きな影響を与えてくれたように感じています。
Q2. TOMODACHIでのプログラムでの経験で、大城さんの進路や今の活動に影響を与えていることは何ですか?
一番は考え方やものの捉え方が大きく変わったことです。受け身でいるのではなく自らアクションを起こしアンテナを広げていく力、失敗を恐れないこと、これまで出会った人たちとのつながりを大事にすることなど、多くのことを留学生活そしてプログラム中の研修やそこで出会った人たちから学びました。活動や進路では、もっと自分の専門について学びを深めたい、将来的に大学院に進学したいと感じました。また、ハワイやニューヨークなどアメリカ有数の観光地で学びを深めることができた為、沖縄の観光に何が必要なのかを肌で感じることができました。
コロナの影響によりプログラムが途中で中止になってしまい、帰国後も大きなアクションを起こすことは難しい状況でした。しかし、ハワイで勉強していた持続可能な観光を自分の大学での研究や卒業論文に生かそうと努力をし、自分の研究を進めて行く中で、電通沖縄さんとの協力研究をする機会を得ることが出来ました。沖縄県内の企業と県内の大学に通う学生を対象に、アンケート調査を実施し、SDGsに関する認知や取り組みの違いに関して調査しました。結果としては、県内企業の約八割が認知・何らかの取り組みを行っているのに対して、学生は約三割しか行っていませんでした。私たちは初め、学生の方が持続可能性やSDGsに関して身近に感じていると予想していたため、分析を進めるごとに当初の予想とは真逆で、企業の方が積極的に取り組んでいるという事実に驚きを隠せませんでした。
その後は、琉球大学の学長懇談会に招待していただき、そこで調査結果の報告や琉球大学としての今後の取り組みへの提案をしました。また、県内の新聞にも取り上げていただきました。ハワイで観光学における持続可能性について学んでいる途中で帰国を余儀なくされてしまい、不完全燃焼で、もやもやしていた時期にこの調査の話をいただき、ハワイで学んだ知識としての持続可能性と、琉球大学でゼミ活動として学んでいた経済学や統計学を掛け合わせて実際の調査、分析ができたことで達成感を味わえました。
左から:電通沖縄からの代表(2名)、琉球大学学長、琉球大学教授、
TOMODACHI MetLife Women’s Leadership Programアラムナイ知念杏珠氏、大城氏
Q3.プログラムに一緒に参加した同期との思い出はありますか?
同期とは仲が良く、定期的にzoomやソーシャルメディアを通じて交流を深めています。会う時は毎回、近況報告や将来について話すだけでなく、お互いの研究や卒論について意見を交換する、と会うたびに刺激を受けています。
特に印象に残っている同期は、ロサンゼルスで行われた米日カウンシル アニュアル・カンファレンスでの近藤耕太さんです。参加にあたり、「全部のセッションで質問をする」という目標を掲げている姿を見て、彼のように行動力のある人は、常に自分で自分を奮い立たせる努力をしていると感銘を受け、自分も見習いたいと思ったことが強く印象に残ってます。
Q4. 大城さんにとってTOMODACHIとは何ですか?
私にとってTOMODACHIはいろんな意味を持ちます。一つは互いに高め合い、刺激し合える仲間との居場所、もう一つはモチベーションとなる原動力です。ここでの繋がりは一生大切にして行きたいですし、広げて行きたいと考えています。特に、TOMODACHIのプログラムに参加したアラムナイは、自己成長に対して貪欲な人が多いと感じています。自分は安パイや受け身なことが多く、現状に満足してしまうことが多いです。そのため、アラムナイと再会する度に、それぞれが夢に近づいていたりする姿を見ると刺激を受け自分の原動力になっています。
TOMODACHI 住友商事奨学金プログラムのアラムナイと(大城氏は上段の左)
Q5:将来の目標を教えて下さい。
人と人の交流や観光の面で日米の架け橋になりたいです。また観光における持続可能性についても学びを深めたいと考えており、コロナが落ち着き完全にFace to faceの授業スタイルになった時に大学院に進学したいと考えています。
特に、ウチナーンチュ(沖縄人)として、沖縄特有の自然資源や文化、言語(ウチナーグチ)を生かした持続可能な観光を行なっていきたいです。歴史の中で、ウチナーグチは忘れ去られてきました。自分の家族においても祖父母世代がネイティブですが、自身は話すことがあまり出来ないという事実があります。しかし、言語と文化は強い武器であると考えている為、観光に活かし、言語を通して沖縄の文化を守っていきたいと考えています。それに加えて、現在、沖縄の観光は転換点にあると私は考えています。その為、沖縄特有の観光資源を活かした観光を行い「量から質へ」「住んでよし訪れてよし」の持続可能な環境作りをしていきたいと考えています。
Q6:学生や若手社会人、他のアラムナイに伝えたいことやアドバイスをお願いします。
TOMODACHIのプログラムに参加する中で、「恩送り」という言葉がとても印象に残っています。自分だけでなく、アラムナイみんなで協力して、「恩送り」を出来る存在になれるといいなと思っています。自分と同じプログラムにこれから参加する新しいアラムナイをサポートし、アラムナイ同士で出来る「恩送り」から皆で行って行けたら嬉しいです。