バスケドリーム、福島編: 福島の生徒たちがNBAバスケットボールキャンプに参加、TOMODACHIから多大なサポートを受ける
TOMODACHIイニシアチブはナショナル・バスケットボール・アソシエーション(NBA)およびNPO法人フロンティア南相馬と協力し、6月15日から17日にかけ東京で開催されたNBAユースキャンプに、福島の中学生20名を招待しました。
男子14名、女子6名の計20名の子供たちは、2011年3月11日の東日本大震災で地震や津波、また放射能の被害を受けた福島県南相馬市から参加しました。福島第一原子力発電所からおよそ16キロの同市は、放射能汚染のため未だ一部が立入禁止となっています。
生徒たちはNBAのコーチ、NBAの元選手、それに現役NBA選手たちの指導の下、シュート、パス、スクリーン、ポストプレー等のバスケットボールの基本的なスキルをしっかりと学びました。生徒たちはまた、このキャンプを通して、参加していたアメリカ人や他の日本人の子供たちとも仲良くなり友達の輪を広げました。
元スター選手でセンターポジションだったディケンベ・ムトンボ氏に加え、かつてNBAでも活躍したポイントガードの田臥勇太選手が登場し、一緒にチームメートとのコミュニケーションやチームワークの大切さを、デモンストレーションを通して生徒たちに披露しました。また両選手は自分たちのバスケットボールキャリアの中で一番辛かった時の経験を参加者に話し、苦しい時こそ努力を忘れずに根気強く頑張り続ければ、バスケットボールに限らず、学校や人生何事にも成功できるということを生徒たちに訴えました。その他、前向きな態度をなくさなければ、どんな環境にいても、またたとえ背が高くなくても、バスケットボールで活躍できると強調しました。(ムトンボ選手の身長は2.18mまたは7フィート2インチ、田臥選手は1.75mまたは5フィート9インチ)
現在アトランタ・ホークスに所属しているウラジミール・ラドマノビッチ選手は、NBAの選手が必ずしも完璧にシュートを打てるわけではないこと、でも一生懸命練習し、基礎をしっかりと身に着ければ、皆素晴らしい選手になれると話してくれました。ラドマノビッチ選手は、キャンプの参加者にどうやったらジャンプシュートが上達するか教えてくれたり、スリーポイント・コンテストをしてキャンプ参加者の中で一番シュートが上手な子と競ったりしました。
南相馬市から生徒に付き添った来た田中巨文コーチと波多野雄二コーチは、NBA選手やキャンプカウンセラーから教えてもらった基礎的な知識やスキルを生徒全員が理解してくれただろうと期待しています。
「世界一のNBA選手も基礎的練習を繰り返しやるんだ」と田中コーチは改めて納得しました。「私はこれを機会に生徒たちがやる気を出し、南相馬に戻っても、小さいことを積み重ねてやることの大切さや、前向きな姿勢を忘れず毎日バスケの練習や勉強に取り組んでほしい」と述べました。
また田中コーチは、生徒たちがコーチやキャンプに参加しているアメリカの子供たちと英語の練習をしているのを見てとても嬉しく思いました。
「生徒たちは英語の勉強をしていますが、普段会話をする機会がありません。アメリカの子供たちと他の日本人が英語を話しているのを見て、自分たちも自信を持って日常生活の中で英語を練習するようになると思います。」とも言っていました。
NBAユースキャンプは、6月12日から17日にかけて、バスケットボール・ウィズアウト・ボーダーズプログラムの一環としてNBAが日本で開催した活動のひとつです。6月12日には、ナショナル・バスケットボール・アソシエーション(NBA)、TOMODACHI、一般財団法人ユナイテッド・スポーツ・ファウンデーションは、仙台近郊の中学校でバスケットボール教室を開催し、元NBA選手でNBAグローバル・アンバサダーを務めるディケンベ・ムトンボ氏、ウラジミール・ラドマノビッチ選手(アトランタ・ホークス)、田臥勇太選手、コーリー・ブリュワー選手(デンバー・ナゲッツ)、及びNBAコーチらが子どもたちにバスケットボールを指導しました。NBAはまた、アジア各地の高校から選ばれた選手を指導するプログラムを、アメリカン・スクール・イン・ジャパンで開催しました。