TOMODACHI 日米クリーンエネルギーローカルパートナーシップ研修プログラムを通し、日本のクリーンエネルギーの専門家が米国を訪問
2015年4月5日から15日に、10名の日本のエナジー分野の専門家を集めた、第2回目となるTOMODACHI 日米クリーンエネルギーローカルパートナーシップ研修プログラムが開催されました。研修は、米国カルフォルニア州サクラメント、サンフランシスコとコロラド州デンバーの三都市で行われました。本プログラムは、オバマ大統領と野田首相が2012年4月30日に発表した「日米協力イニシアティブ」の一環である「東北グリーン・コミュニティー・アライアンス」の下に発足しました。参加者は、米国のスマートコミュニティー、エネルギー効率の良い建物、更に米国における最先端の再生可能スマートエネルギーを見学しました。2015年4月17日には、東京アメリカンセンター(ACJ)で報告会が開催され、米国のクリーンエネルギーや政策、そして日本での今後の展望について発表しました。
参加者が訪問した数々のスポットの一つにサクラメント都市工学適用地域があります。この地域は25年以上も太陽光を牽引する存在です。そこでは、地域の太陽光や風力、スマートグリットについて学びました。参加者は、1923年に既に地元の人々の住民投票によりこの地域が建設されたということに驚かされました。更にコロラド州では、米国で唯一の産業による、産業に注力した機関であるコロラド・クリーンテック・インダストリー・アソシエーションを訪問しました。プログラムを通して、米国の技術やシステムのみならず、行政、企業、非営利、市民団体などセクター間での異なる関係について多くの事例を通して触れました。
沖縄県宮古島市役所エコアイランド推進課エコアイランド推進係係長の三上暁氏は「米国では行政が土台を作り、その後住民側が実際に事業などをやっていました。政府が決めた方針に対して良し悪しの議論は住民によって決められ、私はこの姿はエネルギーに限らず全体として日本でやっていかなければいけないと思いました。そして、このような機会をいただいた若い世代から考えていかなければいけないと感じました」と熱意を話しました。
また参加者の多くが日本人の「環境意識を高める」という課題に対して、米国では異なるアプローチがとられていることに気が付いたと話しました。参加者らがアメリカ人のスピーカーに対して「住民の環境意識の向上のために何をやられていますか」という質問に対して「何もやっていません」という返答がありました。米国では、環境改善に取り組むことでどのような生活の向上が生まれるかという経済的合理性を強調することで「意識すること」から「当たり前のこと」にしていました。参加者は別の切り口を日本でも実践する準備を早速始める意気込みを語りました。
特定非営利活動法人スパッと鳴子温泉自然エネルギー代表佐々木雅大氏は、発表のなかで「私はアメリカが大好きになりました」と話しました。「行政が何年までにある目標を達成すると明言し、行政自身が市場を作り、仕組み作りをしていました。するとみんなが続いて足並み揃えて進んでいました」。プログラムに参加し、実際米国に足を運ぶことで「当初はあまり良い印象を持っていなかったが、仕組みや国民性にも好感を持つようになりました」と話しました。
プログラムの完了は、クリーンエネルギーの分野における今後日本の地域間での、そして国境を越えた協働の始まりを意味しました。このローカルかつ国際的な関係が継続することは誰の目にも明らかであり、今後のコミュニティーリーダーの活躍に大きな期待が寄せられます。
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