TOMODACHIアラムナイがMPower Partnersゼネラル・パートナー キャシー松井氏と村上由美子氏を迎えた「米日カウンシル主催第25回ビジネス・アドバイザリー・ボードミーティング」に参加
2021年10月26日、米日カウンシル主催の「第25回ビジネス・アドバイザリー・ボード ミーティング(BAB)」がオンラインで開催され、TOMODACHIアラムナイ(プログラム経験者)4名が出席しました。当会には、MPower Partnersのゼネラル・パートナーであるキャシー松井氏と村上由美子氏を迎え、「ESG投資で日本発ベンチャーを世界へ:MPower Partnersの新しい挑戦」という題目で対談が行われました。モデレーターはテンプル大学 現代アジア研究所 非常勤講師のマーティン・ファクラー氏が担当し、40名を超える様々な業界を代表するビジネスリーダーが集いました。日米関係を担う次世代リーダーとして、TOMODACHIアラムナイが参加するのは今回で15回目となりました。
対談冒頭、松井氏と村上氏はグローバルな生い立ちや学歴、そして金融業界で培ったスキルを活かし、日本初のESG重視型グローバル・ベンチャー・キャピタル・ファンドであるMPower Partnersを立ち上げるに至った経緯を説明しました。そして過去30年間の成長率がOECD加盟国の中でも最も低い水準に分類される日本経済に、投資家が変革を仕掛ける構想を共有しました。日本のリスクキャピタル(ベンチャービジネスへのリスクを伴う投資資本)が少ないことを理由に、MPower Partnersの投資先企業は成長中期から後期にあるベンチャー企業を主なターゲットにしています。
MPower Partnersでは、投資先企業に対し、かなり広域に渡る深いエンゲージメント手法を取っており、資本の提供に留まらず、経営上の実質的な上場準備支援を提供しています。大規模な機関投資家との協業経験から得た知識を基に、企業ごとに異なる経営改善余地の洗い出しから、環境課題に関する研修の実施、リーダーシップ構造の多様化などの支援を行っています。松井氏は、ESG投資が近年関心を集めている様々な要因を解説しました。村上氏はMPower Partnersの成功が、非財務リスク指標を採用したESG投資が今後さらに活発になること、そして女性のベンチャー・キャピタリストが増えることにつながることへの期待感を語りました。
対談後の質疑応答とネットワーキングセッションでは、オーディエンスも交えて活発な議論が行われました。2017年のTOMODACHIサマー・ソフトバンク・リーダーシップ・プログラムのアラムナイであるマクガバン梨咲氏は、投資先のベンチャー企業との関わり方についてさらに詳しく尋ねました。松井氏は、ベンチャー企業とのエンゲージメントは「子育てと一緒」であると表現し、「彼らは完ぺきではなく、成長途中にある。彼ら自身で失敗を重ね、道を切り開く過程のガードレールとなることが必要である」と述べました。
TOMODACHI MetLife Women’s Leadership Programのアラムナイである山田奈波氏は「将来はお二人のような女性リーダーになりたい」と述べ、キャリアを積む中で重要となる物事の捉え方について質問しました。村上氏は、自身の可能性に限りを付けず、人生は予測不能で、計画通りにいかないこともあるが気を揉まないよう勧めました。松井氏は、公私ともに難しい決断が迫られる場面では、メンターや経験者から助言を仰ぐようにアドバイスしました。