プログラム参加者・TOMODACHIアラムナイに聞いてみました!:鈴木真宝氏
鈴木真宝氏は、TOMODACHIサマー2017 ソフトバンク・リーダーシップ・プログラムのアラムナイです。東京外国語大学の1年生で、アラビア語と中東地域を専攻しています。今年の1月から、TOMODACHIアラムナイ・インターンシップ・プログラムに参加しています。このインタビューは、2021年1月27日にTOMODACHIアラムナイ・インターン(2020)の三原黎香(東京)によって行われました。
Q1. TOMODACHIサマー2017ソフトバンク・リーダーシップ・プログラムにはどのように参加を決めましたか。
私は、中高一貫校に通っていたため、高校受験がない分、TOMODACHIのプログラムに挑戦してみたらと母に言われたことがきっかけでした。また、漠然と高校生になったら今までやってないことをやってみたいと考えていました。そのため、応募条件の「新しいことに挑戦する」を見て、とてもTOMODACHIプログラムに興味を持ちました。「新しい挑戦」と聞いて、はじめは具体的な考えはありませんでしたが、毎日、新聞を読んでいる中で、難民支援や、難民の方の生活をもっと詳しく知りたいという思ようになりました。そこで、難民の方と日本の高校生のスマートフォンの使い方を調べ、比較し、ポスターにまとめるという挑戦をしました。自分の中で生まれた関心を行動に移したことは、自分にとって初めての挑戦になりました。
Q2. TOMODACHIサマー2017ソフトバンク・リーダーシップ・プログラムから得た一番の学びは何ですか?また、プログラムに参加して、ご自身の考え方に変化はありましたか?
プログラムの中で、米国の学校で実際に導入されている地域貢献の実践型プログラム、Y-PLAN!を学びました。その際、若い人は理由をつけて、自分のアイディアを諦めることが多いが、一方で若いからこそ見える視点とできることがあると教わりました。この言葉を聞き、プログラムに参加するまでは、今の自分にできることはないと思い、考えを行動に移すことはありませんでしたが、この言葉によって、自分の考えを実現する為に自分から行動出来るようになりました。実際に帰国後、プログラムの中で考えた福島の復興プランを実現するために、クラスメートや部活の仲間に自分から声をかけ、自分から、ネットワークを作ろうと行動しました。様々な人を自分のプログラムに巻き込んで行動をしていく中で、人が増える分、意見がまとまらないこともありましたが、多角的な意見を得ることができたことで、自分の考えがより中身のあるものになり、目的に沿った活動になるという経験が多くありました。
Q3. プログラムに参加後、どのような活動を実際に行いましたか?
私の出身である福島の地域課題として、震災以降、福島に関する風評被害の影響もあり、夢を諦めたり、将来に希望を持てない若者が多いということを取り上げました。実際に、新聞などでもこのことについて取り上げられることが多かったので、この課題を解決する為の復興プランを考えたいと思いました。そこで、夢を応援する環境作りをしたいと思い、以下の3つのことを行いました。1つ目は、全校生徒と先生に協力をいただき、全員の夢が書かれた折り紙で、モザイクアートを作り、校内で掲示したことです。2つ目は、センター試験を受ける先輩へ、応援の色紙を渡したことです。3つ目は、福島の観光案内を英訳し、友達と一緒に様々な方に紹介したことです。
Q4. TOMODACHIにずっと関わり続けようと思った理由を教えてください。加えて、2020年はメンターとしてプログラムに参加していますが、今までとの違いはありましたか?
TOMODACHIのプログラムに参加する度に、新しい考え方や刺激を受けることが出来るため、TOMODACHI世代グローバル・リーダーシップ・アカデミー(GLA)やTOMODACHI RISEリーダーシップ・プログラムの地域イベントだけでなく、TOMODACHI女子高生キャリアメンタリングプログラムin福島など、様々なTOMODACHIプログラムに参加しました。また、アラムナイプログラムでは、自分とは異なるTOMODACHIのプログラムに参加したアラムナイと出会うことができ、新たなコミュニティーが生まれると共に、つながりが大きくなるのが楽しかったです。はじめに参加したプログラムからずっと関わりを続けています。
2020年は、以前に自身がメンティーとして参加したTOMODACHI女子高校生キャリアメンタリング・オンライン・プログラムin東北に、メンターとして参加しました。初めてTOMODACHIプログラムに参加した時から、大学生になったら、参加者側ではなく、誰かに教える立場になりたいと考えていたこともあり、メンターに応募しました。今までは、参加者側として単純にプログラムを楽しんでいましたが、メンターとして参加してみると、プログラム外でも参加者に対し細かな連絡を行うことや、初めて使うオンラインツールに慣れることなど大変なこともあり、私たちが楽しくプログラムに参加出来るように、たくさんの方の支援や協力があることを改めて感じました。
Q5.あなたにとって「TOMODACHI」とは?
