TOMODACHI世代のアラムナイ8名がシリコンバレーで開催された2016年米日カウンシル・アニュアル・カンファレンスに参加し、体験談を語る
TOMODACHI世代のアラムナイぞれぞれに、特別な物語があります。
2016年11月15日、カルフォルニア州のシリコンバレーで開催された2016年米日カウンシル・アニュアル・カンファレンスのプログラムの一つとして開催された、TOMODACHIワークショップで、日米のアラムナイが4名ずつ、逆境を乗り越えた経験談を発表しました。テーマは女性のエンパワーメント、災害からの復興、心の病、起業、異文化と教育機会の格差、社会的養護と多岐にわたりました。
山本幸輝氏は、3月11日の震災後、故郷の福島県浪江町から避難した経験、またTOMODACHIプログラムが彼の人生に与えた影響について共有しました。
「私の故郷、浪江町は福島の原発から2マイル(約3.21km)にあります。大震災以降、私は町での生活という日常を失ってしまいました。そんな中、2014年に『TOMODACHIソフトバンク・リーダーシップ・プログラム』に参加しました。3週間のプログラムで、地域活性化の重要性について学びました。しかし、私にとってより重要だったのは、私自身が浪江町の出身だと公に話せたことでした。それまでは、差別を恐れて話すことができませんでした。プログラムに参加し、自分自身の体験について話をする時間と機会を頂きました。また、同じ東北出身の同年代の仲間と出会い、町の思い出について(震災後)初めて分かち合うことができたのです。
そして地域を活性化し、私の町を支援していきたいという気持ちが明確になりました。今は戻ることができなくても、文化を継承し、他の人たちと分かち合えるように貢献したいと思います。それは、浪江町の為だけでなく、私自身の為でもあります」(スピーチ全文はこちらをご参照ください)
それぞれが自分たちの物語を共有した後、アラムナイが4つのグループに分かれて、社会的養護制度の改革・地域活性・起業・女性のエンパワーメント等、それぞれのテーマについて、アラムナイ自身がリードを取り、討論を行いました。また、その場でアラムナイは自分たちのコミュニティや社会で挑戦した経験を明かしました。カンファレンスの参加者とともに、アイディアを議論することで、彼ら自身の認識を促し、より素晴らしい世界に向け、働きかけ続ける策を見出しました。
アラムナイは、TOMODACHIワークショップへの参加のほか、11月14日に行われたアニュアル・カンファレンスの公式プログラムに参加する機会を得ました。
本カンファレンスには、日米両国から700人を超える参加者が集いました。株式会社日立製作所取締役会長兼代表執行役の中西宏明氏やセールスフォースのシニアバイスプレジデント兼ストラテジック・プランニング担当のピーター・シュワルツ氏らが基調講演を行いました。またマイクロソフトコーポレーションのプレジデント兼最高法務責任者のブラッド・スミス氏は日米の協力におけるさらなる機会、テクノロジーの進歩がもたらす将来の変化についてのスピーチを行いました。(2016年米日カウンシル アニュアル・カンファレンスの詳細についてはこちらをご参照ください)。
シアトルで行われたTOMODACHIソーシャルイノベーションプログラムのアラムナイであり、共有経済を切り口とするスタートアップの学生起業家で、TASKEYA代表 江田翔太氏は、カンファレンスで次のように述べました。「(カンファレンスで得た)最大のインパクトはロールモデルとなる方々に出会えたことです。グローバルな考えを持ち、仕事に取り組む、非常にフレンドリーな方々です。彼らとの出会いを通して、将来のキャリアとビジネスについて幅広い面から考えるようになりました。また、夢を追い続けているTOMODACHIアラムナイに会ったことで、同じような状況にいる仲間がいる事を知り、自信が持てました。今では、私にとってTOMODACHI世代は、お互い寄り添い、常に頼ることができる家族のような存在です。」
- 写真はこちら