米国研修を終えた8名の看護学生が、達成感と新たな情熱を胸に帰国
2019年8月4日から16日まで、TOMODACHI J&J 災害看護研修プログラム2019の米国研修が実施され、8名の看護学生が、ニューヨーク市、ニュージャージー州、ワシントンD.C.を訪問し、米国における医療体制と看護の概要、そして災害時における看護師の役割を学びました。
研修の前半は、2001年に起きた同時多発テロや、2012年に発生したハリケーン・サンディの被災地を視察し、当時実際に現場を経験された方々から、貴重なお話を伺いました。
後半は、実生活での状況を想定したトリアージや、災害時を想定した院内での優先順位を瞬時に判断する研修を実施しました。また、医療用ソリ(Med Sled)を利用しての避難訓練や除染作業、実物を用いた避難用持ち出し袋(Go Bag)や止血帯の使い方講習など、実践的な訓練にも挑戦しました。また、本プログラム初の試みとして、勤務中の看護師のシャドウイングを行い、米国での実際の看護現場を体感しました。
さらに、多くの看護師の方々から看護師になったきっかけや、彼らの情熱について話を伺い、その看護師たちが中心となって開催している奉仕活動を見学する機会にも恵まれました。この経験から参加者は、自分たちも看護師として大きな可能性を持っていること、そして様々な場面で看護師は「ケアのプロ」だということを改めて実感しました。
本年度も協賛企業であるJohnson & Johnson本社を訪問し、同社が設立当初から力を注いできた、医療と看護への支援及びその貢献の歴史について学びました。また、看護師の資格を持ちながら民間企業で働く方のお話を伺い、看護師としてのキャリア形成についても考える時間となりました。
最終日にChildren’s National Health Systemで行われたレセプションでは、参加学生を代表して国際医療福祉大学大学院、小野和佳奈氏がスピーチをしました。自身が米国研修を通じて印象に残ったのは、出会った人の強い情熱と、過去からの学び未来に生かす姿勢であり、これからは、自分もそのような志を持った災害看護の実践者になることを力強く宣言しました。
帰国後、学生たちは米国研修で得た学びから、自らのプロジェクトを実施する事で、自分たちのコミュニティに還元します。次世代のリーダーとして、災害看護を通じて社会に貢献するために、革新的なプロジェクトを遂行し、実行することが期待されます。