東北の未来を担う次世代リーダー100名が、米国研修を経て地域に前向きな変化を起こすアクションプランを策定
2018年7月20日から8月9日まで、カリフォリニア州バークレー市および近郊で実施された「TOMODACHIサマー2018ソフトバンク・リーダーシップ・プログラム」に、岩手・宮城・福島県の高校生100名が参加しました。
3週間にわたる本プログラムは、3つの段階で構成されています。まず、はじめに参加者は本プログラム協賛企業であるソフトバンクグループ株式会社 代表取締役会長兼社長 孫正義氏が学んだカリフォルニア大学バークレー校で、地域社会が抱える課題に取り組むプロジェクト型学習、Y-PLAN! (Youth, Plan, Action, Now!) を学びます。次に、カリフォルニア州リッチモンド市と北リッチモンド自治区から依頼を受け、地域を活性化するアクションプランを策定し、発表します。最後に、100名の高校生それぞれが、今後東北で実施するアクションプランを策定し、発表を行います。そのほか週末にはホームステイを体験し、また野球観戦など様々な文化体験や交流に参加しました。
到着後間もなく、100名の参加者は4つのグループに分かれ、インストラクターや、学びをサポートするFA(フィールド・アシスタント)からY-PLAN!の基礎を学びました。研修は、地域貢献に必要な手法やアイディアの種を見付ける学習だけでなく、グループで結束力を高めたり、自己のストーリーを掘り下げ共有し、議論を重ねながらそれぞれが自身のリーダーシップのあり方を模索する機会となりました。
次に、北リッチモンド自治地区で約30年にわたり住宅や支援サービスの提供を通し、より活気のあるコミュニティ形成に尽力してきた地域住宅開発団体から依頼を受け、「北リッチモンドをより活気があり、多様性に富み、創造的で緊密な地域にする」という課題に取り組みました。北リッチモンドは、リッチモンド市北西部の非公式の自治地区で、活気があり、地域のつながりも強い反面、ごみの不法投棄や地域でのビジネスの不足、手頃な価格での新鮮な食料品の入手が困難なことなど、様々な課題を抱えています。参加者は、実際に北リッチモンドに足を運び、地域の方々との交流をしました。
依頼に応えるため100名の高校生は熱い想いを胸に、Y-PLAN!の手法を最大限に活用し、チームごとに議論を進めました。一人ひとりの意見を尊重する難しさや、限られた時間の中で意見を集約しなければいけない焦り、グループ内で自身の果たす役割への模索や悩みなど、多くの課題に直面しました。しかし、すべてのチームは話し合いを重ね、それぞれの強みやリーダーシップを認識することで役割を見つけ、全員が発表の成功に貢献しました。北リッチモンドの代表者を招いて開催された発表会では、趣向を凝らしたアクションプランを披露し、称賛を受けました。また、今年はじめての試みとなる「Day of Action!(実際に行動に移す日)」では、発表を経て、再度北リッチモンドを訪れ、地域が明るくなるよう、柵に絵を描くなど、各グループのアクションプランの一部を実行しました。この経験を通して、生徒らは課題に取り組むことの重要さを学んだだけではなく、新たな活力を得ました。
プログラムの締めくくりとなる東北でのアクションプランの策定では、東北地方で活躍する、NPO団体などの若手職員であるアダルト・アライの6名も加わり進められました。アダルト・アライは、高校生の帰国後、アクションプラン実施を伴走する重要な役割を果たします。生徒は各自、自身の情熱や強みと地域の課題を考察し、何度もフィードバックを受けて更にプランを練り直しました。そしてプログラムの終盤では、100人がグループに分かれて、関係者の前でそれぞれのプランを発表しました。卒業式を経て、それぞれの地域に戻った参加者は、地域に前向きな変化をもたらす、次世代リーダーとしての第一歩を踏み出しました。