TOMODACHI米日ユース交流プログラム2014および2015年の参加者が、ワシントンD.C.で日本での経験を発表
2015年6月3日、TOMODACHI米日ユース交流プログラムに参加した高校生6名がワシントンD.C.で開かれたレセプションにて日本での経験を発表しました。本レセプションには参加者の家族、先生や友人、さらに関係者も参加しました。本プログラムは、ワシントンD.C.の公立学校に通う米国の高校生と日本の高校生が2週間に渡ってそれぞれの国でリーダーシップ、多様性を学び、また社会的企業の訪問などを中心に文化交流を実施します。本レセプションをもってプログラムの2年目が無事に終了しました。
本レセプションでは、生徒たちが作成した展示物が並べられていました。中には日本で購入したもの、ホームステイ先での思い出や亘理町などの東北での写真も見られました。展示物の中心にはワシントンD.C.で生徒たちが作り上げたパネルを縫い合わせたキルトが飾られ、日米交友関係を表していました。
生徒たちは日本の食文化や訪問した場所を紹介し、日本で経験した異文化体験について話しました。ガブリエル・タウソン氏は、「日本では社会的責任は日常生活においてとても重要なもので、その文化を吸収することができたと思います。」と、振り返りました。さらにワシントンD.C.プログラムを通して日米間のリーダーに会えたことが大きな収穫であったとタウソン氏は付け足していました。「第二次世界大戦で兵士だったテリー・シマ氏に会えたこともとても印象的でした。母国に忠誠でありながらも自分の文化を誇りに思っているというお話を聞いてすごく刺激を受けました。」と、最後にタウソン氏は話していました。
東北へ訪問した際の複雑な心境も生徒たちは発表の中で語りました。高砂高校内の博物館が東北旅の中で1番のインパクトだったと話すマライカ・コールマン氏は、「教室には震災後に学校の近くで拾われた思い出の数々が展示されていました。ちょうど津波が襲ってきた時間のまま止まった時計までもありました。」と振り返っていました。生徒たちはこのような逆境に立ち向かう最善の方法は「毛虫」のように少しずつ前進していくことだと主張しました。
2013年のTOMODACHIアラムナイ(プログラム経験者)2名も本レセプションに出席し、日本での学びの話を通して震災と人類の不思議な関係性と日米の困難に向かう絆の強さについて語っていました。デルマール・タラゴ氏は「プログラムを通して自然災害の様々な側面に気づくことができました。震災の爪痕を実際に見て、さらに人々に与えられた精神的な影響も多少なりとも把握することができました」と振り返りました。さらに、「東北の防災建築物は人々の精神面を象徴していると私は感じました。ニューオリンズも東北と同様、震災のいわばアイデンティティがあると思うのです。しかし、実際に被災地に足を運ぶことによって前へ進む姿勢と追悼するだけでなく未来へ希望を持つ、という思考に感化されました」とタラゴ氏は述べました。
本レセプションイベントでは同席していた2015-2016のプログラム参加者も紹介されました。生徒たちの発表は、感謝の気持ちを込めた詩で終わりを迎えました。最後の一行で、本プログラムでの日米交流がどれだけ生徒たちにとってかけがえのない経験になったかが伝わるでしょう。「新しい環境へと背中を押し、私の将来に投資してくれてありがとうございます。おかげで新しい海外の友人にも恵まれました。」