ひと言で表すと「私の原動力」です。震災以降、福島の人として、応援や励ましの言葉を頂くことが多かったです。しかし、TOMODACHIのプログラムの中では、1人の自分として、夢を応援する言葉をかけて頂くことが多く、とても嬉しかったことを覚えています。その方達の応援を裏切りたくはない、また次に会う時までに、自分の中で頑張ったと思えることを伝えたいと思うと、何事も前向きに取り組むことが出来ます。「自分」として様々な人から応援をして頂けるだけでなく、自分自身もありのままで参加できるのは、TOMODACHIの強みだと思います。
Q6. TOMODACHI以外の活動として参加した、2018年の第21代高校生平和大使に応募したきっかけと一番印象に残っていることを教えてください。
難民支援に元々関心があり、核廃絶を求めたり平和を求めて活動をしている平和大使に興味があったことがきっかけでした。加えて、学校の先輩が平和大使をやっていて、活動についてのお話しを聞いた際に、高校生であるのにも関わらず、様々な活動をされていることに憧れを抱いたこともきっかけでした。そこで、自身も第21代高校生平和大使(ユース非核特使としても知られる)に応募しました。このプログラムは、将来の世代に原子爆弾の実状を伝える活動を支援するため、日本政府により創設されました。私は、福島県の代表として選出され、広島と長崎を含む日本全国からの20名の高校生とともに活動をしました。また、活動の中で一番印象に残っているのは、ICAN(International Campaign to Abolish Nuclear Weapons、核兵器廃絶国際キャンペーン)の方のお話です。「皆さんのような若い世代は、これからの未来があるため、自分たちの声を届けて影響を与えるだけでなく、それと同時に行動することができる」と話してくださいました。この言葉を聞き、最初のTOMODACHIプログラムでも感じたことですが、年齢などに理由を付けて行動することを諦めるのではなく、たくさんのことに挑戦したいと改めて考えました。今の大学での学びは、平和大使での経験が大きく影響しています。平和大使の活動の中で、国連に核廃絶を求める署名を提出してきました。国連に訪れた際に、アラビア語が唯一国連公用語に後から追加されたことを知り、興味を持ちました。加えて、将来、国内外の平和構築に携わりたいという夢があったので、国連公用語でもあるアラビア語には、平和構築のヒントがあるのではないかと考え、大学で学びたいと思い、現在の進路を選択しました。
Q7. 最後に、今回インターンとして参加した理由とインターンの経験を通してやりたいことを教えてください。加えて、大学生になった真宝さんから、今の高校生やもっと若い方達に伝えたいことを教えてください。
コロナの影響で、大学の授業もオンライン授業が多くなり、家にいる時間が今までよりも増えました。その時間を使って色んな経験や学びをしたいと思った時に、前回インターンをしていた菅野采颯さんから声をかけてもらいました。インターンを通して英語力を鍛えるだけでなく、プレゼンテーション能力を向上させたいと思い、応募しました。また、インターンの経験を通してやりたいことは、大きく2つあります。一つ目は、現在大学で第3言語を習得していることもあり、多言語や多文化の環境の中で働くことに興味があるので、実際に働く際に重要なこと、必要な能力を学びたいと考えています。二つ目は、将来、平和構築に携わる上で、活動を持続的にすることはとても重要なことであると考えているので、TOMODACHIのプログラムのように持続的に活動をするための工夫や方法を学びたいと考えています。自分の経験の中で、高校生の時、自由に大人の方に質問することができました。色んな方が、自分の興味や関心を高めることが出来るように、たくさんの方を紹介しコネクションを作ってくださいました。また、その経験が今につながっていると感じています。高校生などの若い内に出来ることはたくさんあるし、大学生ではないからこそ出来ることがたくさんあると思うので、何にでも挑戦して欲しいと伝えたいです。