日米のフォスターユースが互いの国の福祉制度を学び合い、大きな刺激を受ける
2017年9月16日、「TOMODACHIフォースターユース・リーダーシッププログラム」に参加した米国・日本の社会的養護の当事者が「TOMODACHI-IFCA ユースサミット」を開催し、社会的養護の当事者、里親支援員、ソーシャルワーカー、児童養護施設長など100名近くが参加しました。
本プログラムを通し、8月4日から8月13日に6名の日本人ユースが米国ワシントン州シアトルを訪れ、9月8日から9月17日には6名の米国ユースが訪日し、両国で様々な交流や視察を行いました。
渡米プログラムで6名の日本人ユース(18歳から23歳)は、自己の社会的養護の経験の共有と共に、日米の児童福祉と自立支援のシステムについて発表を行いました。ワシントン大学で行われた発表会は「国際児童福祉合同勉強会」と呼ばれ、秋に来日する米国ユースのみならず、地域の社会的養護の当事者たちが交流する機会となりました。
また、日本人ユースはインディアン児童福祉局を訪ね、米国の社会的養護の司法制度の基本と福祉局の職員の方々の日々の仕事について学びました。更にその他の視察を通して、米国での社会的養護の当事者を対象にした教育・就労・精神衛生・自立準備のサービスについて情報を得ました。
日本人ユースメンバーのAoi は、帰国後「社会的養護を経験した他のユースたちの語る内容が新鮮で、示唆に富んだ内容であり、今後の自身の活動において大きな意味をもたらすものとなった。また、将来の自身のビジョンを改めて考える機会となった」と述べました。
2017年9月8日から17日には、6名の米国ユースが来日し10日間のプログラムに参加しました。9月10日に昭和女子大学で開催された「TOMODACHIサミット」では、米国ユースの一人がシビック・エンゲージメントをテーマに登壇しました。
米国ユースは、世田谷区と千葉県の里親会のメンバーとの会談や、4ヶ所の児童養護施設訪問を通して、米国の児童福祉の制度とグループ・ケアの現状について講義や、ユースの権利擁護、ライフストーリーワーク、そして児童虐待防止などについて活発な意見交換を行いました。
米国チームメンバーのタリア・ガルシアは、「このプログラムを通じて日米両国に新しい友達ができました。TOMODACHIとIFCAが私たちに安全な場を与えてくれたので、他の社会的養護の当事者、専門職の人たち、施設や里親家庭で日々子どもたちのケアにあたっている人たちと、心地よく、自由に交流することができました。そして、このプログラムは『困難に打ち勝ち、精神的にも社会的にも成長して、夢をあきらめずに生きる』という私の個人的な課題に真正面から向き合う機会を与えてくれました」とプログラムを振り返りました。