3名の障がい当事者の研修生が成果を報告、次世代リーダーとして新たな一歩を踏み出す
2019年3月18日、「TOMODACHI障がい当事者リーダー育成米国研修」の2018年研修生が、本プログラムの協賛企業であるノースロップ・グラマン・ジャパンを訪問し、研修成果を報告しました。本プログラムは、リーダーシップおよびアドボカシー能力の向上を目的に、障がいのある日本の若者達にボストンで行われる4カ月間の集中研修の機会を提供しています。
壁谷知茂氏は、バリアフリー・レクリエーションと健康増進プログラムを専門とする、ニューハンプシャー大学内の団体「Northeast Passage」でインターンシップ経験と、その学びを発表。さらに、ニューハンプシャーの車椅子ラグビーチーム「Wildcats」での試合経験についても紹介しました。壁谷氏は、「スポーツには、国や文化などの違いを超えた架け橋となる力があることを実感しました。これはとても重要な要素だと思いました」と述べました。
岡啓史氏は、マサチューセッツ大学ボストン校のアジア系アメリカ人研究プログラムでインターンを経験。米国における多様性やインクルージョンの取り組み、さらに障がい者を取り巻く課題について倫理的に発信する方法を学びました。岡氏は、ボストン在住の日本人で障がい児を育てる親を支援するグループのメンバーへインタビューを行い、5分間のデジタル・ストーリーを制作したことを発表し、映像を紹介しました。岡氏はボストンでの研修を振り返り、「障がい児の家族が持つ様々な考えや経験からの学びは、自分の家族について振り返る機会となりました。このプログラムは私にとって、自分自身をより深く知る、というチャレンジでもありました。この経験は将来素晴らしいジャーナリストとなるために役立つであろうことを確信しています」と述べました。
高橋加奈氏は、ボストン小児病院の早期介入科でインターンシップを経験。障がい児とその家族に対する早期介入サービスがどのように家庭訪問や地域の保育グループ・セッションに組み込まれているかを考察し、学んだことを発表しました。高橋氏は、「日本にいた時は、外で白い杖を使いたくないと思い、自分の視覚障害を隠そうとしていました。けれど、ボストンで白い杖を使い始めたことで、実際には杖の使用が快適であることを実感しました。私には白い杖が必要であり、またそれをコミュニティに視覚化する方が良いということに気づきました」と述べました。
報告を受け、ノースロップ・グラマン・ジャパン社長のスタン・クロー氏は、研修生たちの個人およびプロフェッショナルとしての素晴らしい成長は、プログラムを支援する立場からも最高の成果であると称賛しました。
研修生たちは、報告会を終え、新たな一歩を踏み出しました。次世代の障がい当事者リーダーとして、それぞれのフィールドで益々活躍していくことが期待されます。
本プログラムは、ノースロップ・グラマン社の多大なる支援を受け、実施されています。