TOMODACHI米日ユース交流プログラム2018: 日米の高校生が東京・宮城とワシントンD.C.で社会課題について学ぶ
2018年7月14日から8月14日まで、双方向の交流プログラム「TOMODACHI米日ユース交流プログラム」が米国ワシントンD.C.、東京および宮城県で実施され、ワシントンD.C.の公立高校から6名、神奈川県の慶応湘南藤沢高校から3名、TOMODACHIアラムナイ(プログラム経験者)3名の計12名が参加しました。
前半のワシントンD.C.で実施されたプログラムでは、人種や多様性、移民など、米国社会の複雑な課題について考察しました。現地の様々な地域を実際に歩き、ワシントンD.C.の文化の多様性を体験しました。
また、ホロコースト記念博物館や国立アフリカ系米国人歴史博物館の訪問を通して、多様な社会で生きていく上での強味と課題について学びました。さらに参加者は第2次世界大戦中に日系人強制収容所に収容された方と会談する機会も持ち、米国における人種やアイデンティティ、また差別に対して恒常的に取り組んできた歴史について理解を深めました。
プログラムの主要なテーマである「文化的表現」のもと、参加者はアフリカ系とアジア系の音楽と文化形式を融合した地元の若者のプログラムを行うホンタオチョイメイリーダーシップ研究所を訪れ、米国文化の多様性とエネルギーを体験しました。生徒らは、チャイナタウンで詩の朗読競技ワークショップやヒップホップのアクティビティも体験し、カフェで詩の朗読を披露する機会にも恵まれました。
参加者の一人、金実紀氏は「ストーリーテリングの力」について次のように述べました。「このプログラムで、私たちは様々な人々の物語を聞くと同時に、私たち自身も語り部になりました。私は語ることの難しさを感じながらも、想いを語る楽しさにも気づきました。言葉の持つ力は強く、言葉は人々の心を動かすことができる。私は一人の人間として自由に表現する権利があることに感謝したい。」
後半は日本に場所を移し、参加者はホームステイや民宿での体験を通し、文化的考察をしました。宮城県気仙沼市の寺院・清涼院を訪問し座禅を体験し、僧侶から東日本大震災時に彼らが行った支援についてお話しを伺いました。
参加者は、東日本大震災の被災地である宮城県気仙沼市と南三陸町に滞在し、より強固で持続可能なコミュニティの再建に向けた住民の取り組みや、コミュニティのレジリエンスについて学びました。漁師の番屋や森林管理協議会への訪問、佐藤南三陸町長と面会する機会も得ました。
日本で最も印象的な経験として、アルジェネー・ミラー氏は次のように述べました。「『東北への愛』と呼ぶ経験です。私たちは気仙沼市や南三陸町でとても温かい歓迎を受けました。私の地元の人々は、とりわけ見知らぬ人と積極的にお互いに挨拶しようとはしません。しかし気仙沼では、通りで出会う住民たちはいつも私たちに挨拶してくれました。」
プログラムの締めくくりとして、8月13日、アメリカンセンター JAPANで参加者は本プログラムで学んだことを共有し、また社会変革を可能にするグローバル・コミュニティーづくりを目指したアクションプランを発表しました。プレゼンテーションは、歌やビデオを使った多様な形で行われ、最後に集まった関係者と交流しました。
参加者の一人、カルロス・ラミレス氏は「本プログラムへの参加は、私の人生で最も大切な経験の一つとなりました」と感謝を述べました。
本プログラムは、トヨタ自動車、三菱商事、日立製作所の多大な支援により設立されたTOMODACHI交流基金から資金の提供を受けています。