2017年TOMODACHI 障がい当事者リーダー育成米国研修の研修生が決定、ボストン市で研修を開始
障がいのある日本の若者たちが強さと自信を兼ね備えた次世代リーダーとして活躍するために、「TOMODACHI 障がい当事者リーダー育成米国研修」は実施されています。本年は下記の2名が厳正な選考手続きを経て、マサチューセッツ州ボストンで実施される、リーダーシップとアドボカシー能力を向上させるための集中研修に参加することが決定しました。研修は2017年8月から12月までの5カ月間にわたって行われます。
出口澪氏は、長崎県の長崎国際大学4年に在籍し社会福祉を学んでいます。先天的な視力障害があります。小学校と中学校では普通校に通い、高校は視覚障害特別支援学校で学びました。大学では障がいのある学生たちに対するサポートを訴えてきました。東京大学の先端科学技術研究所に設置されている「DO-IT Japanプログラム」で活発に活動しています。「DO-IT Japanプログラム」は、障がいのある学生の進学支援やアドボカシーとリーダーシップの育成支援を行っています。TOMODACHI研修生として、出口氏学生たちがセルフ・アドボカシー能力や自己決定ができる能力を身に付けるための支援ができるようになりたいと考えています。 TOMODACHIの研修終了後には、ボストンで学んだことを長崎国際大学のクラスメートや職員、そして、「DO-IT Japanプログラム」の参加者と共有する予定です。出口氏は大学卒業後、航空会社に勤務し、障がいのある人が積極的な旅行経験ができるように支援したいと考えています。また、自分自身のアドボカシー能力を磨き、航空業界でのキャリアにおいて活用したいと強く願っています。
酒井春奈氏は、2008年から熊本県の熊本学園大学で障害者サービスのコーディーネーターをしています。熊本学園大学で勤務する以前には、地域の非営利団体でソーシャルワーカーとして仕事をしていました。
車いす利用者として、酒井氏は大学や社会生活全般で障がいのある学生が直面するバリアを直接体験しています。このことが、高等教育における障がい者サービスという仕事に携わりたいという気持ちを強く後押ししました。熊本学園大学は、県内で最も早くから障がいのある学生のための支援を確立してきた高等教育機関です。酒井氏は大学のコミュニティや地域の他の教育機関で実施されている障がい者支援と相談においてリーダーとしての役割を担っています。酒井氏はTOMODACHI研修生として、米国の高等教育機関における障がい者のためのベストプラクティスに関する知識を深めたいと考えています。特に、障がいのある学生たちが自分自身のためのアドボカシー能力を取得するための研修計画、および学習戦略に関するユニバーサルデザインについて学びたいと計画しています。ボストンで学ぶことや経験することを熊本学園大学で活用できることを楽しみにしています。
本プログラムは、ノースロップ・グラマン社の多大なる支援を受け、実施されています。